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『イシューからはじめよ』は難しいを、どう克服するか?

2025.12.27更新
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イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」
安宅和人 英治出版 2010-11-24 |
『イシュ―からはじめよ』は難しいと言われていますが、どう克服するかを、考えていきたいと思います。
その為には、この本は何のために書かれた本かを、理解することが大事です。
ここで、この本のサブタイトルで、知的生産の「シンプルな本質」と言っていることに着目下さい。
この「知的生産」という言葉が出てきたことで、ピンと来る人がいると思います。
外資系コンサルタントは、よくこの言葉を使っているからです。
勝間和代氏の『効率が10倍アップする 新・知的生産術』という本のタイトルを、思い浮かべる人もいるかと思います。
この本は「知的生産」を高める本なのです。
イシュ―(issue)は、争点、問題(点)という意味です。
この本では「何が本当のカギ」なのかを「イシュー」と言っています。
しかし、「何が本当のカギ」かを見極めるは難しいと述べています。
それゆえその説明に丸々本1冊を要したのです。
すなわち、この本は、生産性をいかに上げるかを目的とし、それには、「イシュー」の見極めが必要と言っているのです。
その目的がこの本にはハッキリと出ています。
次の記述を見てください。
この本で言うところの『生産性』の定義は簡単で、『どれだけのインプット(投下した労力と時間)で、どれだけのアウトプット(成果)を生み出せたか』ということだ。(P22)
そして、次の数式を示しています。
生産性=アウトプット/インプット=成果/投下した労力・時間
この本は、いかにして「アウトプット」を高めていくかを目的とした本だということが、わかります。
そのために「イシュー」の見極めが必要だと言っているのです。

各章ごとの内容は下記のとおりです。(P34に図解で示されています)
第1章 イシュードリブン:今本当に答えを出すべき問題=「イシュー」を見極める
第2章 仮説ドリブン①:イシューを解けるところまで小さく砕き、それに基づいてストーリーの流れを整理する
第3章 仮説ドリブン②:ストーリーを検証するために必要なアウトプットのイメージを描き、分析を設計する
第4章 アウトプットドリブン:トーリーの骨格を踏まえつつ、段取りよく検証する
第5章 メッセージドリブン:拠と構造を磨きつつ、報告書や論文をまとめる
どうでしょう?
この本の内容をイメージできたと思います。
そしてこの本は、「イシュー」を見極める方法として「仮説を立てる」ことが極めて大事と言っています。
イシューの見極めについては(略)強引にでも前倒しで具体的な仮説を立てることが肝心だ。(P48)
仮説を立てない限り、自分がどのレベルのことを議論し、答えを出そうとしているのかが明確にならず、それが明確になっていないことにすら気づかない。仮説を立てて、はじめて本当に必要な情報や必要な分析がわかる。(P49)
ぜひ、次の記述に着目してください。
イシューを分解するときには、『ダブリもモレもなく』砕くこと、そして『本質的に意味のある固まりで』砕くことが大切だ。(P108)
ストーリーラインの2つの型 から
論理的に検証するストーリーをつくるとき、そこには2つの型がある。ひとつが、「WHYの並び立て」、もうひとつが、「空・雨・傘」と呼ばれるものだ。このどちらかの型をストーリーの背骨とすることで、ストーリーラインは比較的簡単にできる。(P133)
ダブリもモレもなくは、『ロジカル・シンキング』でさかんに出てきた「MECE」です。
また、「WHYの並び立て」「空・雨・傘」も外資系コンサルタントの本でさかんに出てくる表現です。
この本は、最後にこう言っている。
この国では論理思考や問題解決において、新しいツールの紹介のようなものばかりが行われ、本質的な知的生産についての議論が足りないように思う。この本が共通の議論のベースと実践の手がかりとなればと願っている。
(P240)
これが著者の目的ということになります。
最後にやはり「知的生産」という言葉が出てきました。

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