キャリアの語源は馬車の轍(わだち)と言うけれど

キャリアの語源は馬車の轍(わだち)であることは知られています。
轍は車が通ったあとに残る車輪の跡です。
「career」をみなさんがお持ちの英和辞典でひくと、「ラテン語の「車道」の意から」(carrus)と記載されているはずです。

 

なかなか素敵な語源ですよね。
みなさんはこの語源から、キャリアはまさに人が歩んできた道のりや足跡のようなものだと思うのではないでしょうか。

 

 

しかし、いま、キャリアという言葉はこのような過去の振り返りだけでなく、現在形、未来形としても使われています。
「自分のキャリアを考える」という言葉をよく聞きますが、考えているのは今であり、考えている内容は将来のことではないでしょうか。
そして、この言葉の主体は自分で、「これから」のことといった要素が強く含まれていると思うのです。

 

「これから」のことをキャリアと言えるのかというご指摘があるかもしれませんが、じつはキャリアという言葉は多義性をもった言葉です。
捉え方により、さまざまな定義がなされています。
そのなかで、多数の定義を分析し、共通した意味を見出した人たちがいます。
渡辺三枝子先生のグループは、キャリアの概念には、「人と環境との相互作用の結果」「時間的流れ」「空間的広がり」「個別性」といった共通した意味が内包されていると述べています。(『新版 キャリアの心理学【第2版】―キャリア支援への発達的アプローチ―』 P11「キャリア」とは~)

 

 

この4つの要素、当たっていないでしょうか?
特に「時間的流れ」については深くうなずく人も多いかと思います。
「馬車の轍」の例で考えれば、「轍」も自分のキャリアに違いないが、それを振り返る自分がいて、そこから未来に向かう自分がいる。
つまるところ、自分が生きている間、キャリアはずっと形成され続けると考えるほうが、人生100年時代にマッチしていると思うのです。
このことは、人間は肉体的には老化するかもしれないが、発達し続ける存在である生涯発達の理論とも重なっています。

 

 

たとえば、いまや定年は一つの節目にすぎなくなっています。
定年を迎えた人には、きっと定年までの「轍」はハッキリと刻まれているでしょう。
しかし、人生100年時代、ここからがあるのです。ここからも自分の人生なのです。
そんなことを考えると、定年後までを含めた道がキャリアだと考えたほうが自然だと思うのです。

 

また、転職する人も多くなってきました。その人たちにとっては、転職する前のキャリアもありますが、転職後のキャリア形成がより重要なはずです。
あるいは、育児期間を終え職場に復帰する女性も多くなっています。これらの人にとっても復帰後のキャリア形成は重要です。
転職した人、職場に復帰した人とも、そこから新たなキャリア形成が始まるのです。

 

 

私は、自分のキャリアは、未来形で考えたほうがいいと考えています。
未来形で考えると、そこに自分がいます。自分がどうしたいのか、どこに向かいたいのか、自分の頭で考えます。
自分の頭で考えると、キャリアは自分が作り上げるものだということに気づきます。
そう考えたほうが、なにか楽しくなるし、活き活きとしてきますよね。-これが、キャリアを未来形で考えるいちばんの効果だと思います。

 

 

 

最後に、「馬車の轍」について、さまざまな記事が公開されていますが、みなさんの参考になりそうな記述を一つだけ紹介しておきます。

 

「馬車が走ると轍(わだち)が残ります。そのパターンを振り返ると、どこを通ってきたのか、なにを見てきたのか、過去を回顧するだけでなく、どこにたどり着きそうか、いったいどこに向かいたいのか、将来を展望することになります」
『キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう (Career Anchors and Career Survival)』金井壽宏訳 訳者あとがきから)

 

 

キャリアを自分で考えることは、非常に意味あることだと思います。

 

 

 

自分はどこに向かおうとしているのか?

 

 

 

新版 キャリアの心理学【第2版】―キャリア支援への発達的アプローチ―

 

 

 

 

 

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