2024.11.04更新
「優秀な上司の下では部下は育たない」と言われる。部下の仕事を待てないからだ。そんな上司に部下はついていけない。
それは「できる」と言われていることと関係がある。
なぜ「できる」と言われているのだろう?
それは、最適の方法、解にいち早くたどり着くからだ。
能力に加え、経験が有効に働いている。
だから、部下の仕事についても、とるべき方法や必要とする時間などがわかってしまう。
できる上司に仕えると、つらいのだ。
その結果、「何をもたもたやっているんだ」という感情を覚え、部下の仕事に口を出したり、自分でやってしまう。
部下に仕事を任せられないのだ。
たしかに自分が乗り出すと、仕事は上手く回る。
しかし、そんな上司に部下はついていけない。
そう、待てない人上司の根幹には、たえず「自分ならば」という基準があるのだ。
部下にも自分と同レベルの仕事のクオリティを求めているということだ。
じつは、このことが部下を潰す、クラッシャー上司の大きな特徴になっている。
できる上司には自分ならばという基準がある
しかし、「できる上司」が出世するとは限らない。
「できる上司」でも部下の仕事を待てる人が出世する。
このことはサラリーマン社会にいる人はみんな感覚的にわかっているはずだ。
しかし、その理由はよくわかっていない。
そんなことを述べているビジネス書にも巡り合わない。
その理由はいろいろありそうだ。
一つは、組織が大きくなったとき、部下の仕事にいちいち口を出すことが可能かということだ。
この点について、『ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!』では、次のように述べた。
上の地位に昇進するということは、自分の手ではなく、部下の手を借りなければならないことを意味する。
これが出世を成し遂げた姿なのである。
そして、上の地位に進めば進むほど、さまざまな部下を持つことになる。
それは、自分とは違ったタイプの部下を持つということであり、自分とは違った仕事の進め方をする部下も受けいれなければならないということである
すなわち、部下の仕事を待てない上司には、出世後の姿を思い描けないのだ。
今の出世では、出世後の姿が思い浮かべられるかが鍵
二つ目は、部下の感情の問題がある。
今の出世は昇進候補者の上の人の評価だけでは決まらない。
さまざまな人の意見を聞いて決められる。
そのなかで部下からの評価はきわめて大事だ。
部下は、「できる上司」の「できる」という部分は認めるが、人物を認めないということは多いにあり得る。
部下の仕事を待てない上司は、自分ではなかなか気づかないが、部下から評価が低いことが多い。
三つ目は、会社はそのじつ、成果より人物像を見ているからだ。
できる上司は最適の方法、解にいち早くたどり着く。
最適の方法、解にいち早くたどり着くということは、成果を出すことが得意だということだ。
本人自身もこの点を誰よりも意識している。
だが、日本の企業の多くは、社風に合った誰とでも上手くやれる人材を求めている。
成果は短期的だが、会社の視点は長期的なのだ。
そんな会社の視点を考えると、部下の仕事を待てない上司は、会社が思い描く人物像ではない可能性がある。
「できる上司」=出世する人にはならない理由をお話ししたが、「できる上司」が部下の仕事を待つということは非常に難しい。
「待つ」という動作ができるようになると、大きく出世に近づく。
綾小路 亜也
上司には「待つ」という動作が必要
関連記事:「できる人」からの脱皮が出世
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