私たちは、モノを買うとき、「〇〇なら△△」といった選択基準をもっている。
それなのに、自分の出世では、「〇〇なら私」といったことを考えない。
出世はポストをあてはめる作業の結果ということを忘れているのだ。
だが、「〇〇ならアイツ」と言われると、私たちはどうしても「専門性」を思い浮かべてしまい、「そんな専門性、自分にはない」と考えてしまう。
本当にそうだろうか?
仮に、私があなたに「〇〇ならアイツ」に相当するものをたずねたとしよう。
いまのあなたは「営業は得意だけど……」くらいにしか答えられないかもしれない。
そんな答えが返ってきたならば、私は「どこでの営業が得意なのか」とたずねたい。
あなたから「大阪での営業」という答えが返ってきたならば、「大阪で、どんな営業が得意だったのか」とたずねたい。
そこで、あなたから「大阪でのリテール営業」という答えが返ってくる。
そう、あなたは「営業が得意」なのではなく、「大阪でのリテール営業が得意」なのだ。
あなたが「大阪でのリテール営業が得意」と言うには必ず理由がある。
今度は、その理由をたずねたい。
あなたから「販売網開拓が得意で、新設した販売網から数字が出た」という答えが返ってきたとする。
どのような事実があったのかと、私はたずねたい。
あなたから「販売網を20店新設し、売上を1.3倍にした」という答えが返ってきたならば、
詰まるところ、あなたは「大阪でのリテール営業で、販売網を20店新設し、売上を1.3倍にした人」なのだ。
ここまで来ると、あなたがどういう人なのかハッキリわかる。
これが、あなたであり、そこにあなたの専門性がある。
あなたが業務部門にいるときも、同じような問いかけを行ってもらいたい。
あなたが「経費削減が得意だった」というならば、どのようなことで経費削減を成し遂げたかということだ。
取引業者との連携が上手かったかもしれないし、社内への協力要請が功を奏したということもあるかもしれない。
そしてどのくらいの効果をあげたのだろうか?
そんなことを自分に問いかけ、あなたをどんどん掘り下げていってもらいたい。
このように掘り下げていくと、あなたが、あなたのままで、出世できる。
いままでのあなたは、あなた自身を上手く表現できなかっただけであり、そのために出世に苦戦していたのかもしれない。
自分を表現できたあなたに対して、昇進を決める側のスタンスはガラリと変わるはずだ。
昇進を決める側からすれば、単に「営業が得意だ」と言われても、具体的行動に移れない。
それが、あなたに「大阪でのリテール営業で、販売網を20店新設し、売上を1.3倍にした」というフラッグが立っていれば、思わず、現在大阪でリテール部門の責任者に就いている人の在籍期間や店の状況を見たくなるものだ。
その結果、「もう三年経つのか。営業成績もパッとしないな。替えてみようか」といったことが生まれる。
その後任には、もちろんあなたを想定している。
これがポストに就くということだ。
つまり出世である。
コロナ後、「専門性」という言葉が、本などによく登場するようになった。
しかし、「専門性」の中身が示されないで、言葉だけ、ひとり歩きしているような気がする。
一般の人は「専門性」という言葉から、ICT(情報通信技術)や特殊な技能を連想する。
そのため、自分と「専門性」が結びつかず、いまの仕事のなかに「専門性」があることに気づかない。
それでは、あまりにもったいない。「専門性」への誘導の仕方も間違っているのではないかと思う。
「専門性」は、いまの仕事のなかに必ず存在する。
綾小路 亜也
「○○ならアイツ」と言われるには、自分への掘り下げが必要 から抜粋
エリートの弱点を突く!
本の目次スマホで読む方法
YouTubeでも紹介しています
◆新百合ヶ丘総合研究所の出世を現実につかむ本
こっそり読まれ続けています
ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!
出世するビジネスマナー
「出世しぐさ」のすすめ
※「出世しぐさ」は商標登録されました。
新しい出世術
コロナ後の「たった一つの出世の掟」
◆新百合ヶ丘総合研究所のキャリアアップを実現する本のシリーズ
印象アップに踏み切れない人が、ある日突然注目を浴びるハンコの押し方
◆メルマガ「出世塾」の情報
(まずは発刊内容をご覧ください)
https://shinyuri-souken.com/?p=28756
◆キャリア理論の本紹介
https://shinyuri-souken.com/?page_id=41933
出世は「構え方」で決まります
◆新百合ヶ丘総合研究所の出世四部作