会社を辞めたい理由がなくなったら、会社に残りたいか?

2024.04.05更新

 

会社を辞めたい理由がなくなったら、「会社に残りたい」と思うでしょうか?
そのときは会社を辞めないで済むかもしれません。
しかし、そのことが会社に残る理由にはならないのです。

 

 

このことに触れた有名な本があります。

「動機づけ-衛生理論」で有名なハーズバーグが書いた仕事と人間性です。

 


本のなかに、フリードランダ―とウォルトンの実証研究が紹介されており、


その結論は「ある組織にとどまる理由は、その組織を去る理由と異なる(またはその単なる逆ではない)」

ということでした。

 

 

彼らの実証研究は、他にも重要な事実を示しています。

 

(組織に)とどまる理由は仕事過程要因(動機づけ要因)であり、

去る理由は仕事脈絡中の要因(衛生要因)がほとんどだったということです。

 

 

仕事と人間性

『仕事と人間性』表紙

1968年発行の本ですが、Amazonマーケットプレスで購入できます。

 

 

ここで、動機づけ要因、衛生要因を少し復習しておきましょう。

 

 

動機づけ要因は、達成、承認、仕事そのもの、責任、昇進

衛生要因は、会社の政策と経営、監督、給与、対人関係、作業条件

です。

 

 

ハーズバーグは

衛生要因の改善は長い効果にはならず、職務の満足につながるものではない

と言います。

 

つまり、衛生要因の改善は不満足を薄めるか、不満足を覚えないだけであり、それが職務自体への満足につながるわけではないということです。

 

 

たとえば、対人関係で会社を辞めたいと思っているときのことを考えてください。

 

対人関係は上の分類では「衛生要因」に入っていますよね。

(注)ハーズバーグがいう対人関係は上役との関係を指している。

 

たしかに人間関係は会社を辞める要因になり得るのです。

 

 

 

上記の研究やハーズバーグの記述から、何が言えるでしょうか?

 

会社を辞める原因が人間関係なら、それが改善すれば会社を辞めないで済みますが、

人間関係が改善されたからといって、それが会社に残り続ける要因にはならないということです。

 

 

このことは、私たちに大きなヒントを与えてくれます。

 

人間関係はよくなったり、悪くなったりします。
また人の入れ替わりにより、頻繁に人間関係も変わります。

 

したがって、人間関係を基軸にしている限り、会社を辞める、辞めないの間を行ったり来たりするということです。

 

 

じつは、問題はもっと根深い所にあります。

そもそも、なぜ人間関係だけを問題にしているかということです。

 

それは他の要素を考えていないからです。

他の要素とは「動機づけ要因」です。

仕事の中身ということになります。

 

 

およそ会社社会にいる人で、会社を辞めようと思わなかった人などいません。

 

そんなとき、辞めようと思っている理由だけに頭を奪われないで、会社に残る理由も考えてもらいたいと思います。

 

 

ハーズバーグの『仕事と人間性』の内容についてはこちらをご覧ください。

 

綾小路 亜也

 

 

 

 

◆新百合ヶ丘総合研究所の出世を現実につかむ本

 

こっそり読まれ続けています
ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!

ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!

本の目次

 

スマホで読む方法

 

 

出世するビジネスマナー
「出世しぐさ」のすすめ

「出世しぐさ」のすすめ

本の目次

 

「出世しぐさ」は商標登録されました。

 

 

エリートの弱点を突く!
エリート社員に打ち勝つ! あなただけの出世術

本の目次

 

 

異動で選ばれる人になる!
コロナ後の「たった一つの出世の掟」

本の目次

 

 

 

◆新百合ヶ丘総合研究所のキャリアアップを実現する本のシリーズ

 

情報セキュリティ時代のビジネスマナー

 

なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか

 

企業で働く 営業女子が輝く35のヒント

 

印象アップに踏み切れない人が、ある日突然注目を浴びるハンコの押し方

 

 

◆メルマガ「出世塾」の情報
(まずは発刊内容をご覧ください)

https://shinyuri-souken.com/?p=28756

 

◆キャリア理論の本紹介
https://shinyuri-souken.com/?page_id=41933