話の内容はインプットにより決まる。
そうすると、どうすればインプットの質を高められるかということになる。
その際に注意したいのは、インプットの質と考えると、先に進まなくなることだ。
インプットの質とは何かという問題に答えなくてはならないからだ。
ここを丁寧なインプットと考えると、先が開ける。
丁寧なインプットについて、次の例から考えてみたい。
職場を訪れた上司から、後日、「みんな元気にやっているか?」ときかれたケースだ。
会社社会では、問題が発生したり、成績が思わしくない職場、あるいは残業が多い職場などに、上司は励ましの意味を込めて訪問することが多い。そこで職場のみんなと問題点や解決策を話し合う。
訪問した上司の関心事は、自分が訪問したあと、職場はどう変わったかということだ。
そんな上司からの電話に、ほとんどの人は「ありがとうございます。みんな元気にやっています」と答えてしまう。
だが、上司はどう元気にやっているか知りたい。
話し方の本には、「上手い説明は絵になっている」と書かれているが、電話をかけてきた上司はそんな絵になった説明を聞きたいのだ。
たとえば上司が残業問題の解決に訪れたというならば、このように報告できないだろうか?
朝礼時にその日の司会者が「今日は全員6時までに退社しよう」と呼び掛けています。
17時になったら、〇〇君と△△さんがみんなの席を回り、早帰りを促しています。
驚いたのは朝礼後、〇〇君が中心になって、みんなにその日の予定や問題などを聞き出していることです。
嬉しいことは、みんなの顔が明るくなったことです。いちばん暗い顔をしていた××さんなどは私に冗談まで言うようになりました。
このような報告だと、上司は朝礼の様子や、朝礼後の簡単なミーティング、夕刻の呼び掛けが絵を見るようにわかる。しかも話に登場する〇〇君、△△さん、××さんは先日会った人だから、自分のことのように嬉しくなるに違いない。
この報告はべつに表現に工夫を凝らしたわけではなく、見たままを話しただけだ。
しかし、このように報告できるには条件がある。
部下の様子をよく観察していなければならないということだ。
よく観察することが丁寧なインプットにつながり、丁寧なインプットが質の高いアウトプットを生むのだ。
丁寧なインプットは質の高いインプットといえる。
だが、「質の高いインプット」という言葉のままだと、具体的にどうしてよいかわからない。
私は、「質の高いインプット」を「丁寧なインプット」に置き換えた。
すると、どのようなことが「丁寧なインプット」なのかイメージできる。
自分の言葉に置き換えることで、物事は進む。
表現力を高めることばかりが頭にあると、インプットの重要性を見逃してしまう。
重要なことは、丁寧なインプットも表現力を高める大きな要素になるということだ。
そして、丁寧なインプットから生まれる言葉には、その人しか知り得ない情報が含まれている。
自分しか知らない情報を伝えること。――このことが、エリートたちの表現力に勝つ有力な一手となる。
綾小路 亜也
丁寧なインプットが質の高いアウトプットを生む から抜粋
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