2024.06.26更新
出世本を読むときのポイントは二つある。一つは、自分の立ち位置に本当に当てはまるかということだ。二つ目は、出世本から何を学ぶか、考えてみることだ。
自分の立ち位置に当てはまるか?
まず著者の経歴をチェックしてみる必要がある。
出世本の著者は大きく二つのグループに分かれる。
一つ目のグループは、多くのビジネスマン同様、実際の会社社会で出世をめざしてきた人だ。
代表的な著者は『働く君に贈る25の言葉』を書いた佐々木常夫氏だ。
承知のとおり、佐々木氏は大学卒業と同時に東レに入社し、東レのなかで出世をめざした。
著書『出世のすすめ』のなかに、そのことが書かれている。
もう一つのグループは、主に外資系企業やコンサルファーム出身者で、人事制度や評価制度設計を人事コンサルタントとして携わってきた人か、一般の企業とは異なる企業経歴をもつ人だ。
彼らは自らの「専門性」を武器にし、成功を収め、出世本の著者ともなった。
いまの出世本の書き手の主流となっている人たちと言える。
考えることは、どちらの本がよいとか悪いとかという話ではなく、どの本が自分の立ち位置に合っているかということだ。
実際の会社社会で出世をめざしてきた著書の本のなかでは、上司とどう向き合うのか、人とのめぐり逢いはどのように生まれるのか、自分を認識させるためにはどのような行動をとらなければならないのかに重点が置かれる。
著者自身が考えながら歩んだ道だからだ。
今いる組織の中で、上の地位をめざすならば参考になるに違いない。
一方、今の出世の概念は従来に比しかなり広くなっている。
自分の生き方、働き方とも密接に関わり、必ずしも、いまいる組織の中で上の地位につくことを意味するものではなくなった。
生き方、働き方を含め、いまいる組織の枠にこだわらず、出世を考えてみようという人には、人事コンサルタントが書いた本は参考になると思う。
また自分がマーケティング、財務といった職務で採用されており、その職務で上をめざすならば合っているかもしれない。
重要なことは、本に自分を合わせないことだ。
自分に本を合わせるのだ。
だから出世本を片っ端から読むことは、あまりおすすめできない。
次に、出世本から何を学ぶか、考えてみることだ。
おそらく知りたいことは、一般的な出世についての考え方、方法論ではないはずだ。
そんなことは、飽きるほどビジネス書に書かれている。
また、昇進・昇格の仕組みでもないはずだ。
会社ごとに異なるからだ。
そうすると、私たちが出世本から学ぼうとしているものは何かということになる。
じつは、この点が意外にぼやけているのだ。
出世本を読むとき、自分の立ち位置に完全に当てはまるものはないということを、まず理解しておく必要がある。
出世環境は、一人ひとり異なるからだ。
だから出世本で述べられていることは、あくまでも著者の見解ということになる。
だが、著者が遭遇したことを、どう捉え、どう行動したかは参考になる。
それは著者が経験したこととまったく同じことは起きないが、似たようなことは起きるからだ。
だから、そんなときに備え、自分ならどう捉え、どう行動するのかを、あらかじめ考えておくことが大事だ。
出世本の活用は、ここにあると思う。
このように考えると、出世の本質が見えてくる。
出世は、たえず個別具体的だということだ。
そのとき、そのときをどう捉え、どう行動するかが、出世の鍵を握っているということだ。
そんなことを考えて、自分の立ち位置に合った本を選んでもらいたい。
綾小路 亜也
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