表敬訪問はビジネスで意味があるのか? ー その形態と効果は

2024.04.23更新

 

表敬訪問の意味は意外にわかっていません。
アポを取るのもたいへんですし、スケジュール調整にも苦労します。時間のムダといった声も聞きます。

それでも、なぜ表敬訪問は行われているのでしょう?

 

表敬訪問の意味と目的を考えていきましょう。

 

まず、表敬訪問のパターンに触れておきます。

 

表敬訪問には、上司が単独で行う場合と、部下と一緒に訪問する場合があります。

重要得意先には、上司と上司の上役である部長や役員などが訪問することもあります。

 

また、訪問に際し、アポを取る場合と取らない場合があります。

相手の役職が高い場合、上役が訪問する場合は、アポを取るのが一般的です。

 

表敬訪問とひと言で言っても、いろいろなパターンがあるのです。

 

 

表敬訪問は「敬意を示すために、相手側へ訪問すること」です。(実用日本語表現辞典から)

 

ビジネスの場合、敬意とは何でしょう?

それは、お取引をいただいていること、お世話になっていること、ご支援いただいていることに対する敬意です。

新たに取引をいただいたことへの敬意といったこともあります。

 

すなわち、表敬訪問を言い換えると、

お取引をいただいていること、お世話になっていること、ご支援いただいていること、新たに取引をいただいたことへのお礼訪問と言うことができます。

 

 

ビジネスの世界での敬意とは?

 

冒頭に触れましたが、表敬訪問はアポを取るのもたいへんですし、訪問する側、受ける側双方の時間を奪うことになります。

 

そんなことを考えると、ビジネスでの付き合いは、仕事で関係を深めればよいのかもしれません。

 

しかし、そうとは割り切れない意味が表敬訪問にはあるのです。

 

 

まず、訪問する側には、

立て串で、相手との関係を構築できるというメリットがあります。

 

どういうことでしょうか?

 

ビジネスの現場では、営業担当者はなかなか相手の課長以上の役職とは話ができません。

課長の場合も、相手の部長以上の役職とはなかなか接触する機会を持てません。

部長でさえ、なかなか相手の役員以上とは知り合いになれないはずです。

 

だから、役職が高い人が表敬訪問することにより、相手との関係を、縦に縦にとつなげていけるのです。

 

相手の課長 ー 部長 ー 役員といったように、関係をつなげることを、私は立て串と名づけたのです。

縦串でもよいと思います。

 

加えて言えば、表敬訪問することで、課長同士、部長同士、役員同士親しくなるキッカケになるかもしれません。

 

実際、「今度ゆっくり食事でも」といった話に進むことが多くあります。

 

 

訪問の目的は、相手との関係を立て串で刺しておくこと

 

そして、表敬訪問しておいてよかったと思える重要な局面が、ビジネスには必ずあります。

 

取引業者の選定やシェア決定の場面です。

相手の上位職が決めるからです。

また、問題やトラブルが発生した場合も、

担当者レベルで解決が難しいときは、上司職同士で対応を協議しなければなりません。

 

そんなとき、こちら側の上位職が「はじめまして」と名刺を出すのは、あまりにも気まずいです。

だから、通常時に関係を築いておくことが大事なのです。

それが表敬訪問です。

 

 

では、表敬訪問は受ける側にはメリットがないのでしょうか?

 

そんなことはありません。

相手も表敬訪問を受けることで、訪問者側の組織や体制を知ることができます。

どんな体制で業務支援を受けているか、わかるのです。

このことは安心につながります。

 

また、体制を知ることで、案件ごと、相談する相手がわかります。

 

 

相手は支援体制を知る

 

それだけではありません。

 

表敬訪問を受けることにより、訪問者側のビジョンやミッションを知る機会にもなります。

このことも、取引を進めるうえで、安心につながります。

 

また、訪問者側の上役の話から、情報やヒントを得ることもあります。

実際、表敬訪問をきっかけに、ビジネスが進展したということはよくあるのです。

 

 

表敬訪問がさまざまな声があるなか、行われ続けているということは、それなりの意味があるからです。

 

企業で働くビジネスマンは、まず、表敬訪問の意味を考えていただきたいと思います。

 

みなさんの上司が表敬訪問したということは、みなさんの業務をバックアップしたということです。

相手先との関係を維持、強化するために、みなさんの上司は訪問したのです。

この意味は、ぜひ認識していただきたいと思います。

 

すると、表敬訪問していただいた上司に「ありがとうございました」という言葉が自然に出ます。

それがビジネスマナーと考えます。

 

綾小路 亜也

 

 

相手は訪問者側のビジョンやミッションを知る

 

 

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