10月異動はなぜ起きる? ー 異動者に有利か、不利か

2024.09.30更新

 

10月異動は3月決算の場合、期の途中での異動となる。規模も4月と比べ小さいはずだ。それにも拘わらず、異動した人はなぜ10月だったのだろう?

10月異動は異動者にとって、有利なのか。それとも不利なのか。

 

1.なぜ10月異動なのか?

なぜ10月異動となったのだろう?

 

それには、前職場の状況と、着任した職場の状況が大きく関係している。

 

4月の人事異動で、組織の長が交替したり、他の職員が異動した場合、組織の事情を知っている人を残さなければならない。

総入れ替えというわけにはいかないのだ。

それでは組織運営に支障をきたす。

 

そして、新体制で半年運営してみて、4月に異動させられなかった人を転出させる。

そんな背景が10月異動にはある。

 

 

受け入れ側に原因があることも多い。

 

組織に欠員が生じたり、現体制では運営が困難なとき、救世主を求めることがある。

そんな状況が受け入れ側にあった場合、4月異動しなかった人は元々異動候補者だったことから、下期のスタート月である10月に転出する。

 

10月異動は、4月異動の補完的要素もあるのだ。

 

 

10月異動は職場の状況を考慮した異動だ

2.10月異動した人は不利なのか?

まず挙げられるのは、10月異動した人は、職場の施策立案に立ち会っていないということだ。

 

施策は年度当初の4月に決められるからだ。

それゆえ施策の背景も経緯も知らない。

着任したときは、組織はひたすら施策の実行に走っている。

施策内容をよく咀嚼できないまま、職場の人に追いつかなければならない。

このことが、たいへんなのだ。

 

 

もう一つは、カレンダーとの戦いを余儀なくされるということだ。

10月着任ということは、年の瀬が迫っているということだ。

その先には、年度末がある。

年度末には評価を受けなければならない。

 

そんな中、自分は、まだ職場にも、職場の人にも、取引先にも馴染んでいない。

業務内容も理解したとは言い難い。

 

そんな焦りが10月異動者にはある。

 

 

走っている電車に飛び乗る感覚。それが10月異動

 

3.10月異動で有利なことは?

10月異動は、たいへんで、不利のように見えるが、そうとも言えない部分もある。

 

次年度のスタートを考えたとき、スタートを切りやすいのだ。

 

新年度、新たな職場で一からスタートというのもよいかもしれないが、10月異動者には6ヶ月間の蓄積がある。

半年間といえども、その意味は大きい。

職場の状況を知ったことから、新年度の施策が入りやすく、現実味を帯びてくるのだ。

その結果、よいスタートを、いち早く切れる。

 

 

じつは、私も2回、10月異動を経験した。

その際、実感したことがある。

前任者がともに優秀だったということだ。

2人とも重要な事案を担当していた。

 

2人は重要事案を担当し、組織運営上欠くことができないから、10月まで待ってもらったのだと思う。

 

 

10月異動にはそんな要素もあるのだ。

そして、そんな人が務めたポストは悪いはずはない。

 

重要なポストにつくチャンスも10月異動にはある。

 

綾小路 亜也

 

 

10月異動者は次年度好スタートを切れる

 

 

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