「言葉で損している人」にオススメ:『好かれる人が絶対しないモノの言い方』

「言葉で損をしている人」にオススメの一冊だ。

著者は「どういう気持ちで言葉を発しているかは本人にしかわからない」と言う。

だが、その気持ちが、言葉足らずか表現がまずいために誤解を生む。

どんな場合に、そんな誤解が生まれるのだろうか? それをこの本は示している。

 

じつは、キャリアップが上手くいかない人も、言葉で損をしていることが多い。

しかし、本人には自覚がないのだ。

著者も「モノの言い方はキャリアアップに直結する」と述べている。

キャリアアップの観点からも、この本を取り上げた次第だ。

 

著者はテレビ朝日のアナウンサーを務め、現在セミナー講師としてご活躍されている渡辺由佳氏である。

 

 

好かれる人が絶対しないモノの言い方

 

みなさんに参考となる箇所を紹介しておきたい。

 

■親しい間柄でも「予定があるから無理」と断らない

「今日、ランチを一緒に食べない?」と誘われたとき、

「今日はちょっと忙しいから無理!」と答えた場合と、「ごめん、急ぎの仕事がまだ終わらなくて!」と答えた場合、誘った人にどう映るだろうか?

 

著者はもちろん後者をすすめているが、自分に非があるような言い方で、相手を立てつつ断るのもひとつのテクニックと述べている。

 

■「ナイーブ」の意味はプラス? マイナス?

「あなたってナイーブだよね」と言われると、プラスの意味で言われているのか、マイナスの意味で言われているのか、わからない。

言われたほうは考えてしまうだろう。このような例は実際多い。

プラスの意味で言ったのなら「あなたのナイーブで繊細なところがいいなと思う」と最後までいったほうがいい。

 

■「言葉が足りず失礼しました」は謝罪にならない

失礼なことを言ってしまい相手が気分を害したときに、謝罪のつもりで言っていないだろうか?

 

「言葉が足りず失礼しました」は、「私は間違っていない。ただ言い方がちょっと悪かっただけ」といったニュアンスになる。

自分の想いが至らなかったことや配慮がたりなかったときは、「考えの足りないことを申し上げました」と謝罪する。

 

ビジネスの世界では、謝罪した際に、言葉のつかい方が悪かったために火に油を注ぐことがよくある。この例は代表的な例である。

 

■「わざわざ」はつかわないほうが賢明

「本日はわざわざお越しいただき、ありがとうございます」と言っていませんか?

 

この言葉を聞くと、「来てくれなくてもいいのに」「電話で済ませてくれればいいのに」といったニュアンスで受けとる人もいる。

 

じつは、私もそう感じたことがある一人である。

「わざわざ」は「何かのついでではなく、労力を惜しまないで特にそのためだけにするさま」(三省堂大辞林)という意味だから、この言葉をつかった人は、お越しいただいたことに感謝の気持ちで言ったことになるが、なぜか皮肉のようなものを感じたことがある。

また、「わざわざ」という言葉が耳に残ると、「こっちも忙しいんだよね」といったニュアンスに聞こえたこともある。

言葉のつかい方としては、まったく正しいにもかかわらず、不思議な言葉だ。

だから、著書はつかわないほうが賢明と言っている。

 

■間違いはダイレクトに伝えない

人が書いた文書を見ていると、「あっ、間違いだ!」と思う箇所にぶつかる。

そのことを指摘すると、その人から「どうもありがとう」と言われる。

しかし、間違いに至る要因はいろいろありそうだ。また、指摘された人の心情的なものもある。

こんなときは、著者が言うように「ご確認いただけますか?」とオブラートに包んだほうがいい。

 

私もこのことをビジネスのなかで学んだ。

私の経験からすれば、人の間違いを指摘するときは、本当に間違いか何度も確認したほうがいい。

漢字や言葉づかいの間違いと思われるときは、念のために辞書で確認する。

数字についても、なぜその数字になるのか確認する。

確認した結果、間違いではなかったということもあるからだ。

 

■期限つきのお願いは、目標設定をやわらげる

社外の人にメールで依頼する場合だ。

そんなとき、「頃」「~をめどに」などをつけ、期限の設定をやわれげる言葉を入れる。

 

「〇月〇日」までと日付を設定されると、「自分の都合ばかり言って!」とカチンとくることがあるからだ。このことは私たちも経験している。

 

■相手のミスは「私も悪かった」というニュアンスに

「お互いさま」の気持ちで向き合う

「私もあのときよく確認しておけばよかったです」「私のほうこそもっと早くに気づくべきでした」などと言えないだろうか?

 

相手のミスで問題が起きたとき、どんな発言をするかで、その人の人格が浮き彫りになるからである。

 

■反対意見は「いかがでしょうか?」でやわらげる

反対意見を言う場合の心得については、さまざまな本で述べられているが、著者が示した次の例がいままで見てきたなかで、最もすぐれているのではないかと思う。ぜひ参考にしていただきたい。

 

「いまのご提案は〇〇の点ですばらしいと思います。一方で、コストパフォーマンスを考えると、こちらのやり方もあると思うのですが、いかがでしょうか?」

 

■上司が聞く耳を持つ「お知恵を拝借したい」

「課長のお知恵を拝借したいことがあるのですが」

 

上司はあなたが自分を頼ってくれることを感じ、「そうかそうか!」と100%ウエルカムな姿勢になる。
著者は、この言い方は「自分で解決します」という意志も感じられるという。

 

私は、「『アドバイスをお願いします」と言われると、なぜ嬉しくなるのか?」といった記事を書いたことがある。同趣旨である。

(参考)https://shinyuri-souken.com/?p=52182

 

■大人のボキャブラリーが人間関係をスムーズにする

「〇〇さんのことをご紹介いただけないでしょうか」ではなく、「〇〇さんにお引き合わせ願えませんでしょうか」と言うと、ワンランク上の「できる人」という印象を与える。

 

 

いかがでしたか?

本の内容の抜粋でしたが、モノの言い方の良し悪しがおわかりになったかと思います。

モノの言い方が悪いと、相手を不快にさせるだけでなく、自分への誤解を生み自分も損するのです。

たしかにキャリアアップにも影響しそうですよね。

 

 

 

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2019年12月31日 | カテゴリー :