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「お急ぎかと思いまして」はビジネスでグッとくる言葉
2024.11.06更新
「思いまして」には相手の事情を察した響きがある。ビジネスでは「思って」と言うより、「思いまして」と言う方が丁寧で効果的なのだ。
「お急ぎかと思いまして」と早く依頼に応えたら、相手の心に刺さるに違いない。
似た言葉に「お急ぎとのことでしたので」があるが、これは依頼主から「急ぎでお願いします」と言われていたときに使う言葉だ。
「お急ぎかと思いまして」はそんな申し出を受けなくても、相手の事情をそっと察した言葉なのだ。
「思いまして効果」について、『「出世しぐさ」のすすめ』では次のように言う。
私たちは得意先や上司、あるいは同僚から依頼を受ける。
得意先から依頼を受けた場合は、「納期」という言葉がこの瞬間から生まれる。
ビジネス書やビジネスマナーの本にも得意先から依頼を受けたときのことが書かれているが、
その記載内容を見ると、終始こちら側の対処方法が書かれているような気がする。
本当に考えなければならないのは、依頼する相手の事情だ。
得意先は、あなたからの書類を待って上司に報告しようと考えているかもしれないし、申請書を書こうと思っているかもしれない。
書類が届けば経費処理できるかもしれない。
そんな事情を相手は持っているのだ。
上司や同僚も同じだ。
あなたから報告書が提出されれば、自分の仕事を一歩先に進めることができる。
「待つ」というイライラ感からも解放される。
そんな事情を持つ相手にとって、依頼物が早く届くことは嬉しいに違いない。
それだけでも信頼を寄せる。
だが、ここに「お急ぎかと思いまして」という言葉が添えられると、「この人はこちらの事情もわかっている人なんだ!」と思う。
待つ方の事情を考えてくれた「気持ち」に嬉しくなるのだ。
信頼以上の感情が生まれることは間違いない。
ただ、ここで、「お急ぎかと思いまして」以外のことは言ってはならない。
「たいへんでした」「遅くまで会社に残り仕上げました」「予定をキャンセルしてまで作りました」などと、
恩着せがましく言うと、急に安っぽくなり、人の気持ちは冷めてしまう。
「お急ぎかと思いまして」と言った人は、相手の反応を見て、自分も嬉しくなる。
相手の実情を共有したような気持ちになれたこと、相手の役に立ったことが嬉しいのだ。
そんな喜びを知った人は、また相手の役に立とうとし。早めに依頼に応える。
よく議論される「納期」改善についても、目的が顧客などからの信頼獲得にとどまっている限り、取り組みも抽象論にととまり、納期は改善しない。
ここから一歩踏み出て、相手の事情まで考えれると、納期は改善する。
依頼を自分の枠組みの中で考えることから、相手の事情まで含めて考えるようになると、人に大きく差をつけることができる。
綾小路 亜也
「お急ぎかと思いまして」は相手がグッとくる言葉から
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