あなたは次のような言葉を聞いたとき、どう感じるだろうか?
「アウトプットを高めていきます」
「組織の構造改革を図ります」
「イノベーションを実現します」
「常識にとらわれない発想で臨みます」
岡本純子さんは、このような言葉を「無味乾燥な言葉」という。
(『世界最高の話し方』東洋経済新報社より)
だが、このような言葉をつかう人は多い。
その理由は、「アウトプット」「構造改革」「「イノベーション」「常識にとらわれない発想」などという言葉を気に入っているからだ。
その人たちはこのような言葉が「無味乾燥」になることに気づかないでいる。
このような言葉が、なぜ「無味乾燥」になるのだろう?
「無味乾燥」自体一つの言葉だが、あえて分解すれば、「無味」とは、その人の味をまったく感じないということだ。「乾燥」とは、おもしろみがないことである。
これらの言葉は自分の口から出てはいるが、自分の言葉ではないのだ。
自分の言葉でないから、所有主不明のまま宙に浮かんでいる。
だから言葉としての存在感がない。
存在感がない言葉が、人の心に残るわけがないのだ。
「無味乾燥」な言葉をつかうには、もう一つ理由がある。
これらの言葉を、自分の言葉に置き換えることができなかったということだ。
借りてきた言葉も人の心が動かない。
人の心に残る言葉とは、その人の考えや気持ちが織り込まれた言葉なのだ。
本などからいくら言葉を借りてきても、その言葉には、自分の考えや気持ちが織り込まれているわけではないから、人の心には残らない。
では、どうすれば自分の言葉を言えるようになるのか?
自分の考え、気持ちを話のなかに織り込めばよいのではないだろうか。
自分の意見であることを伝える言葉を入れることからスタートしたらよいと思う。
たとえば、
私が感じたことは、○○です。
私が思っていることは、△△です。
現場を見て、私がわかったことは、××です。
やってみて、私がわかったことは、○△です。
といった具合だ。
このような言葉を頭に付けると、それ以降は必然的に自分の意見になる。
また、こんな言葉が頭に付くと、聞くほうは「どんなことだろう?」と耳を傾けるはずだ。
こんな方法を利用し、意識して自分の考え、気持ちを織り込むことから始めてもらいたい。
そのことが、言葉で人に差をつける大きな一歩となる。
競争優位性は人との「ちがい」によって生まれるが、よく言われている言葉や借りてきた言葉からは、絶対に人との「ちがい」は生まれない。
だが、意識して人と違う言葉をつかおうとしても、そんな言葉はすぐに出ない。多くの人はここで行き詰ってしまう。
ここを、自分の考えや気持ちが織り込まれている言葉は、必ず人と違うものになると考えてもらいたい。
自分の考えや気持ちが織り込まれた言葉をつかうことにより、自分だけの言葉が生まれ、自分だけの言葉が、他者との「ちがい」を示し、競争優位性を生むのだ。
言葉で人との「ちがい」を生む大前提はここにある。
綾小路 亜也
競争優位性は借り物でない自分の言葉から生まれる から抜粋
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