仕事の「質」と「量」 ー 評価されやすいのは、どっちか?

2024.11.01更新

 

仕事の「質」と「量 」。ズバリ、どっちに重点を置いたらよいだろう? 自己評価のしやすさ、評価の受けやすさを考えると、答えが見つかる。

どっちが評価されやすいか?

 

1.「仕事の質」に重点を置くと、どうなる?

質にこだわると、質の高さを証明しなければならない。

ミスが発生しなかったなど、仕事の精度については数値化できるかもしれないが、多くの場合、数値化は難しい。

 

そうすると、「期待を上回る業務遂行だった」「関係者から評価を得ている」などの表現で、質の高さを表現しなければならなくなる。

仕事の質を自己評価するのは、なかなか難しいのだ。

 

実際の自己評価では、「徹底して」「たえずお客さまを第一に考えて」「関係各部と連携して」「相手のニーズを探り続け」などの表現が並ぶ。

しかし、これらの言葉が並んだだけでは、良い評価につながらない。

 

質の高さで勝負することは難しいのだ。

 

仕事の質とは業務水準の高さをいうが、それを証明するのも、評価するのも難しいということだ。

上司も評価しづらい。

 

質の高さで勝負するならば、「あのことを指しているのか」と、上司がピンと来ることが必要だ。

どんな事実があったかということである。

事実が示されていないと、上司はピンと来ない。

ピンと来ないと、良い評価にはならない。

逆に上司がピンと来ると、高評価につながる。

 

この点について、コロナ後の「たった一つの出世の掟」では、良い評価を勝ち取るためには、継続した事実が大事と述べた。

 

上司はある事案だけをもって、質の高さを判定しているわけではない。

質の高さが継続しているということが重要なのだ。

 

 

「仕事の質」を事実で指し示すことが大事

 

2.「仕事の量」に重点を置くと、どうなる?

「仕事の量」を重点に置くと、評価を受ける側は書きやすく、評価する側も評価しやすいという利点がある。

 

このことは評価を受けるうえで、とても大事なことだ。

というのは、悪い評価がつく場合は、評価する側が被評価者が行ったことをよくわからないでいることが多いからだ。

 

コロナ後の「たった一つの出世の掟」では、次のような仕事の結果例を示した。

 

販売店会議の企画と運営

2021年度 販売店会議○○回開催 新規会員数△△社 

2020年度 販売店会議○○回開催 新規会員数△△社 

2019年度 販売店会議○○回開催 新規会員数△△社

 

 

「仕事の量」で勝負するとき、自分が行った事実を探し、数値化することが大事だ。

 

ここでは、会議開催回数も立派な評価要素になることを述べたが、「なーんだ、ただの開催回数じゃないか」と思う人がいるかもしれない。

しかし販売店会議を開催し続けるということは、なかなか大変なことだ。

しかも、継続して開催しているところがポイントだ。

「新規会員数」を示したのは、販売店会議に魅力があったことを示したかったからだ。

すなわち「質」も示したかったのだ。

 

このように「仕事の量」に重点を置くと、自分が「やったこと」を整理して、申告することができる。

評価する方も、事実がわかるから、評価しやすいのだ。

そして、一般的に、事実が指示された答案には悪い評価はつかない。

 

しかし、仕事の量は正直だ。

はっきり「十分」「不十分」という結果が出るからだ。

 

もしかして、「仕事の質」にこだわる人はこのことに気づいているから、「仕事の質」で勝負しようと思うのかもしれない。

 

 

「仕事の量」で勝負するときは、自分が「やった事実」を整理する

3.「仕事の質」は「仕事の量」から生まれる

ビジネスマンを続けているとわかることがある。

 

「仕事の質」は「仕事の量」から生まれるということだ。

「やったこと」をベースに、工夫が生まれるからである。

 

それは、多くのことをやってみた結果、生まれた工夫だ。

体感した工夫ともいえる。

だから「仕事の量」をこなせばこなすほど、改善点がわかるのだ。

 

このことは、ビジネスマンの成長過程そのものだ。

 

ほとんどのビジネスマンは入社当時、がむしゃらに目の前の仕事に取り組んだはずだ。

先輩社員に少しでも追いつきたく、「仕事の量」にこだわったはずである。

そして「仕事の量」をこなすなかで、さまざまな改善点がわかり、工夫が生まれた。

 

そんなことを積み重ね、中堅社員になると、「あの人の仕事はたしかだ」などと「仕事の質」に対する評価を得るようになる。

 

すなわち、「仕事の質」はそれ自体を追い求めても、生まれないということだ。

 

「仕事の質」と「仕事の量」 ー けっして対立する概念ではないのだ。

 

 

「仕事の量」と「仕事の質」は対立する概念ではない

4.会社はどちらを求めているか

会社は「仕事の質」を求めていると考えるビジネスマンは多い。

 

それは無理からぬことだ。

普段、会社が従業員に話すことは「仕事の質」に関することであり、ビジネス書に書かれていることも「仕事の質」についてだからだ。

 

しかし、会社の本音はどうなのだろう?

このことを考えるうえで、ヒントとなる言葉がある。

 

上司は部下によく「まだやっているのか?」と言っていないだろうか。

それは、一つの仕事をなかなか片づけられない部下に対しイライラしたときに吐く言葉だ。

問題はその心だ。

上司は、「早くその仕事から足を洗って、違う仕事に取り組んでくれよ」と言っているのだ。

すなわち、上司は部下に多くの仕事をこなしてくれることを期待している。

 

そうしてもらわないと、限られた要員のなかで、組織が回らないからである。

 

 

会社社会では、あくまでも自分の「仕事の質」にこだわるビジネスマンは多い。

しかし会社社会で評価される人は、組織に貢献する人だ。

組織に貢献する人とは、組織の為に多くの仕事をこなす人である。

 

この観点は忘れないでもらいたい。

 

 

上司や会社の本音は?

5.まとめ

「仕事の量」「仕事の質」どちらをめざすべきかという議論のなかで、今まで、評価される側、評価する側の視点、会社の観点が見逃されてきた。

 

組織への貢献という観点から考えると、「仕事の量」をこなす人が重宝される。

また「仕事の量」に重点を置くと、評価される側、評価する側ともわかりやすいという利点がある。

 

しかし、「仕事の質」が重要ではないという意味ではけっしてない。

ただ、「仕事の質」は単独で追い求めるのではなく、「仕事の量」をこなしながら身につけるものだ。

だから、「仕事の質」のみが強調された答案用紙を見せられても、評価する側はピンと来ない。

「仕事の量」に裏付けられた「仕事の質」が必要だということである。

 

「仕事の量」に重点を置くとき、絶対に忘れてはならないことがある。

仕事の効率だ。

仕事の効率を踏まえたうえでの「仕事の量」ということである。

 

また、単に「やった」ということでは、評価は得られない。

「やった」ことを、報告、提出、記録しなければ、人も上司もわからないということである。

すなわち、アウトプットすることが大事だということだ。

 

 

(参考記事)

「ビジネスマンの仕事でのアウトプット例は、 報告・提出・記録」

https://shinyuri-souken.com/?p=64759

 

綾小路 亜也

 

 

評価されるビジネスマンは?

 

 

関連記事:良い評価を受けるには、「継続している事実」がポイント

「自分の強み」がわからない人へ ー 継続している事実を数字に

 

 

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2024年7月13日 | カテゴリー : 出世する人 | 投稿者 : ayanokouji