2024.11.28更新
アウトプットを難しく考えると、アウトプットしづらくなります。「形として外に出す」と考えると、ビジネスでのアウトプット例は報告・提出・記録になります。
1.ビジネスでのアウトプットとは
ベストセラーとなった『学びを結果に変えるアウトプット大全』では、
インプットとは「頭の中に情報を入れること」、アウトプットは「行動」と、明快に説明しています。
ところが、ビジネスのアウトプットというと、「その人が発揮した成果、評価、数字」を指すといったように、アウトプットに含みを持たせてしまいます。
参照記事:マイナビウーマン
https://woman.mynavi.jp/article/180829-4/
いろいろな考え方があるとは思いますが、それはアウトプットそのものではなく、アウトプットした結果です。
しかも継続的なアウトプットの結果です。
この点について、「経験や学習から学んだ物事を発信・表現するという意味を持つ」といった説明の方が、アウトプット自体をとらえています。
参照記事:カオナビ 人事用語集
https://www.kaonavi.jp/dictionary/output/
ビジネスマンがアウトプットを考えるときは、「形として外に出す」と考えた方がわかりやすいのです。
その理由をこれから説明していきますが、
そう考えることで、仕事の区切りをつけられ、仕事を進捗させることができます。
また精神的な安定も図れるからです。
まず、どのようなことが、ビジネスにおけるアウトプットなのか考えていきます。
アウトプットとは、外に出すこと
2.アウトプットの具体例
下記例を見ておわかりのとおり、ビジネスマンの日常業務のほとんどが、インプットに基づくアウトプットとなっています。
アウトプットをむずかしく考える必要はないのです。
(1)取引先への企画書作成
取引先からの情報入手=インプット 企画書の作成=アウトプット ⇒ 提出
(2)上司・会社への報告
依頼事項=依頼事項の確認(情報入手)=インプット 報告(報告書の作成)=アウトプット ⇒ 提出
(3)上司からの指示事項対応
指示事項=確認(情報入手)=インプット 行動=アウトプット ⇒ 報告
(4)出張報告
出張中に入手した情報=インプット 報告書の作成、出張旅費精算書の作成=アウトプット ⇒ 提出
(5)新規顧客開拓
情報の入手=インプット 訪問=行動=アウトプット ⇒ 記録、報告
(6)会議議事録作成
発言整理(情報入手)=インプット 議事録作成=アウトプット ⇒ 提出
(7)資料作成
データ入手(情報入手)=インプット 資料作成=アウトプット ⇒ 提出
(8)作業・処理
過去に学習したこと・経験したこと(情報)=インプット 作業・処理=行動=アウトプット
注意点
本来、企画書や報告書の作成、訪問、行動自体がアウトプットですが、それを提出・報告しない限り、自分以外の人にはわかりません。
ビジネスマンのアウトプットは、提出・報告までも含めたものと考えた方がよいのです。
報告もアウトプットの一つだ
3.インプットとアウトプットを均衡させる
ビジネスでインプットだけが蓄積していくと、どのような現象が起きるのでしょう?
やるべきことだらけということになります。
そうなると、やるべきことで頭がいっぱいになり、会社へ行くのもつらいといった状況に陥り、メンタル面での不調も起きやすくなります。
それゆえ、適宜、アウトプットしていくことが必要です。
そのためには、アウトプットを難しく考えない方がよいのです。
アウトプットの意味づけを考えたり、質的なものにこだわったりすると、アウトプットしづらくなります。
そうするとアウトプットが滞留してしまいます。
そうではなく、アウトプットできる形をすみやかに作り上げ、確実にアウトプットしていくことが重要です。
このことが、仕事の区切りに通じ、仕事自体も進捗させます。精神的にも楽になります。
まず、時間を要しないものは、すみやかにアウトプットすることです。
会議の議事録作成や出張旅費精算、あるいは上司からの指示事項を行うといったことも、アウトプットの一つと考えるのです。
そう考えることで、アウトプットしやすくなります。
次に、企画書や報告書などに質的なものを求めるならば、いったんアウトプットしてからすることです。
アウトプットしたものを磨いていくといった発想に切り替えてください。
私は、ビジネスの現場で、なかなかアウトプットできないビジネスマンを数多く見てきました。
そうしたビジネスマンは、一つひとつの案件(やるべきこと)を完結できず、たえず同時並行でものごとを進めています。
私は、そのようなビジネスマンを「問題並列解決型」と呼び、たえずトラブルを生み、精神的にも安定しないと、『サラリーマンの本質』のなかで述べました。
こうした事態を防ぐには、アウトプットできるものは、すみやかにアウトプットすることです。
アウトプットできないという点で、注意しなければならないのは新入社員です。
彼らの頭の中はインプットしたもので溢れかえっています。
