コロナ後、人のことをよく見るようになった。
いままで会議では、視線はたえず上司の顔と机の上の資料を行き交い、他の出席者の表情などジックリ観察することがなかった。
ところが、リモート会議になって、画面に映る出席者の顔を否が応でも見続けなければならなくなった。
そこで気づいたことは多い。
中谷彰宏氏は『コロナ時代をチャンスに変える 新しい仕事術』(リベラル社)のなかで、「口先で営業スマイルをムリヤリつくっていた人はまったく笑っていないので、マスクをしてバレてしまいました」と述べている。
これもわかったことの一つだ。
また、人前で笑顔を作っていた人は、リモート会議のような長丁場では笑顔を作り続けることがむずかしくなる。現われた素顔に驚いた人も多いはずだ。
素顔を見られて×が付けられる理由は、いつも見せている顔とのギャップが大きいからだ。
このことに対して、ギャップが生じないように、ずっと作った顔でいることをすすめている本もあるが、そんなことは不可能だ。このことはコロナ後のリモート会議が証明している。
それよりは、なぜギャップが生じるのか考えてみることだ。
それは特定のシーン、特定の人の前を意識するからだ。
特定のシーン、特定の人の前を意識すると、それ以外の所作が必ず生まれる。
これがギャップの正体だ。
同じようなことが、ビジネスマナーでも言える。
ビジネスマナーというと、名刺交換や商談など、人を前にした特定なシーンが浮かぶが、人はそんなシーンだけを見ているわけではない。
むしろそれ以外の所作も見て、その人がどういう人か判断している。
このことは、人を見るとき、写真のような静止画で見ていないということだ。一連の行動を動画として見ている。
人が人を見るということは、こういうことだ。
出世をめざす人の多くは、特定のシーン、特定の人の前で印象づけを図ろうとするが、人はそのことで判断するほど愚かではない。
そんな人には、裏を探ろうとする心理が必ず働く。
それは、「もう一人のその人」がいるのではないかという推測だ。
一方、特定のシーンや特定の人の前を感じさせない人に安心する。
「もう一人のその人」がいないことに対する安心感だ。
このことを、多くのビジネス書やビジネスマナーの本は見落としている。
あなたには特定のシーン、特定の人の前にこだわらず、いつも礼儀正しくあってもらいたい。
いつも、あなたのままでいてもらいたいということであり、「もう一人のあなた」を作らないということだ。
そんなあなたなら、昇進の最後の局面を、裏表のない人ということで無事に通過する。
綾小路 亜也
「もう一人のあなた」を作らない から抜粋
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