プライバシーに踏み込むのは、初対面で親しくなろうと思うとき

2024.04.24更新

 

初対面の人との会話で、親しくなろうと思うと、
いただいた名刺から話のキッカケを作ろうとしたり、
自分との共通点を探ろうと、相手に質問する。

そんな質問の多くはプライバシーに踏み込んでいる。

 

初対面の人との会話では、どんなことに気をつけなければならないのか?

 

名刺交換が終わった場面から見ていこう。

 

名刺交換のあと、いただいた名刺を見て話の糸口を見つけることをすすめているビジネスマナーの本は多い。

 

相手の肩書や氏名を確認したあと、

珍しい名字や読みにくい名前があれば「なんとお読みするのでしょうか」とたずねるほか、

名刺のデザインやロゴの感想を述べたりすることにより、話のキッカケをつかもうとする。

 

このようなことを聞いたり感想を述べたりすると、相手は必ず答えてくれる。


もちろん氏名の読み方を教えてくれるし、会社のロゴを作り直した経緯などを話してくれる。

またその周辺のことにも触れてくれ、逆にこちらに質問を投げかけてくれることもある。


まさに話の糸口がつかめたことになるが、たいがいはここら辺で話が終わってしまう。

 

 

 

問題はここからだ。

ビジネスマナーの本のなかには、ここから一歩踏み込み、

「〇〇様という名字の方に初めてお目にかかりました。ご出身はどちらでいらっしゃいますか?」

「次郎様ということはお兄様がいらっしゃるのですか?」

などと続けるのもよいと述べている本もある。

 

ここで、プライバシーに踏み込んでしまうのだ。

 

 

 

もちろん、このような質問にも「出身は〇〇県です」「そう、兄がいるんです」と答えてくれる人は多いとは思う。

 

しかし、その質問に嫌な思いをする人もいるかもしれない。


たとえば最愛のお兄さんを亡くしていたり、反対にお兄さんをよく思っていなかったとき、お兄さんに関する質問に不快を覚えたり、傷つく人がいるかもしれない。

 

これがプライバシーなのだ。

 

そんな人にとって、その話題は、プライバシー権の基礎概念のとおり「放っておいてもらいたい」のだ。

 

この「放っておいてもらいたい」ことは人それぞれ違う。

 

だからこそ、人を不快にさせたり、傷つけるおそれがある質問をしてはいけないのだ。

 

 

ここで紹介した質問にはそれほどの意図はなかったと思う。

単に名刺に記載されていることから話を広げ、親しくなろうと考えたのだと思う。

それだけにつらいのだ。

その質問は、とても初対面の人にする質問ではなかったのだ。

 

 

また、親しくなろうとする思いが強いと、共通点を探るといった動きも出てくる。

 

相手と共通点があるとグッと距離感が縮まるからである。

このことは多くの本で言われている。

 

すると、「お住まいはどちらですか?」「出身地はどこですか?」「趣味は何ですか?」「出身校はどこですか?」という質問が飛び出す。

 

そのことを放っておいてもらいたいと思う人はきっといるはずだ。

 

このような質問は、いずれも親しくなろうと思って出た質問だ。

初対面から親しくなろうと思うと、プライバシーに踏み込む質問が出てしまうのだ。

 

 

親しくなろうと思うと、共通点を探る質問が出る

 

どうしたらよいのだろうか?

 

初対面の人との会話では、こちらからは、いただいた名刺をもとに、会社のこと、部署のこと、仕事のことに徹したほうがよい

 

ビジネスを軸にしている限り、プライバシーに踏み込むことはないからである。

 

これが初対面の人との会話の王道だ。

 

正直、会社のこと、部署のこと、仕事のことで会話を続けるのはキツイ。

慣れていないからだ。

雑談力ばかりを重視してきたツケが回ってきたとも言える。

しかし頑張ってもらいたいのだ。

 

そうは言っても、会社や仕事の話ばかりではあまりにも味気なく、それでは親しくなれないと思う人は多いはずだ。

では、親しくなるということはどういうことだろう?

 

仮にプライバシーの領域に踏み込み、話が弾んだとしても、それは話が弾んだということであり、親しくなったわけではない。

 

もちろん話が弾むと、打ち解けたような感じがしホッとする。

そのことで次回訪問しやすくなる。

だが、それは自分の満足なのだ。

相手がどう考えているかは別問題である。

ここがポイントだ。

 

一般的には、最初から出身地や家族のこと、趣味などを聞いてくる人を、

「妙に突っ込んでくる人」「変な人」と思うはずだ。

 

つまり初対面の印象はきわめて悪いということだ。

 

 

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親しくなるためには時間が必要であり、その人との信頼関係の構築も必要だ。

こうしたことを私たちは知っているはずだ。

実際にそのようにして親しい人ができた。

 

最初から気が合った人がいたかもしれないが、それでも親しくなるためには時間を要し、親しくなるための条件をいろいろクリアーしていったのではないだろうか。

 

そう考えると、最初から親しくなろうと思うこと自体、少し無理な発想かもしれない。

併せて、ビジネスの関係で親しくなるとはどういうことかについても考えてもらいたい。

 

必ずビジネスをベースにしているはずである。

 

綾小路 亜也

 

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※情報セキュリティ時代のビジネスマナーのポイント 

 

①初対面の場では、会社や仕事の話を軸にし、その枠組みからはずれない

 

②ビジネスで親しくなるとはどういうことか考える

 

 

その質問は、プライバシーの領域

 

 

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会話を続けようと思うと、プライベートな質問に飛ぶ ー その訳は?

 

 

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