2024.08.21更新
会社を辞めたい理由がなくなったら、「会社に残りたい」と思うでしょうか? その時は会社を辞めないかもしれません。しかし会社に残る理由にはならないのです。
このことに触れた有名な本があります。
「動機づけ-衛生理論」で有名なハーズバーグが書いた『仕事と人間性』です。
本のなかに、フリードランダ―とウォルトンの実証研究が紹介されており、
その結論は「ある組織にとどまる理由は、その組織を去る理由と異なる(またはその単なる逆ではない)」
ということでした。
彼らの実証研究は、他にも重要な事実を示しています。
(組織に)とどまる理由は仕事過程要因(動機づけ要因)であり、
去る理由は仕事脈絡中の要因(衛生要因)がほとんどだったということです。
『仕事と人間性』
1968年発行の本ですが、Amazonマーケットプレスで購入できます。
ここで、動機づけ要因、衛生要因を少し復習しておきましょう。
動機づけ要因は、達成、承認、仕事そのもの、責任、昇進
衛生要因は、会社の政策と経営、監督、給与、対人関係、作業条件
です。
ハーズバーグは
衛生要因の改善は長い効果にはならず、職務の満足につながるものではない
と言います。
つまり、衛生要因の改善は不満足を薄めるか、不満足を覚えないだけであり、それが職務自体への満足につながるわけではないということです。
たとえば、対人関係で会社を辞めたいと思っているときのことを考えてください。
対人関係は上の分類では「衛生要因」に入っていますよね。
(注)ハーズバーグがいう対人関係は上役との関係を指している。
たしかに人間関係は会社を辞める要因になり得るのです。
上記の研究やハーズバーグの記述から、何が言えるでしょうか?
会社を辞める原因が人間関係なら、それが改善すれば会社を辞めないで済みますが、
人間関係が改善されたからといって、それが会社に残り続ける要因にはならないということです。
このことは、私たちに大きなヒントを与えてくれます。
人間関係はよくなったり、悪くなったりします。
また人の入れ替わりにより、頻繁に人間関係も変わります。
したがって、人間関係を基軸にしている限り、会社を辞める、辞めないの間を行ったり来たりするということです。
じつは、問題はもっと根深い所にあります。
そもそも、なぜ人間関係だけを問題にしているかということです。
それは他の要素を考えていないからです。
他の要素とは「動機づけ要因」です。
仕事の中身ということになります。
およそ会社社会にいる人で、会社を辞めようと思わなかった人などいません。
そんなとき、辞めようと思っている理由だけに頭を奪われないで、会社に残る理由も考えてもらいたいと思います。
ハーズバーグの『仕事と人間性』の内容についてはこちらをご覧ください。
綾小路 亜也
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