ゼネラリストとスペシャリスト、どっちをめざすか? ー 企業で働く人は

2025.11.25更新

 

企業で働くビジネスマンはゼネラリストとスペシャリスト、どっちをめざすか、わからなくなっています。そんなことから、自分の立ち位置が定まりません。

この悩みを解消するには、自分の「拠り所」と、自分がどのような労働市場にいるか確認することです。

 

まず、自分の拠り所です

今、「ゼネラリストの道を歩む」とは、なかなか言いづらくなっています。

 

それは、自分の「拠り所」と、ビジネス書などに書かれている「これからの時代に必要なもの」がこんがらがっているからです。

 

たしかに、これからの時代に必要なものとなると、「専門性」「起業家的創造性」「奉仕・社会献身」という言葉に目が向くかもしれません。

 

重要なことは、自分の拠り所は、あくまでも自分の拠り所として存在しているということです。

人にとやかく言われる筋合いはない自分の拠り所です。

 

だから、「自分は昇進のハシゴを上り、責任ある地位につきたい」と、誰に遠慮することなく堂々と思ってよいのです。

それは、まさにゼネラリストへの道です。

 

自分の拠り所に素直になるということがとても大事です。

 

自分の「拠り所」に素直になれないと、「責任ある地位につきたい。いや待てよ、スペシャリストになりたい」「起業家的創造性をもった人間にもなりたい」などと軸があっちにもこっちにもブレます。

 

エドガー H.シャイン博士は自分の拠り所をキャリア・アンカーと呼びました。

アンカーは船の錨です。

 

 

キャリア・アンカー

『キャリア・アンカー』表紙

 

次に、自分がどの労働市場にいるか確認してください。

 

労働者市場には「内部労働市場」と「外部労働市場」があります。

 

「内部労働市場」は人材の需給調整が社内で行われます。

「外部労働市場」は新たに人材が必要であれば、社外から調達します。外資系企業がそうです。

 

日本の企業で働く人の多くは「内部労働市場」にいます。

 

「内部労働市場」について、渡部昭彦氏は「新卒一括採用、年功型賃金、終身雇用、人物主義、ゼネラリスト指向(ローテーション異動)など、固有の人事システムが根づくことになる」と述べています。

日本の人事は社風で決まる—出世と左遷を決める暗黙知の正体渡部昭彦 ダイヤモンド社)

 

新卒一括採用、年功型賃金、終身雇用は昨今だいぶ揺らぎ、ローテーション異動も現実には「所属先ローテーション」(注)となっていますが、基本的に社員はゼネラリストとして育てられているということは押さえておきたいところです。

 

(注)「所属先ローテーション」という言葉は〝社風″の正体(植村修一 日経プレミアシリーズ)で使われています。

 

 

さて、あなたはどの労働市場にいますか?

 

もしあなたが外資系企業などの「外部労働市場」にいるならば、専門性を高めることが出世の道に通じます。

 

そもそも「外部労働市場」ではマーケティング、財務といった職務で採用されており、その職務で上をめざすならば、専門性を高めなければならないからです。

 

一方、「内部労働市場」にいるならば、より責任ある地位につくことにより、出世をめざすことになります。

 

「内部労働市場」にいるか、「外部労働市場」にいるかということは、出世を考えるうえで、きわめて重要なことです。

しかし、ほとんど触れられないまま、出世するための「ああしろ」「こうしろ」が述べられているような気がします。

 

 

 

ここまで来ると、日本の企業に勤めるビジネスマンの真の悩みが見えてきます。

 

ゼネラリストをめざすべきか、スペシャリストをめざすべきかは、「内部労働市場」にいるビジネスマンの悩みなのです。

 

しかもゼネラリストかスペシャリストかの選択に迷っているのではなく、ゼネラリストのままで本当に出世できるか悩んでいるのです。

 

 

ゼネラリストのままで出世できるかということに簡単に触れておきますと、

かつてはゼネラリストのままで出世できました。むしろゼネラリストが評価されたと言ってよいと思います。

 

そこでは、「総務が務まったのだから、営業も務まるはずだ」、逆に、「営業が務まったのだから、総務も務まるはずだ」という判断が働きました。

 

「何でもこなせる」ということが非常に大事だったのです。

 

実際、「何でもこなせる」ことが武器となり、管理職という地位を射止めることができました。

 

しかし日本経済の成長が止まり、ポストが増えなくなった今、ポストへの必然性を持たなければ、ポストにつくのが難しくなったのです。

 

ポストへの必然性を持つことが、出世の要件となったのです。

 

綾小路 亜也

 

 

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ゼネラリストをめざすべきか、スペシャリストをめざすべきか から

 

 

 

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