「9割捨てて10倍伝わる」ー「それはある!」と思わせるなんとも惹かれるタイトルだ。
問題は、どう9割捨てられるかだ。
これが、この本の中身になる。
著者は、要約が上手くいくには、
①情報収集 → ②情報整理 → ③情報伝達
というステップが必要と言う。
要約自体はアウトプットだが、要約を上手く行おうと思うならば、インプット段階から考えなければならないのだ。
要約力は一日にして高めることはできない。
著者の言葉を借りれば、「インプットとアウトプットを繰り返しながら、少しずつ体得していくスキル」だからだ。
ビジネスパーソンの視点に立って、ステップごとのポイントを考えてみよう。
ステップ① 情報収集
情報にはさまざまな情報がある。
この本は「文章 人の話 体験 五感情報 雰囲気 様子」を列挙している。
ビジネスパーソンは、「非言語情報」の取得が求められているという点を押さえておいたほうがよいだろう。
現場で「見たもの」「感じたもの」「触れたもの」だ。
「非言語情報」があると、ないとでは、報告もガラリと変わる。
「非言語情報」がないと、本質にたどり着かないことも多い。
組織では、よく「洞察力」という言葉が飛び交う。
評価項目の一つにもなっているはずだ。
著者は「洞察力を鍛えるためには、まず観察力を鍛える必要がある」と言う。
「見えている物事や様子を『手がかり』にしなければ、本質を見抜くことができない」からだ。
ビジネスパーソンは、観察力も情報収集の一つを成すものだと考えると、わかりやすい。
ステップ② 情報整理
情報整理は、
「グループ分けする」 → 「優先順位をつける」というプロセスだ。
頭の中が、きれいに整理されていなければ、要約して話すことなどできないからだ。
ビジネスパーソンは、「グループ分け」を情報にタグをつけると考えると、理解しやすい。
あちこちに話しが及んだり、飛ぶのは、情報にタグがつけられていないからだ。
考えなければならないことは、「グループ分け」されていないと、優先順位をつけられないことだ。
この本には、次のような、ある出向社員の出向報告のグループ分け例が記載されていた。
・M社から学ぶべき点
・半年間の出向で得た経験
・M社が抱えている課題
・(出向社員が)M社で実行した課題解決策
・解決策を実行したことによる効果(変化)
このようなグループ分けが行われていないと、報告はゴチャ混ぜになる。
グループ分けできていると、相手の要望に合わせ、グループ分けしたものを取り出すことができる。
すなわち優先順位をつけることができるのだ。
ステップ③ 情報伝達
世の中に広く出回っている本は、ここに重点を置いている。
いわゆる、伝え方だ。
この本には、ビジネスパーソンに必ず役立つと思える「ひと言」で言い表す「抽象化思考」が記載されている。
しかし、このことを、情報を伝達する段に考えていては、「ひと言」で言えない。
情報収集段階から考える必要があるのだ。
じつは、この点については、この本ではステップ① 情報収集に記載がある。
著者は次のように、アドバイスを送っている。
ふだんから、『○○より上にある『抽象情報』は何だろう?』『○○より下にある『具体情報』は何だろう?』と考えるクセをつけること。
すなわち、「抽象情報⇔具体情報」を行き来する思考を身につけるということである。
※出世や昇進をめざすビジネスパーソンへ
要約力と出世や昇進とは密接な関係がある。
下記記事も参考にしてください。
(拙著『ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!』からの抜粋記事です)
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ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!
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