2023.09.20更新
「私がいなくなったら仕事が回らない」 ー 人事異動発表後に、必ず聞く言葉だ。
上司に「本当にいいんですか?」という念押しの意味を込めて言う。
私がいないとダメという心理には、自分だから仕事が回っている、自分にしかできない仕事があるという思いがある。
自分がいないと本当に仕事が回らないのだろうか?
そう思うことは、自分にプラスなのか。
まず、考えなくてはならないことは人事異動の「舞台裏」だ。
会社は、異動を決断する際、じつにさまざまなことを考えている。
「今の仕事は『卒業』」と考えているかもしれないし、逆に、組織のマンネリ打破、不振脱却のために、新たな血が必要と思っているかもしれない。
自分が考えている像と第三者が考えていることは違うということを、知っておく必要がある。
そして何よりも考えなければならないことは、自分自身のキャリア形成だ。
「自分がいないと仕事が回らない」と思っている限り、キャリア形成は大きく進まない。
つまり、異動発表のたびに現職場への残留が決定したならば、自分の気持ちは充たされるかもしれないが、キャリア形成に大きな変化が起こらないということだ。
そんなことから、私からの提案は、
「自分がいないと仕事が回らない」という組織への思いと同じくらい、自分のキャリア形成についても思いを持ってもらいたいということである。
実際、さまざまな職務、職場を経験した方が、自分の視野も広くなり、全社視点から会社のあり方を考えることができる。
そんなことを考えたうえで、もう一度、自分の思いを確認してもらいたい。
また、「自分がいないと仕事が回らない」という心配はよくわかるが、
現実には、そんな心配はいらない。
それは、みなさん自身が経験していることだ。
みなさん自身も、ベテラン社員の後任として、あるいは新人として、今の職場に着任したのではないだろうか。
それが、いつしか「自分がいないと仕事が回らない」と思うようになったからだ。
自負心から、「自分がいないと仕事が回らない」と考えがちだが、
「自分がいなくても、きっと回る」と考えることも大事なのだ。
そのような一種の「割り切り感」を持つことで、今の職務、職場と区切りをつけることもできる。
前を向いて進むことができるのだ。
私がいなくても、仕事は回る
サラリーマン社会の出世は、能力以上の要素が非常に大きい。
「自分がいないと仕事が回らない」という組織への思いが強い人は貴重な存在だが、
残念ながら、出世といういう点では足踏みしてしまうことが多い。
その理由は、
キャリア形成が進まなかったことから全社視点が得られなかったこと、
キャリア形成の過程で生まれる人脈形成ができなかったことだ。
綾小路 亜也
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