いい加減な「仕事の引継ぎ」を防ぐ3つのポイント

2023.03.16更新

 

いい加減な仕事の引継ぎにあわないために、気をつけたいことは何だろう?

それは、事実をハッキリさせること、事実にどう対応したかを書類で確認すること、人についての情報は鵜呑みにしないの3点だ。

この3点を疎かにすると、痛い目にあう。

 

 

 

引き継ぎを受けるときのポイント

1.事実をハッキリさせる

引き継ぎは前任者の「思い」を語る場でもある。

前任者は自分が苦労したことを話したいのだ。

そして、その「思い」で全体像を括ろうとする。

 

引き継ぎでは、とかくそんな前任者の「思い」が中心になる。

「思い」が中心となった引き継ぎは要注意だ。

 

それは前任者の気持ちにすぎない。

だから、引き継ぎでは、どこまでが事実なのか、どこからが前任者の気持ちなのか、峻別することが大事だ。

 

事実を疎かにすると、在任期間中、ずっと事実に基づかない前任者の「思い」に引っ張られる。

その結果、間違った判断を下してしまうのだ。

 

 

どこまでが事実なのか、どこからが気持ちなのか?

2.事実にどう対応したかを書類で確認する

事実と事実に対する前任者の思いを峻別したら、

事実に対し、どういう行動をとったか確認することが重要だ。

それを書類で確認するのだ。

 

書類が残っていれば、実際の行動がわかる。

書類が残っていなければ、それは口先だけの行動かもしれない。

行動がとられていないことだってある。

いい加減な引継ぎは、実際の行動が明らかになっていない、あるいは故意に隠した引継ぎだ。

 

引き継ぎで一番注意しなければならないのは、ごまかそうとする引継ぎだ。

それを書類の有無、書類の内容から見破るのだ。

 

特に注意したいのは、懸案事項の引継ぎだ。

その懸案事項を、今度は、あなたが解決しなければならない。

だから、どこからどこまでが事実か、前任者はその事実にどのような行動をとったか、書類で確認する必要がある。

その結果、懸案事項に対し手を打っていなかったということも、十分考えられる。

 

 

3.人についての情報は鵜呑みにしない

前任者の主観が一番現われるのは、人についての情報だ。

じつは、人についての情報は、前任者が語りたくて仕方がないのだ。

そこに自分の「思い」があるからだ。

また、上手く行かなかったことを、人のせいにしたいということもある。

 

だから、いい加減な引継ぎは、人についての情報ばかりということが多い。

 

ここでも、その人について、どんな「事実」があったのか、その「事実」をどう解釈したのか、確認することが重要だ。

「事実」を疎かにすると、あなたの在任期間中、ずっと間違った先入観を持ち続けることになる。

 

 

気をつけたいのは、部下についての情報だ。

過去の評価などの事実は受けとめるが、語られる人物評には注意が必要だ。

前任者の価値観に合わなかった、折り合いが悪かったということが十分に考えられるからだ。

 

会社社会では管理職が代わったことにより、蘇った部下は星の数ほどいる。

預かった部下を活かすには、部下についての情報を鵜呑みにしないことだ。

 

 

人についての情報はあてにならない

いい加減な引継ぎを受けたときは、上司にのみ「事実」を報告する

いい加減な引継ぎを受けて困ったときは、直属の上司にのみ、その「事実」を報告するのだ。

しかし、このことは意外に難しい。

いい加減な前任者のことを、職場の人に知ってもらおうと考えるからだ。

前任者のことを感情的に許せないのだ。

 

だが、よく考えてもらいたい。

あなたが新任地で前任者から引き継ぎを受けた場合、前任者と職場の人とは付き合いは長いはずだ。

前任者と親しかった人もきっといる。

そんな中で、前任者の悪口ばかり聞かされたら、職場の人はどう思うだろうか?

「今度来た人は……」ということになりかねない。

 

ここは、職場の人と前任者との人間関係がわかるまでは、

前任者が行った事実、あるいはやっていない事実のみを、あなたの直属の上司にのみ報告し、指示を仰いだ方がいい。

 

 

サラリーマン社会は複雑な社会だ。

前任者問題で悩んだ人が、前任者のリカバリーに努め、上司からも職場の人からも評価され、栄転した人は多い。

前任者がやったことを、つつがなく踏襲しようと思うのではなく、前任者を超えようと思ってもらいたい。

 

綾小路 亜也

 

 

 

関連記事:前任者のことを、周りの人に言わない方がよい理由は?

前任者の尻ぬぐいばかりしていても、あまり言わない方がいい訳

 

 

◆新百合ヶ丘総合研究所の出世四部作

出世四部作

 

 

こっそり読まれ続けています
ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!

ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!

本の目次

 

スマホで読む方法

 

 

出世するビジネスマナー
「出世しぐさ」のすすめ

「出世しぐさ」のすすめ

本の目次

 

「出世しぐさ」は商標登録されました。

 

 

エリート社員への対抗策!
エリート社員に打ち勝つ! あなただけの出世術

本の目次

 

 

ポストをつかむ!
コロナ後の「たった一つの出世の掟」

本の目次

 

 

 

◆新百合ヶ丘総合研究所のキャリアアップを実現する本のシリーズ

 

情報セキュリティ時代のビジネスマナー

 

なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか

 

企業で働く 営業女子が輝く35のヒント

 

印象アップに踏み切れない人が、ある日突然注目を浴びるハンコの押し方

 

 

◆メルマガ「出世塾」の情報
(まずは発刊内容をご欄ください)

https://shinyuri-souken.com/?p=28756

 

◆キャリア理論の本紹介
https://shinyuri-souken.com/?page_id=41933