「結果かプロセスか」に終止符! 中野麻由美さんのセールス術

2023.06.10更新

 

結果が大事なのか、プロセスが大事なのか、ビジネスの世界ではいまだに議論されている。

 

しかし、トヨタ営業スタッフで、直販・割賦販売台数全国1位の中野麻由美さんは、

 

「目標は『必ず達成すること』が重要であり、プロセスは目標達成のための道のりにしか過ぎない」とキッパリ言う。

 

 

なぜ中野さんはそのように言うのだろうか?

 

中野さんの営業への考え方に迫ってみた。

 

中野さんは、2007年に営業スタッフとなったが、4年目には年間販売台数が160台を超えて全社で1位となり、そこから連続してトップセールスを続けている。

 

160台といえば、およそ2日に1台、車を売っていることになる。

 

 

中野さんが書いた

トヨタトップセールスレディが教える 永遠にトップをいくためのセールス術を読むと、

プロセスとはどのようなものかわかってくる。

 


そこには、結果とプロセスの間を行き来しているビジネスマンやビジネスウーマンへの解がある。

 

 

トヨタトップセールスレディが教える 永遠にトップをいくためのセールス術

『永遠にトップをいくためのセールス術』中野麻由美

 

中野麻由美さんのプロセスは次のとおりだ。

 

最初に目標を立てる。

 

その目標を達成するために月に何台売らなければならないか、週に何台売らなければならないか逆残する。

 

週に売らなければならない台数がわかったら、何件の商談約束をとらなければならないか、過去の商談成約率から算出する。

 

商談件数がわかったら、呼び込み件数を考える。ここも過去の呼び込み決定率を基に算出する。

 

そうすると、いま! 全力で取り組まなければならないものは、呼び込みということになる。

 

 

 

私たちは車のセールスと言えば、

ディーラーのショールームで、セールスマンとお客さまとが話し合っている姿を目に浮かべるが、

その元にあるのは、お客さまを商談へと導く呼び込みなのだ。

 

この呼び込み件数が成約台数を決めている。

 

このことは、営業では意外に忘れがちだ。

数字に苦労する背景には、必ず見込み客不足がある。

見込み客が少ないと、必ず営業不振に陥る。

 

見込み客を生むという動作が必要なのだ。

 

 

中野さんの本を読んで、深く感じ入る言葉は、

「シナリオ」だ。

 

中野さんの場合は、お客さまごとに、成約に向けたシナリオができている。

お客さまからの情報に基づき、シナリオを立てられるから、呼び込みへ、商談へと移り、成約に至るのだ。

 

 

このことも忘れがちだ。

売る方がシナリオを持たずに、漠然とお客さまと接していただけでは、時間の無駄になるし、けっしてクロージングに向かうこともない。

 

 

 

もう一つ、中野さんをトップセールスに向かわせている大きな理由がある。

 

「3年残価ローン」という武器だ。

 

「3年残価ローン」を簡単に説明すると、

残価を設定することで、約半額分の支払いを将来へ繰り越すローンである。そのため、月々のローン支払いは半額になる。

 

中野さんは、この「3年残価ローン」を武器とした。

 

 

 

この話には、営業を考えるとき、重要な要素が含まれている。

 

営業の世界で優績者と言われている人たちは、

自社商品のある部分に強烈に惚れ、その部分を、自信を持ってお客さまにアピールすることで実績を上げていることが多いからだ。

 

生命保険のトップセールスも、そんな特徴を持っている。

 

 

考えてみれば、

「3年残価ローン」は、べつに中野さんだけでなく、トヨタのセールスはみんな武器として持っているはずだ。

 

それなのに、なぜ中野さんが……、というところが、営業の差なのだ。

 

 

べつに「3年残価ローン」でなくてもかまわないが、

自社商品の仕組みを理解し、そこから自分自身がヒントを感じ取った人がトップセールスとなる。

 

これは普遍的な話ではないかと思う。

 

 

 

車販売の世界には、「営業の神様」と呼ばれている人がいる。

 

車を1年間に425台、15年間で13,001台を売り、ギネスブックに登録されたジョー・ジラード氏だ。

 

注目すべきは、ジラード氏が言っていることと、中野さんが言っていることとはよく似ているということだ。

 

 

ジラード氏が所属しているディーラーは、稼ぎどきである土曜日に店を閉めることになった。

 

そんな状況下、ジラード氏がやったことは次の4つである。

 

1 景気の悪さを埋め合わせるべく、かける電話の本数を増やした

2 紹介による顧客の開拓にいっそう力を入れた

3 ダイレクトメールの数を増やした

4 地元銀行に働きかけ、有利なローン条件を引き出した

 

そして、ジラード氏は、準備万端で一日、一日を迎えた。

 

 

営業の神様

『営業の神様』

 

中野さんの「リーマンショックもデフレも関係なし!」という言葉が思わず浮かぶ。

 

中野さんも、お客さま宛てのオリジナルなダイレクトメールをよく出している。
有利なローン条件も出している。

 

トップセールスには共通するものがあるのだ。

 

綾小路 亜也

 

 

 

 

下記記事にも、中野麻由美さんとジョー・ジラード氏の話を紹介しています

自分の強みを認識させる場とアピールする場は違う

 

 

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