手帳にメモするときは、個人情報を併記しない

2024.04.23更新

 

手帳に人の情報を書くとき、氏名・住所・電話番号・所属部署などを一緒に書くと思います。
しかしそのような記載だと、紛失・置忘れ、盗難、盗み見に遭ったとき、完全に個人が識別されてしまいます。

一緒に書かない方がよいのです。

 

人についてメモするときは、

同じ場所に氏名と住所、電話番号などを書かず、ページを変えるなどの工夫をすることが大事です。

 

個人情報を併記しないようにするのです。

 

なぜ、そのようなことが必要なのでしょうか?

 

そのためには、まず、個人情報保護法をあたらなければなりません。

条文解釈が伴うので若干むずかしい内容になりますが、ご辛抱ください。

 

個人情報保護法では、第二条で個人情報を定義しているが、その条文は長く複雑です。

 

要約すると、

生存する個人に関する情報であって(二条一項柱書)、

①当該情報に含まれる記述等、もしくは、他の情報と容易に照合することにより特定の個人を識別することができるもの(同項一号)、

または、②個人識別符号が含まれるもの(同項二号)

をいいます。

 

これだけでは何が何だかわからないと思いますが、

手帳にメモするときに考えなければならないのは、

上記二条一項一号が規定する

「特定の個人を識別することができるもの」の部分です。

 

この点を正確に知ろうとするならば、条文に立ち戻る必要があります。

だがこの条文にはカッコ書きが多く、カッコ書きがどこにかかるかを見極めるのはたいへんです。

 

そこで、思い切って、条文のカッコ書き部分をとってみました。

 

すると、

「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの」

と凝縮できます。

 

ただし、後半の「特定の個人を識別することができるもの」にかかる条文のカッコ書きは、「識別」の補足説明であることから、カッコ書きを確認する必要があります。

 

カッコ書きには、

「他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む」

と記載されています。

 

ここで、個人の「識別」は、記述と照合によって成り立っていることがハッキリとわかります。

 

 

 

これで、だいぶ個人情報が見えてきたのではないでしょうか。

 

手帳に、氏名〇〇〇〇 住所△△△△ 電話✕✕✕✕ とメモすることは個人情報保護法にいう記述にあたり、

しかも、この場合は完全に個人が識別されていることになります。

 

もちろん、氏名+住所、氏名+電話番号の組み合わせでも識別されます。

また氏名自体が、元々個人を識別するために生まれているということは忘れてはなりません。

 

つまり、氏名と一緒に他の情報を書くと、特定の個人が識別されてしまうということなのです。

 

識別されないためには、

個人に関する情報を一緒に書かず、ページを変えるなど、情報を分散すことです。

 

また、情報を書くときは、完全な形で残さないことです。

 

たとえば、よく訪問する取引先について手帳にメモするときは、

個人が識別されないように、「A社 ✕✕様」と社名をイニシャルで書き、氏名も名字だけにとどめておくのです。

 

これだと誰のことを指しているのか、他の人にはわかりません。それが狙いです。

 

ビジネスパーソンの手帳を見ると、「15時 〇〇商事 △△部 ✕✕✕✕様」と丁寧に書かれていることが多いですが、手帳に書いたメモは自分だけわかればよいのです。

 

この原点を忘れないでください。

 

情報を書いたら、すみやかに消すことも大切です。

 

手帳にはたいがい過去の訪問先と面談者などが消されずに残っています。

手帳は放っておくと、多大な情報が蓄積します。

それでは万が一のとき、多大な情報が漏えいするということです。

 

手帳に情報が残っていると、あとで旅費精算するときに重宝するかもしれませんが、それは情報漏えいの観点から見たら好ましいことではありません。

 

個人が識別できる情報はすみやかに消すことです。
消さずに残すなら、イニシャルなどを用い個人が識別できないようにすることです。

 

情報は消すことが大事なのです。
そのために、手帳にはシャープペンシルか消せるボールペンで書くことが必要です。

 

綾小路 亜也

 

 

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特別記事③ 手帳にメモするときは、情報を併記しな から

 

 

 

 

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