しかし、経験がないため、実際にどう処理してよいかわかりません。
その結果、アウトプットできず、メンタル的にも不安定になっているのです。
上司や職場の人は彼らのアウトプットを手助けすることが必要です。
私たちの仕事は、インプットとアウトプットで成り立っています。
そして、インプット量のほうがアウトプット量をたえず上回っているはずです。
私たちが仕事に追われているという感覚になるのも、そのためです。
だからこそ、適宜アウトプットしなければならないのです。
アウトプットが行われないと、インプットとアウトプットの均衡が失われ、仕事のバランスが壊れてしまいます。
私たちが精神的に疲れてしまうのはこのようなときです。
ところが、適宜アウトプットしていくとインプットを求めるようになります。
つまり自ら情報、仕事を取りに行く。そんなときに仕事や課題は大きく進捗し、よい仕事も生まれます。
アウトプットできるものは、すみやかにアウトプットする
4.テレワーク時代のアウトプット
テレワークでは、自分で仕事を管理しなければなりません。
もちろん仕事の進捗状況は上司も管理しなければなりませんが、まずは自分で管理する必要があります。
自分で仕事を管理しなければならない点については、従来から求められてきたことです。
しかし、会社でたえず顔を突き合わせ業務の進捗を図ってきた場合に比し、テレワークではやはり各人の業務進捗は見えにくくなります。
それゆえ、各人が自ら、業務進捗を報告しなければならないのです。
この業務進捗報告を、アウトプットと考えてください。
今時点の業務進捗を自ら発信するということです。
その時点での作業状況などを、形として報告(アウトプット)することがポイントです。
しかも、その報告(アウトプット)を頻繁に行うことが大事です。
そうしないと、仕事の進捗を自分以外の人はわからないという事態になるからです。
つまり、テレワーク時代には、従来型の業務より、頻繁にアウトプットすることを求められているということです。
「まだ途中だから」「こんな細かいことは」と考えずに、都度、状況を発信していくこと重要です。
むしろ、途中段階の報告、実施したことの報告を行うものだと、発想を切り替えてください。
テレワーク時代には、頻繁にアウトプットする
5.アウトプットする時間を作る
もしかしたら、ビジネスマンにとって、このことが一番大事かもしれません。
なかなかアウトプットできないビジネスマンの話をしてきましたが、そもそもアウトプットする時間がなければ、アウトプットのしようがありません。
アウトプットできないビジネスマンは、アウトプットする時間を確保するクセがついていない人と言えます。
このことを、ビジネス書やビジネス記事は見落としているかもしれません。
みなさんの周りにいる「仕事のできる人」について、考えてください。
その人たちは、報告書や企画書の作成などのアウトプットの時間をシッカリ確保しているのではないでしょうか?
考えてみれば、アウトプットなくして結果は生じません。
アウトプットがあるから、結果を評価されているのです。
つまり、アウトプットなくして、「できる人」にはなれないということです。
ビジネス社会では、商談や訪問などの時間をものすごく重視する人たちがいます。
行動に移すという意味では、それもアウトプットであり、商談や訪問を重視することも大切なことです。
しかし、報告書や企画書の作成、もっと言えば書類の作成もアウトプットです。
もし、商談や訪問を主たる業務と考えているならば、報告書や企画書、書類の作成も同じように重要だと考えてください。
報告書や企画書、書類の作成などの時間は、自分で時間を確保しなければなかなか生まれません。
一日のなかで、アウトプットする時間を確保するなど、業務全体を自分で管理することが必要です。
6.まとめ
ビジネスマンのアウトプットについてお話ししました。
アウトプットにいろいろな意味を持たせるのではなく、まずは、形として外に出すと考えることが重要です。
もちろん、行動に移すこと、書類を作成することもアウトプットであり、形として外に出たことになりますが、この「外に出す」という意味を、ビジネスマンの場合は、自分以外の人にもわかるように出すという意味でとらえる必要があります。
すなわち、単に行動、書類作成にとどまらず、シッカリと報告、提出するということです。
「形として外に出す」と考えると、アウトプットしやすくなります。
アウトプットしやすくなれば、アウトプットの頻度も高まり、アウトプット量も増えます。
そうなると、どうなるでしょう?
自分の仕事を、他の人もよく理解するということです。
このことが、評価につながります。
ビジネス社会で「できる人」と呼ばれている人は、その人の仕事を周囲から理解されているから、そう呼ばれているのです。
そのためには、まず、アウトプットをシンプルに考えることです。
綾小路 亜也
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