2024.10.20更新
専門性を高めると言っても、会社社会にはさまざまな専門性があります。会社での専門性の例を考えていきましょう。
1.職務上求められる専門性
「職務上求められる専門性」については、あなたも評価シートで目にしています。
そこには、「職務上求められる専門的知識や技能を保有し、それらを実際の業務のなかで発揮している」などと記載された評価項目があります。
その意味では、専門性と言うより、「職務上求められる専門的知識や技能」ということになりますが、
ビジネス書のなかには、それらを有し、業務に活かすことを、「スペシャリティ」と呼んでいる本があります。
(『人事の超プロが明かす評価基準』西尾 太 三笠書房参照)
また、この評価項目を「専門性」とうたっている企業も多くあります。
考えなければならないことは、日本の企業の多くは、人事、経理、総務、営業、開発といった職能別組織をとっていることです。
つまり同じ専門知識やノウハウをもった人ごとに組織は分化し、業務を行っているということです。
その観点から考えると、組織の業務を行っている人は専門性をもっていることになります。
ただ、ここでの専門性は社内における専門性であることは押さえておく必要があります。
2.転職、起業する際に必要とされる専門性
「転職、起業する際に必要とされる専門性」は、社外で通用する専門性です。
平たく言えば、専門性を他の企業が評価し、報酬を支払ってくれるかどうかであり、起業した場合は、専門性で食べていけるかということです。
ここでの専門性は二つに分かれます。
一つは、たとえば弁護士や公認会計士、税理士といった誰もが専門性を認める資格をもっている場合です。
もう一つは、社内で培った専門性が社外でも通用するレベルのときです。
ビジネス書では後者を指すことが多いですが、この専門性のたとえがあまりよくなく、専門性をもっていれば、その専門性を基に転職、起業できるかのような感覚になります。
この専門性を判断するのは、あくまでも他の企業や市場だということがポイントです。
その道で食べていけるということだ
3.キャリアの選択肢の一つとしての専門性
「キャリアの選択肢の一つとしての専門性」は、再び社内の話です。
「専門性」をもち活躍している人を、「エキスパート職」と呼んでいる本(『人事部はここを見ている!』溝上憲文 プレジデント社)もあれば、
「社内プロフェッショナル」と呼んでいる本(『出世する人は人事評価を気にしない』平康 慶浩 日経プレミアシリーズ)もあります。
最近では、三井物産が管理職に昇進した後も専門分野でキャリアを歩み続ける「エキスパート職」の導入を発表し注目を浴びました。(2021.10.21読売新聞より)
会社社会では各自の生き方といったものが存在します。
出世の階段を上り続けることがすべてではなく、身につけた専門性を基に活躍することは可能です。
ただ、この「エキスパート職」にはさまざまな形があることは押さえておく必要があります。
入社以来、一貫して専門分野で活躍している人もいれば、一定年齢に達したとき、出世という階段を上るのではなく、特定した分野を歩む人もいます。
また役職定年や定年を迎えた人が、それまでに身につけたものを基に専門的業務につくこともあります。
ビジネス書を読むと、これらがごちゃ混ぜに例示されているような気がします。
また、この専門性が何か会社社会を生き延びる術(すべ)のように見えてしまいます。
自分の道を歩む人だ
少しスッキリしたかと思います。
「専門性」という言葉が、いかに無造作に、ごちゃ混ぜに、書き手の主観が入り、使われていることがわかったと思います。
専門性を考えるとき重要なことは、自分の専門性は何かを考えることです。
そのためには、何のために専門性をもちたいか明確にする必要があります。
現在の職務で評価されるためなのか、転職や起業をするためなのか、自分の道を歩むためなのかということです。
綾小路 亜也
ビジネスマンを悩ます会社社会の「専門性」 から抜粋
それぞれのキャリアがある
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