2024.10.29更新
自己申告書の「現在の職務欄」を見て、「なんでわかり切ったことを書かせるのか」と思ったことないですか? 所属部署名から読み取れるからです。
たしかに自分にも上司にもわかり切ったことですが、他の人にはわかり切ったことではありません。
自分を表現する原点はここにあります。
自分を丁寧に表現しないと、人は自分のことをわからない、ということです。
しかし、実際には「現在の職務欄」に、「営業」と、たった二文字が横たわっていることが多くあります。
そこで、『コロナ後の「たった一つの出世の掟」』では、次の記載例を挙げました。
「得意先○○グループ担当 ○○グループ前年度売上△△ 今年度目標✕✕」
「○○地域担当 販売店数△△店 今年度新設目標✕✕店」
このような記載ならば、直属の上司より上の人や人事の人は、
「○○グループはA君が担当していたのか。売上は△△もあるのか」
「○○地域はB君が担当していたのか。販売店も多いな」
などと、その人の仕事の中身がわかります。
そんな情報は頭にこびりつくものです。思わず、「頑張れ!」と声も掛けたくなります。
しかし「営業」という二文字で終わらせてしまうと、その人が日々取り組んでいるものがまったく見えません。
会社にいる人は、誰一人同じことをしていません。
営業部門にいる人ならば、担当地域も異なれば、担当チャネルも異なります。みんな自分だの営業をしているのです。
管理部門や企画部門の人だってみんな違う仕事をしています。
これが企業で働くビジネスマンの原点なのです。
このことを表現しないことはあまりにももったいないです。
人は、その人がどんな人か知りたがっています。
そのために、まずその人がどんな仕事をしているのか知りたいのです。
出世については、さまざまなことが言われていますが、それは枝葉の世界であり、その前にやらなければならないことがあります。
自分の仕事の内容を、自分で表現するということです。
仕事の内容がわからない人を誰が評価するでしょうか? 誰が昇進させるでしょうか?
「○○グループ担当 ○○グループ前年度売上△△ 今年度目標✕✕」
「○○地域担当 販売店数△△店 今年度新設目標✕✕店」
と書かれているのを見た、人事の人はどう思うでしょうか?
「○○グループ担当ということは、担当者卒業レベルだ」
「○○地域担当ということは、非常に難しい地域を担当できる能力をもっている」
などと、「役割」を認識したり、記載内容から担当する「規模」を判断します。
このことが、人事異動の出発点になるのです。
自分で自分の仕事を表現する。―― このことが出世への一歩になります。
綾小路 亜也
「現在の職務」を「営業」という二文字で終わらせない から
関連記事:人事異動は自己申告書の記載内容から始まる
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