営業部門に配属された新入職員を悩ます言葉がある。
「御用聞き営業をしてはいけない」という言葉だ。
それは、「注文を聞くだけの待ちの営業ではなく、こちらから提案しなさい」という意味である。
ここで「提案営業」という言葉を耳にするのだ。
しかし、営業部門に配属された新入職員はそもそも営業がどういうものかわかっていない。
得意先との関係もできていないし、自社商品の内容もおぼろげだ。
それなのに、いきなり「提案営業をしろ」と言われる。
すっかりめげてしまうのだ。
営業に行くのも、会社に行くのも嫌になってしまう。
しかし、安心してもらいたい。
「御用聞き」という言葉はいかにもニュアンスが悪いが、そのままこの言葉をつかえば、
「御用聞き営業」こそ、営業の原点だからだ。
この道を通らなければ、提案営業に行き着かないし、営業の達人にもなれない。
自信をもって、「御用聞き営業」をマスターしてもらいたい。
その理由を説明したい。
それには、まず、「御用聞き」とは何かを押さえておかなければならない。
「御用聞き」は、「米屋、酒屋などが得意先の注文を聞いて回ること」と言われている。(日本大百科全書参照)
いまは、なかなか目にすることがなくなったが、かつて「御用聞き」と呼ばれた人は家々を回り注文をとり、配達もしていた。
米屋さん、酒屋さんだけでなく、さかな屋さんも回っていた。
いまの言葉で言えば、得意先を回るルート営業をしていたことになる。
つまり、仕事を受注し、納品していたのだ。
企業で働く営業社員はほとんど得意先を回るルート営業をしているから、「御用聞き営業」となんら変わるところはない。
「御用聞き営業」にはビジネスに不可欠な要素が含まれている。
依頼を的確に受け、依頼どおりに納品するということだ。
一見、簡単そうに思えるが、このことはなかなか難しい。
相手の要望を正確に把握しなければならないし、要望に合致しているか確認し、期日までに応えなければならないからだ。
どうだろう? まさに営業の原点と言えるのではないだろうか。
じつは、得意先とのトラブルのほとんどは、要望を正確に把握できなかったこと、要望に合致しているか確認しなかったこと、期日までに納品しなかったことによって発生している。
もし、あなたがトラブルを耳にしたならば、トラブルの原因はいま述べた3つのどれかに当てはまっているはずだ。
この3つができていないと、得意先は新たな仕事を頼むのに躊躇する。
自分の身に跳ね返ってくるからだ。
だが、3つの要素ができていると、再び依頼したいと思う。
リピートだ。
優秀な営業マンは、要望を正確に把握し、要望に合致しているか確認し、期日までに納品できる人なのだ。
そんな営業マンは信頼される。
相手は信頼しているからその営業マンの話に耳を貸す。
その結果、他の商品も買ってみる。その人が持ちかけた企画にも乗ってみる。
これを売る側から見れば、多種目販売、提案営業ということになる。
すなわち、提案営業は「御用聞き営業」の対極にあるのではなく、延長線上にある。
「御用聞き営業」⇒ リピート ⇒ 多種目販売 ⇒ 提案営業
というプロセスをたどるのだ
「御用聞き営業」をシッカリ成し遂げた人だけが歩む道である。
だから、あなたが「御用聞き営業」しかできない自分を不甲斐なく思う必要などない。
全力で、シッカリ、「御用聞き営業」を成し遂げることだ。
そうすると、自然に、リピート ⇒ 多種目販売 ⇒ 提案営業 の軌跡を歩むので、心配はいらない。
「御用聞き営業」を低く見る人は、結局、相手の要望に応えられていない。
また、「御用聞き営業はいけない」と言う人は、営業の本質を知らない。
きっと、自分だけで営業は得意と思い込んでいる人だ。
ビジネスの進展は、信頼の先にある。
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