2024.11.07更新
書類紛失を紛失した時、可能性がある場所を片っ端から当たります。しかし、その方法ではなかなか書類は出てきません。
書類を紛失した時の探し方のコツは、無意識の行為をつかむことです。
最後に「その書類を見た」という起点を固め、そこからコマ落としで再現していくのです。
書類を紛失した時、よく、みんなでキャビネットの中の他のホルダーに混ざっていないか一枚ずつ調べます。
同時に机の下、机と机の隙間などあらゆる場所を確認します。そんなことを何度も行います。
こうした確認作業は気が遠くなるような時間を要し、みんな疲れ果ててしまいます。
紛失した書類を発見するには、まず、最後に「その書類を見た」という場面をズームアップする必要があり、次に、最後にその書類を見たという瞬間から、紛失したことに気づいた瞬間までコマ落としで再現することが必要です。
コマ落としで再現する
最後にその書類を見たという瞬間をズームアップしてみましょう。
大事なことは、「どうして、その人が見た」と思っているかです。
そのためには本人に確認しなければなりませんが、けっして本人を責める口調で聞いてはいけません。
ありのままを語ってもらうことが書類発見につながります。
すると、こんな答えが返ってきます。
「取引先のA社から問い合わせの電話がかかってきたとき、机の右側に置いてあった本件B社の書類が目に入ったのです」
そのような答えが返ってきたら、「どうして、その書類だと思ったのか」と聞いてください。
その質問に対して、「その書類の右上に書かれた『重要』という文字がオレンジ色だったことを鮮明に覚えているからです」などと、書類の特徴を言えるようだと、その書類はたしかにその時存在していたと考えられます。
ここが、「たしかにその書類だったと思う」くらいの答えだったら、その書類の存在を裏づける時点までさかのぼらなくてはなりません。
最後に見た瞬間をズームアップする
紛失した書類を捜す時、いちばん重要な「起点」があいまいになっていることが多いのです。
まず、最後に紛失した書類を見たという「起点」を確実にしなければなりません。
「起点」が固まったら、本人が書いた行動記録を基にヒアリングに入りますが、行動記録そのものはあまり意味がありません。
行動から行動までの間をコマ落としで再現することに意味があります。
たとえば、行動記録に、「15時 デスクでA社報告書作成 16時 経理に書類を届ける」
と記載されていた場合には、
A社報告書を作成し終えてから、経理に書類を届けるまでの行動が重要です。
ここは、実際に本人に再現してもらい、確認する人は、本人と一緒に大相撲の「物言い」がついたときの再現テープのように、コマ落としでその場面をイメージします。
A社報告書作成が終わり、本人が収納のためにキャビネットに向かったというならば、確認者も一緒に立ってキャビネットに向かいます。
キャビネットまでの経路もその時とまったく同じに再現してもらい、途中、話をした人がいなかったか、その時のことをコマ落としで思い出してもらうのです。
もし話をした人がいたならば、話した人にも立ち会ってもらい、どの場所で話したのか、実際にその場所に行き再現します。
現場確認が大事
なぜこのようなコマ落とし再現が必要かといえば、本人の無意識の行為をつかみたいからです。
もし、キャビネットに向かう途中、人と話したというならば、無意識のうちに手に持っていた書類をキャビネットの上に置くようなことが考えられるからです。
無意識な行為を見つけ出すことが、紛失した書類の発見につながりますが、捜索の進め方にもコツがあるのでお話ししておきます。
書類を捜すとき、キャビネットの中のホルダーに入った書類を一枚一枚取り出し、混じっていないか確認しますが、何度も、それも複数の人が同じような作業をします。
そのこと自体、意味はありますが、何度も、複数の人が確認したという証をホルダーに残してください。
たとえば、確認の都度、色が異なるシールをホルダーに貼るなどするのです。
そうしないと点検の跡が見えなくなります。
点検の跡が見えないと、同じような作業をダラダラと繰り返すことになります。
それではあまりにも非効率ですし、点検も形だけになる可能性があるのです。
綾小路 亜也
特別記事② なくなった書類はコマ落としで再現すれば、必ず見つかる! から
関連記事:書類は机の上で混じることが多いのです
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