2024.07.14更新
アナロジー(analogy)という言葉を最近よく聞きます。簡単に言うと「類推」するということです。
アナロジーの使い方を本の内容を参考に考えましょう。
他の事例にあてはめられないか?
最初に紹介する本は大前研一氏が書いた『新・仕事力』です。
『新・仕事力』
本のなかで、次のように使われています。
今は、ミシュランの星付きも含めて飲食店は軒並み危機的な状況に直面しているが、日本の料理人のイマジネーションや構想力とスキルがあれば、必ず生き残っていけるはずである。それは他の業種・業界にも共通するアナロジーなのだ。
次に紹介する本は前田裕二氏が書いた『メモの魔力』です。
『メモの魔力』
本のなかで、次のように説明しています。
アナロジーとは、一見無関係なものの間に何らかの共通点を見つけて、結びつける思考法です。身近で具体的な事例の特徴を探して、抽象化して、それをまた別の具体に当てはめるわけです。
アナロジーの意味については、もう前田氏の説明で十分でしょう。
大前氏は、日本の料理人のイマジネーションや構想力とスキルは他の分野にも応用できると言い、
前田氏は、ある事例から得た結果は、他の事例に当てはめることができるのではないか、そのためには具体的な事例から得たものを他に当てはめやすいように、抽象化する必要がある。
と言っています。
すなわち、アナロジーとは、一つのことを他に当てはめられないか考えることなのです。
このことを、アナロジー思考といいます。
「アナロジー」という言葉は使われていませんが、次の記述はどうでしょう?
2000年発行と少し古いですが、堀場製作所を設立した故堀場雅夫氏が書いた『仕事ができる人できない人 』(堀場雅夫 三笠書房)です。
著者は次のように言います。
私が言うゼネラリストとは、世間で考えられているような意味のものではない。一般的にスペシャリストは「狭く深く」、ゼネラリストは「広く浅く」といったイメージで解釈されているようだが、それは大きな誤解である。
ゼネラリストになるには、まず″一芸″に秀でることが大前提なのである。
つまり、ある分野でスペシャリストになり、そこで得た方法論をほかの分野にも活かして、そこでもスペシャリストになる。そうしてはじめて「広く深い」、本来の意味でのゼネラリストになることができるのだ。
企業で働くビジネスマン向けに書かれたものですが、
後段の「ある分野でスペシャリストになり、そこで得た方法論をほかの分野にも活かして、そこでもスペシャリストになる」は、
まさにアナロジー思考なのではないでしょうか。
当時は「アナロジー」という言葉を使う人はいませんでした。
しかし、その時代にもアナロジー思考を持つ人はいたのです。
世の中、とかく思考法が重視されます。
ロジカルシンキングといえば、ロジカルシンキング一辺倒に、アナロジーといえば、アナロジー思考一辺倒になります。
しかし、アナロジーには具体的な事例、経験したことが必要です。
それがあるから他への転用を考えることができるのです。
それゆえ、アナロジー思考に前のめりになることより、
今、取り組んでいることに全力で向かうということが大事なのです。
そのうえで、経験したことで得た強みを、他に活かせないか考える。
これが、ビジネスマンのアナロジーの使い方です。
綾小路 亜也
他のことに活かせないか?
でアナロジーを紹介しました。下記記事を参照ください。
エリートの弱点を突く!
本の目次スマホで読む方法
YouTubeでも紹介しています
◆新百合ヶ丘総合研究所の出世を現実につかむ本
こっそり読まれ続けています
ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!
出世するビジネスマナー
「出世しぐさ」のすすめ
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◆新百合ヶ丘総合研究所の出世四部作