2024.09.21更新
「賢い人は敵を作らない」と言いますが、どんな方法で敵を作らないのでしょう? 反対意見を言う時、相手のプライドを傷つけていないのです。
相手の意見を叩くと、相手は機会あるごとに反撃を試みます。
すなわち敵になるということです。
敵を作る人は出世に苦戦します。
今の出世は、さまざまな人の意見を参考にして決められるからです。
そんなとき、かつてプライドを傷つけてしまった相手から反対票を入れられてしまうのです。
一方、敵を作らない人は出世への道を歩みます。
賛成票を得られやすいからです。
このことを、『出世はタイミングで決まる!』では、
かつて「わだかまり」を持った相手から反対票を入れられてしまう。
嫌うという感情は、自分のプライドを潰されたときに抱くことが多い。
と表現しています。
『「出世しぐさ」のすすめ』では、
頭がいい人が出世するわけではない。
相手のプライドを保ちながら、相手の理解を促す人が出世する人なのだ。
と述べ、
出世は、組織内部の力学によって生まれる。
その人を「想起させるもの」が組織内でじわりじわりと浸透し、押し出すように生まれた力が出世である。
と、出世とはどんな現象かを示しています。
敵を作る人には、押し出す力が生まれないのです。
反対意見の言い方は、なぜかビジネスマナーの本や話し方の本に記載されています。
それらの本を読み、最も参考になった例を基に、反対意見の表現方法を考えていきます。
渡辺由佳さんが書いた『好かれる人が絶対にしないモノの言い方』(日本実業出版社)に記載されていた例を参考にします。
(線引きは私が行った)
記載例
「いまのご提案は○○の点ですばらしいと思います。一方で、コストパフォーマンスを考えると、こちらのやり方があると思うのですが、いかがでしょうか?」
まず、相手の意見(提案)を肯定し、そのうえで自分の意見を伝えようとしていることがわかります。
参考にしたいのは、「○○の点で」と、相手のすばらしい点をしっかり示していることです。
ビジネスマナーの本のなかには、単に「良い案」と記載していたり、「興味深く拝聴しました」と書いている本もありますが、「どこが良いと思ったのか」「どこに興味をもったのか」を示さなければ、相手は肯定されたとは思いません。
「一方で」という表現は、違った角度から見ればということです。
この言葉を使うことにより、相手の言ったことを肯定したまま、自分の考えを述べようとしていることがわかります。
ここを、「しかし」「ただ」で結んでしまうと、結局は相手の言うことに難があることを示すことになります。
言葉ひとつのことかもしれなませんが、受け手は敏感なのです。
「いかがでしょうか」は相手に検討を促す言葉です。
つまり、紹介した例は、最後の最後まで相手の意見を否定しなかったことになります。
相手との関係を良好に保つには、このことがとても大切ですが。
私ならば、この例を、
「いまのご提案は○○の点ですばらしいと思います」
「私はコストパフォーマンスを考えると、こちらのやり方があると思うのですが、いかがでしょうか?」
と表現します。
紹介した例とどこが違うでしょうか?
意見を続けて言うのではなく、相手の意見に対するコメントを独立させ、そのことを言い終えたあと、主語がI(私)のアイメッセージにしたのです。
主語がIのアイメッセージ
その理由は、相手の意見を聞くとき、とかく反論前提で聞いてしまうからです。
紹介した例を続けて言うと、反論の前置きとして、相手の意見(提案)のよいところを付け足したように見えてしまうことがあります。
相手からすれば、「結局言いたいのはあなたの意見でしょ」ということになります。
そんなことが露骨だと、相手はカチンと来るのです。
自分の意見を言う前置きとして相手の意見にコメントするのではなく、相手の意見に対するコメントを独立させ、しっかり返す必要があると、考えたのです。
コツは、最初から相手の意見をフィードバックする気持ちで聞くことです。
最初から相手の意見をフィードバックする気持ちで聞くと、不思議なことに、相手の意見のよいところが本当にわかってきます。
あなたは、「いまのご提案は○○の点ですばらしいと思います」のような言葉は、相手を傷つけないためのマナーと理解しているかもしれません。
私も長い間そう理解してきました。
しかし、相手の意見をフィードバックする気持ちで聞くと、自然に出てくる言葉なのです。
相手の意見をフィードバックする
「私は」を付けたのは、これからの意見は、あくまでも私の意見であるということを明確にしたためです。
というのは、人を傷つけるときは、「あなたは○○だ」などとYOUメッセージになっているからです。
人はYOUメッセージを感じると、怒り、傷つきます。
「私は」を付け、アイメッセージであることを明らかにすることにより、そんな事態に陥ることを未然に避けようと考えたのです。
フィードバック+アイメッセージならば、敵を作りません。
この表現をマスターした人が、出世の最終関門を通過するのです。
綾小路 亜也
フィードバック+アイメッセージで敵を作らない から抜粋
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