ビジネスパーソンのアウトプット具体例を考える

ビジネス書やビジネス記事は、ビジネスにおけるアウトプットの意味を、うまく説明できていないような気がする。
このことがビジネスパーソンの仕事の進め方の問題、ひいてはメンタルな問題につながっているのではないだろうか?
そこで、ビジネスパーソン視点で、ビジネスにおけるアウトプットを、みなさんと一緒に考えていきたい。

 

ベストセラーとなった『学びを結果に変えるアウトプット大全』では、インプットとは「頭の中に情報を入れること」、アウトプットは「行動」と、単純明快に説明している。

 

ところが、ビジネスのアウトプットというと、「その人が発揮した成果、評価、数字」を指すといったように、アウトプットに含みを持たせてしまう。
(参照記事:マイナビウーマン https://woman.mynavi.jp/article/180829-4/
いろいろな考え方があるとは思うが、それはアウトプットそのものではなく、アウトプットした結果である。しかも継続的なアウトプットの結果である。
この点に関しては、「経験や学習から学んだ物事を発信・表現するという意味を持つ」といった説明のほうが、アウトプット自体をとらえている。
(参照記事:カオナビ 人事用語集 https://www.kaonavi.jp/dictionary/output/

 

 

ビジネスパーソンがアウトプットを考えるときは、「形として外に出す」と考えたほうがわかりやすい。
その理由をこれから説明していくが、そう考えることで、仕事の区切りをつけることができ、仕事を進捗させることができる。また精神的な安定も図れるからだ。

 

まず、どのようなことが、ビジネスにおけるアウトプットなのか考えてみたい。

 

 

1.ビジネスパーソンのアウトプット具体例

 

下記例を見ておわかりのとおり、ビジネスパーソンの日常業務のほとんどが、インプットに基づくアウトプットとなっている。
アウトプットをむずかしく考える必要はないのだ。

 

(1)取引先への企画書作成

取引先からの情報入手=インプット 企画書の作成=アウトプット ⇒提出

(2)上司・会社への報告

依頼事項=依頼事項の確認(情報入手)=インプット 報告(報告書の作成)=アウトプット ⇒提出

(3)上司からの指示事項対応

指示事項=確認(情報入手)=インプット 行動=アウトプット ⇒報告

(4)出張報告

出張中に入手した情報=インプット 報告書の作成、出張旅費精算書の作成=アウトプット ⇒提出

(5)新規顧客開拓

情報の入手=インプット 訪問=行動=アウトプット ⇒記録、報告

(6)会議議事録作成

発言整理(情報入手)=インプット 議事録作成=アウトプット ⇒提出

(7)資料作成

データ入手(情報入手)=インプット 資料作成=アウトプット ⇒提出

(8)作業・処理

過去に学習したこと・経験したこと(情報)=インプット 作業・処理=行動=アウトプット

 

注意点

本来、企画書や報告書の作成、訪問、行動自体がアウトプットだが、それを提出・報告しない限り、自分以外の人にはわからない。
ビジネスパーソンのアウトプットは、提出・報告までも含めたものと考えたほうがよい。

 

 

2.ビジネスでは、インプットとアウトプットが均衡を保つようにする

 

ビジネスでインプットだけが蓄積していくと、どのような現象が起きるだろうか?
やるべきことだらけということになる。
そうなると、やるべきことで頭がいっぱいになり、会社へ行くのもつらいといった状況に陥り、メンタル面での不調も起きやすくなる。
それゆえ、適宜、アウトプットしていくことが必要なのだ。

 

そのためには、アウトプットをむずかしく考えないほうがよい。
アウトプットの意味づけを考えたり、質的なものにこだわったりすると、アウトプットしづらくなる。そうするとアウトプットが滞留してしまう。
そうではなく、アウトプットできる形をすみやかに作り上げ、確実にアウトプットしていくことが重要だ。
このことが、仕事の区切りに通じ、仕事自体も進捗させる。精神的にも楽になる。

 

まず、時間を要しないものは、すみやかにアウトプットすることだ。
会議の議事録作成や出張旅費精算、あるいは上司からの指示事項を行うといったことも、アウトプットの一つと考える。
そう考えることで、アウトプットしやすくなる。

 

つぎに、企画書や報告書などに質的なものを求めるならば、いったんアウトプットしてからすることだ。
アウトプットしたものを磨いていくといった発想に切り替えてもらいたい。

 

私は、ビジネスの現場で、なかなかアウトプットできないビジネスパーソンを数多く見てきた。
そうしたビジネスパーソンは、一つひとつの案件(やるべきこと)を完結できず、たえず同時並行でものごとを進めている。
私は、そのようなビジネスパーソンを「問題並列解決型」と呼び、たえずトラブルを生み、精神的にも安定しないと、著書『サラリーマンの本質』のなかで述べた。
こうした事態を防ぐには、アウトプットできるものは、すみやかにアウトプットすることである。

