2024.10.07更新
ある外資系コンサルファーム出身者が書いた本のなかに、自己紹介や職務経歴、趣味などをペーパーにまとめた「プロフィールシート」を渡すことをすすめる記述があった。
プロフィールをあらわにすることにより、相手に共通点を探してもらう機会を提供するのである。
共通点として、年齢・世代、出身地や出身校、趣味、好きな食べ物やテレビ番組、音楽やスポーツを挙げている。
外資系コンサルファームの世界ではこのような方法が、プロフィールシートを渡す人、受け取る人双方にとって効率的なのかもしれない。
たしかに、プロフィールシートを受け取った相手は、「同じ県の出身だ」「同じ学校を出ている!」「同じ作家のファンだ」「趣味が同じだ!」などと共通点がわかり、親近感を覚える場合はあると思う。
これがプロフィールシートの狙いでもある。
だが、本当に相手のプライバシーに踏み込んでいないと言い切れるのだろうか?
「嫌なところに触れてきたな」と思う人はきっといる。
プロフィールを開示されたことで、開示されたことを質問されそうな気がして、気が重くなる人もいるはずだ。
書かれてあることを見て傷つく人もいるかもしれない。
プライバシー権は、当初、「一人で放っておいてもらう権利」として構成されたが、このような形でプロフィールシートを渡された人のなかには、「放っておいてよ!」という気持ちになる人はきっといる。
また、その後「自己に関する情報をコントロールする権利」として構成されてきたが、自分の情報を脅かされたような気持ちになる人もきっといる。
つまり、プロフィールの開示によって、不快になったり、傷つく人がいるかもしれないということである。
しかし、自分の情報を開示すること自体はプライバシーの侵害にはならない。
ここをどう解釈したらよいのだろうか?
世の中すべてが、法制や法益で片づけられるものではないと考えるべきなのだろう。
法律も規範のごく一部を明文化したにすぎない。
社会的に大事にしなければならないのは規範ではないだろうか。
ビジネスマナーも規範である。
ビジネスマナーがよくないからといって罰せられるものでもないが、みんな大事だと思っているから、ビジネスマナーが存在する。
そう考えると、プロフィールシートを相手に渡すということは、やはりおかしいのである。
プロフィールシートの目的も考えなければならない。
相手に共通点を見つけてもらうことは、相手にとって効率的かもしれないが、最終的な目的は自分のためである。
また、相手に共通点を見つけさせることも、「いったい何様なの?」という言葉が出てきそうだ。
相手の効率性を装ってはいるが、軸が自分にあることは間違いない。
そして、軸が自分にあり、自分の利益だけを考えたときに、プライバシーに踏み込むおそれがあるということである。
このことは、プロフィールシートを渡す場合に限らない。
会話のなかで、自分のプロフィールを語る人もいる。
ポイントは、相手が求めているかどうか、ということだ。
相手が求めてもいないのに、自分のプロフィールを語ることはおかしいのだ。
プロフィールを語る人は、詰まるところ、自分のプロフィールを話したい人である。
だが、人のプロフィールを聞きたくない人だっている。
このことは忘れてはならないことである。
綾小路 亜也
㉔ 人のプロフィールを聞きたくない人もいる から
※情報セキュリティ時代のビジネスマナーのポイント
①プロフィールの開示に、不愉快になったり、傷つく人はいる
②軸が自分にあり、自分の利益だけを考えたときに、プライバシーに踏み込むおそれがある
情報を軸にした 新しいビジネスマナー
本の目次スマホで読む方法
商標登録が認められています。
YouTubeでも紹介しています
◆企業で働く人のビジネスマナー(発行書籍)
出世するビジネスマナー
「出世しぐさ」のすすめ
※「出世しぐさ」は商標登録されました
できる社員のビジネスマナー
本の目次
ビジネスマンのハンコの押し方・持ち方
印象アップに踏み切れない人が、ある日突然注目を浴びるハンコの押し方
本の目次
◆新百合ヶ丘総合研究所のキャリアアップを実現する本のシリーズ
ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!
◆メルマガ「出世塾」の情報
(まずは発刊内容をご欄ください)
https://shinyuri-souken.com/?p=28756
◆キャリア理論の本紹介
https://shinyuri-souken.com/?page_id=41933
ちょっとおかしいビジネスマナーへの記事集めました