非常識な成功法則【新装版】
神田昌典 フォレスト出版 2011-10-22 |
この本は2002年6月発行の新装版だが、「成功法則」の本質を突いている思うので、紹介したい。
冒頭から小気味よいテンポで始まる。そして著者のテンポに乗り一気に読み終えることができる本である。
きっと多くの読者が「そうだ!」「そういうことだ!」と叫ぶ内容の本である。
まずこの本を理解するために、私も「そう思い」また、多くの読者が「まさに、そのとおりだ!」思う箇所を紹介しておきたい。
「皮肉なことに、いわゆる成功法則は、成功法則を商売にして成功した人によって語られる。実体験がないから、過去に数千回、数万回は語られた陳腐な内容の焼き直しとなる。やせるためのダイエット本が、手を変え品を変え、繰り返し出版されるのと同じである。
本当に成功した人が、自伝を書くこともある。でも著者本人は、自分がなぜ成功したのかわからない場合が多い。だから自伝は「感謝しよう」「人に与えよう」「いまを生きよう」「大きな目標を持とう」等の差し障りのない成功法則であふれることになる。
これじゃ、小学生のときに唱えた標語となんら変わらないじゃないか?
たしかに、やるべきことをいくつも並べ立て、やり遂げることができれば、成功できるよ。でも、それができないから、困っているのである。」(P9)
「実を言うと、多くの成功法則は、成功者が自分にいい聞かせるものである」(P27)
「結局、成功者が述べる成功法則のなかには、成功した人がさらに成長するための法則が多いんだ」(P29)
こんな調子でスタートし、この本を超要約すると「目標は紙に書くと実現する」 この1点となる」(P46)
しかし、注意点がある。
「たいていの人は、自分がやりたいことを勘違いしているんだ。つまり、やりたくないにもかかわらず、やりたいと思い込んでいるんだ」(P49)
そして、「やりたいことを明確にするためには、『やりたくない』ことを明確にしなければならないんだ」(P50)
「つまり、『やりたくないこと』を明確化することによって、本当にやりたいことが見つかる」(P53)
という。
なぜ、目標を紙に書くと実現するかというと、それは、脳の構造によるとしている。
すなわち、ハードディスクの役割を持つ右脳を、目標、目的という検索エンジンをかけることにより、左脳に引っ張り出す。
脳の働きは大変なもので、目標、目的意識という潜在意識に向かってフル回転すると言っている。(P74~)
それだから、目標を紙に書き、始終眺め、潜在意識に焼き付けることにより、目標は叶うとしている。
私も、「そういうことって絶対ある」と思う。
そして続くどの章も本質をズバリとついているが、私が「まさにその通り」と思う点も紹介しておきたい。
「マーケティングとは『優良な見込み客を、営業マンの目の前に、連れて来る』こと。
それに対してセールスとは『その見込み客を、営業マンが成約すること』なんだ。
……効果的なセールスを行うためには、お客を説得するよりも、お客を見極めることがカギとなる。つまりマーケティングで集めてから、セールで切る、というのが原則だ。」(P163)
その他
「お金持ちは、お金自体が好きなわけ。」(P195)
(お金は)「余った分だけ使えばいいんだ」(P207)
「現在の『悪い面』か、将来の『いい面』かという二者択一の決断ではなく、『第三の道』を見出す。」(P229)
「行き詰まりというのは、どういう状態かといえば、将来に繋がる道筋が見えないときに起こる。だから、将来から遡って、現在につながる道を明らかにすることによって、行き詰まり状況はなくなっていくのである。」(P236)
さて、ここから感想を述べたい。
おそらくビジネス書を読む人にとっては、他人の成功体験との格闘といってもよいと思う。
自分も成功したいから、人の成功体験を参考にするためにその類の本を買う。
この本が書かれた2002年もそうであったが、ビジネス書を買う人は、「本当に成功者の本が役に立つのだろうか?」と思いつつも、その類の本を買うのである。このことは、いつの時代も変わらない。
そして読み終えたときも、参考になったような気もするし、そうでなかったような気もする。
つまり、実のところはわからないまま、それでも「きっと自分に役に立った」と自分を納得させて、また次の本を手に取るのである。
まったく不思議な現象である。
多分、ビジネス書を読むサラリーマンは、いつの時代も不安であり、こうした本を手に取ることにより、落ち着くのであろう。
だから、いつの時代も成功者の本は、あふれているのだろう。
しかし、この本はこの疑問点を、冒頭でバッサリと切り、そして、「成功者が語らなかった部分」に切れ込んでいくのである。
それが、この本を超訳すると、「目標を紙で書く」ことになる。
私は、この成功者が「語らなかった部分」というところが非常に重要な気がする。
余計なお世話かもしれないが、みなさんがこれからビジネス書を買おうとする場合、その中にこの「成功者が語らなかった部分があるか否か」が一つの選択のキーのような気がするのである。
実は、不思議なもので、この本は私の疑問点とまったく同じなのである。
『サラリーマンの本質 』の序章「不思議に思っていること」の書き出し部分を紹介したい。
1.「なぜサラリーマン向けの本の内容は、いつの時代も変わらないのか」
「私が不思議に思っていることは三つある。
一つ目は、サラリーマン向けの本は、時代と共に著者は替わっても、その内容、構成がほとんど変わっていないということだ。
一言で言えば、有名人や時の人の手による本が繰り返されて出版されている。
そのほとんどは、功成り名を遂げたその時代にマッチした経営者が著した本である。経済界の重鎮もいれば、若手の成功者もいる。 ………」
そして、『サラリーマンの本質』は、多分成功者が身に付けていたと思う処世術、技術、考え方を具体的に追い求めていく。
こう考えると、この『非常識な成功法則』も、成功者が語らない本質を追い求めていくことを趣旨としていると思うので、内容と表現方法は異なるが、出発点、展開方法はかなり似ているということになる。
ぜひ、そんなことを思い、この『非常識な成功法則』を読まれることをおすすめしたい。
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