 

アウトプットできないという点で、注意しなければならないのは新入社員だ。
彼らの頭の中はインプットしたもので溢れかえっている。しかし、経験がないため、実際にどう処理してよいかわからない。その結果、アウトプットできず、メンタル的にも不安定になっている。
上司や職場の人は彼らのアウトプットを手助けすることが必要だ。

 

 

私たちの仕事は、インプットとアウトプットで成り立っている。
そして、インプット量のほうがアウトプット量をたえず上回っているはずだ。
私たちが仕事に追われているという感覚になるのも、そのためである。
それだからこそ、適宜アウトプットしなければならないのだ。
アウトプットが行われないと、インプットとアウトプットの均衡が失われ、仕事のバランスが壊れてしまう。私たちが精神的に疲れてしまうのはこのようなときである。

 

ところが、適宜アウトプットしていくとインプットを求めるようになる。
つまり自ら情報、仕事を取りに行く。そんなときに仕事や課題は大きく進捗し、よい仕事も生まれる。

 

 

3.テレワーク時代のアウトプット

 

テレワークでは、自分で仕事を管理しなければならない。
もちろん仕事の進捗状況は上司も管理しなければならないが、まずは自分で管理する必要がある。
また、評価も仕事自体、すなわち仕事の達成状況や進捗状況について行われる。

 

自分で仕事を管理しなければならない点については、従来から求められてきたことである。
しかし、会社でたえず顔を突き合わせ業務の進捗を図ってきた場合に比し、テレワークではやはり各人の業務進捗が見えにくくなる。
それゆえ、各人が自ら、業務進捗を報告しなければならない。

 

この業務進捗報告を、アウトプットと考えてもらいたい。
いま時点の業務進捗を自ら発信する。
その時点での作業状況などを、形として報告(アウトプット)することがポイントだ。
しかも、その報告(アウトプット)を頻繁に行うことが大事である。
そうしないと、仕事の進捗を自分以外の人はわからないという事態になるからである。

 

つまり、テレワーク時代には、従来型の業務より、頻繁にアウトプットすることを求められている。
「まだ途中だから」「こんな細かいことは」と考えずに、都度、状況を発信していくこと重要だ。
むしろ、途中段階の報告、実施したことの報告を行うものだと、発想を切り替えてもらいたい。

 

 

4.アウトプットする時間を作る!

 

もしかしたら、ビジネスパーソンにとって、このことがいちばん大事かもしれない。
なかなかアウトプットできないビジネスパーソンの話をしてきたが、そもそもアウトプットする時間がなければ、アウトプットしようがない。
アウトプットできないビジネスパーソンはアウトプットする時間を確保するクセがついていない人と言える。
このことを、既存のビジネス書やビジネス記事は見落としているかもしれない。

 

みなさんの周りにいる「仕事のできる人」について、考えてもらいたい。
その人たちは、報告書や企画書の作成などのアウトプットの時間をシッカリ確保しているのではないだろうか?
考えてみれば、アウトプットなくして結果は生じない。アウトプットがあるから、結果を評価されているのではないだろうか。
つまり、アウトプットなくして、「できる人」にはなれないということである。

 

ビジネス社会では、商談や訪問などの時間をものすごく重視する人たちがいる。行動に移すという意味では、それもアウトプットであり、商談や訪問を重視することも大切なことである。
しかし、報告書や企画書の作成、もっと言えば書類の作成もアウトプットである。
もし、商談や訪問を主たる業務と考えているならば、報告書や企画書、書類の作成も同じように重要だと考えてもらいたい。

報告書や企画書、書類の作成などの時間は、自分で時間を確保しなければなかなか生まれない。
一日のなかで、アウトプットする時間を確保するなど、業務全体を自分で管理することが必要だ。

 

 

まとめ

 

ビジネスパーソンのアウトプットについてお話ししてきた。
アウトプットにいろいろな意味を持たせるのではなく、まずは、形として外に出すと考えることが重要だ。

もちろん、行動に移すこと、書類を作成することもアウトプットであり、形として外に出たことになるが、この「外に出す」という意味を、ビジネスパーソンの場合は、自分以外の人にもわかるように外に出すという意味でとらえる必要がある。
すなわち、単に行動、書類作成にとどまらず、シッカリと報告、提出することである。

「形として外に出す」と考えると、アウトプットしやすくなる。
アウトプットしやすくなれば、アウトプットの頻度も高まり、アウトプット量も増えるということだ。
そうすると、どうなるか?
自分の仕事を、他の人もよく理解するということである。
このことが、評価につながる。

ビジネス社会で「できる人」と呼ばれている人は、その人の仕事を周囲から理解されているから、そう呼ばれている。
そのためには、まず、アウトプットをシンプルに考えることである。

 

 

 

 

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