人間関係が改善すれば、会社をやめなくてすむか?

ビジネスマンやビジネスウーマンにとって、上司や先輩、同僚との人間関係は重い。
人間関係が悪いと、会社へ行くのが憂鬱になる。そのことで会社をやめる人もきっと多いはずだ。
だが、人間関係が改善すれば、会社をやめないですむのだのだろうか?

 

人間関係から会社をやめようと考えるのだから、答えはYESになる。
しかし、逆に人間関係が良好なら、会社に残り続けるだろうか?
なにか、会社をやめるという理由と会社に残る理由は、別のような気がする。

 

 

じつは、このことに触れた記述がある。
「動機づけ-衛生理論」で有名なハーズバーグが書いた『仕事と人間性』のなかで、フリードランダ―とウォルトンの実証が紹介されており、彼らは、「ある組織にとどまる理由は、その組織を去る理由と異なる(またはその単なる逆ではない)」という。

やはり、会社をやめる理由と会社に残る理由は異なるのだ。

 

かれらの実証研究は、ほかにも重要な事実を示している。
それは、(組織に)とどまる理由は仕事過程要因(動機づけ要因)であり、去る理由は仕事脈絡中の要因(衛生要因)がほとんどだったということである。

 

ここで、動機づけ要因、衛生要因を少し復習しておくと、

動機づけ要因は、達成、承認、仕事そのもの、責任、昇進
衛生要因は、会社の政策と経営、監督、給与、対人関係、作業条件

である。

 

人間関係は衛生要因であり、やはり会社をやめる要因になるのだ。
そして、この研究は、会社に残る理由は、会社をやめる理由とは違った次元で存在しているということを示している。

(注)ハーズバーグがいう対人関係は上役との関係を指している

 

ここで、衛生要因の特徴についても触れておきたい。
ハーズバーグは衛生要因の改善は長い効果にはならず、職務の満足につながるものではないと述べている。
つまり、衛生要因の改善は不満足を薄めるか、不満足を覚えないだけであり、それが職務自体への満足につながるわけではないということである。

 

 

上記の研究やハーズバーグの記述から、「人間関係が改善すれば、会社をやめないですむか」の命題への解答はどういうことになるのだろうか?
会社をやめる直接の動機が人間関係にあるのだから、それが改善すれば会社をやめないですむ。
しかし、人間関係が改善されたからといって、それが会社に残り続ける要因にはならないということだ。

 

人間関係は良くなったり、悪くなったりする。また組織での人の入れ替わりにより、頻繁に人間関係も変わる。
つまり、人間関係が改善することは、その場ではやめることを抑制するが、また、いつ人間関係でやめようと思うかわからないということだ。

 

人間関係を基軸に考えている間は、会社をやめる、やめないの間を行ったり来たりするということである。
もちろん、そうならないように、常日頃、人間関係をよくしておくことは必要である。

 

だが、そもそも、なぜ人間関係を問題にしているのだろうか?
他の要素を考えていないからである。
いまの会社に残りたいのか、そうでないのかの議論がすっ飛んでいる。
いまの会社に残る理由も考えてみなければ、議論は人間関係に終始してしまう。

 

そうすると、職務の中身が問題になるはずだ。
多くは、仕事の満足は、達成の喜びがあるか、それに対する承認があるか、自分が成長できるかで決まってくる。
こんな仕事の本質部分の確認がないと、その時々の人間関係に引っ張られてしまうのである。

 

 

人間関係が悪く会社をやめたいと思っているとき、あるいは、人間関係が改善し会社に残ってもいいなと思うとき、自分の判断は人間関係だけなのか、よく考えてもらいたい。
もちろんお話ししてきたような理論がすべてでなない。理論では説明できない感情を人間は持っている。
いたたまれない状況の解消から、会社をやめるという選択も当然あるだろうし、それを誰も否定できないはずだ。
だが、そんなときに、自分はいまの仕事を続けたいと思っているのか、思っているのなら、続けられる方法はないのか、自分は何を望んでいるのかも考えてもらいたい。

 

そうすると、いろいろな選択肢が生まれるはずだ。
いまの仕事を続けたいと思っているのなら、配置転換を申し出る方法もある。その配置転換を申し出る上司が人間関係の元になっているのなら、いまは人事部門に申し出るという道もある。それも現実的にはむずかしいというならば、いまの職務を他の会社で見つける方法もある。そして他の会社が見つかるまで、いまの職場にいるという手段もある。あるいは人間関係を気にしないように努めるといった手もある。ストレスを発散する方法もある。
どれも、精神的に追い込まれた人には厳しいかもしれないが、いまの状態から一歩離れて、自分の望む姿を見ることは必要だと思う。

 

 

 

 

 

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