2024.11.04更新
「ビジネスでは言い切った方がいい」と教わったことないですか? 言い切る人は自信がある、仕事ができると思われてきたのです。
しかし今は、「言い切らなければ信じてもらえない」という言い切る人の心理が読まれています。
「言い切る」ことで、かえって根拠のなさを見透かされるようになったのです。
「言い切る」には、二つの意味があります。
一つは、最後まで全部言うことです。つまり言い終えることです。
もう一つは、きっぱりと言うことです。断言するということになります。(「デジタル大辞泉」参照)
言い切ることを躊躇う人は、断言することに抵抗感があるのです。
言い切れるかどうかは本来は情報の正確さの問題です。
このことについて、参考となる本があります。
伝える力研究所所長の山口拓朗氏が書いた
『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』です。
著者はさまざまな語尾例を紹介していますが、代表的な例は、
「株価の影響です」(断定)
「株価の影響だと思われます」(客観を重んじた推測)
「株価の影響だと思います」(主観を重んじた推量)
です。
著者が記したカッコ書き部分、断定、推測、推量に注目してください。
語尾に情報へのつかみ方が表れています。
つまり、「伝える情報が、断定できるレベルなのか、推量レベルなのか、個人的な判断なのか」ということです。
著者は次のように言います。
「むやみやたらと断定ばかりする人は観察力や分析力が弱いのかもしれません。
あるいは、断定することで『仕事ができる人』と思われようとしているのかもしれません。
一方、断定を用いず婉曲的な表現ばかりしている人は、心の奥に『仕事の責任を取りたくない』のような気持ちが潜んでいるかもしれません」
この記述あたっていませんか!
上の文の語尾にも注目してください。
三文とも、「かもしれない」で結んでいます。
ここに著者の情報に対するつかみ方が表れています。
つまり、事実は自分にはわからないが、そんな可能性があるということを、
著者は「かもしれない」で表しています。
けっして断定的な表現をしていないのです。
このように、言い切った方がよいのか、そうでないかは、事実に基づいて判断するのです。
重要なことは、その言葉の情報が正確かどうかということです。
ここに観点を置けば、「~と思います」という表現もあまり気にならなくなります。
私からのアドバイスも送っておきます。
一つは、「言い切る」の一つ目の意味 ー 「最後まで全部言う。言い終える」を大事にするということです。
特に「~と思います」というときは、語尾が消えるようになったり、弱くなったりします。
「~と思います」は自分の情報に対する判断なので、自信をもって、最後まで言い終えることです。
そうすると、語尾の弱さの問題も解決します。
もう一つは、「~と思います」を最後に言うのに抵抗感があるときは、
最初に「私が思うに……」「私が考えるに……」と言ってしまうことです。
すると、その後は言い切り型になります。
相手の受けとめ方も、だいぶ変わります。
いままで、「言い切った」者勝ちといった要素はたしかにありました。
それゆえ、ビジネスパーソンは言い切った方がよいのか、どうなのか、悩んだのです。
しかし、今は情報を適切に処理しているかどうか見られています。
言い切る力など必要ないのかもしれません。
綾小路 亜也
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