昇進しなかったという転機

シュロスバーグは「予期していた転機」「予期していなかった転機」に加え、「期待していたことが起きなかったこと」も転機の一つとしている。
そのような転機は表沙汰にならず、他の人は気づかないと言う。
この言葉にスパッとはまるビジネスマンやビジネスウーマンは多いと思う。
「期待していたことが起きなかった転機」-それには試験に合格しなかった、転勤しなかったということもあるが、いちばん思い浮かぶのは昇進しなかったときのことではないだろうか。

 

昇進しなかったということは、出来事としては起こらなかったわけだから、当人が心の内で悔しさをかみしめていても人は知らない。
また、そんなことを人に話さないから、余計に人はわからない。
まさにシュロスバーグが言うように、知られない転機なのだ。

 

知られない転機は、知られている転機と何が違うのだろうか?
それは、人からアドバイスや励ましをもらえないということである。
サラリーマン社会では、よく、昇進が決まった部下に上司が自分の経験談を懇々と話している光景を目にする。
上司もそんな経験を持っているから、アドバイスする。
また、他の人も、昇進するという意味をわかっているから励ますのだ。

 

だが、表に現れなかった転機は、人に知られる転機ではないからアドバイスや励ましを受けられない。
それは何を意味するのだろうか。
この転機をどうとらえ、対処するかは自分で考えなくてはならないということである。
だから、昇進しなかった転機は重いのである。

 

それでは、自分一人で対処法を考えなければならないとしたら、何を考えなければならないのだろうか?
シュロスバーグは転機を乗り越えるためには、4つのリソース(①状況 ②自分自身 ③支え ④戦略)を点検しろと言う。
ちょっとわかりにくいかもしれないが、要は、自分の強みと弱みを分析し、強みを活かしながら弱みを補強するー態勢を整えるということである。

 

再起を期す人にはつらい点検に違いないが、このような点検には意味があり、のちのち利いてくる。
それは、点検の過程で、昇進できなかった理由に自分なりに思い当たるからである。
このことは同じような状況が起きることを防ぐ。
また、そんな点検を経て、自分の弱みを克服していき実力を蓄積できる。

 

じつは、昇進しなかったという苦渋を経験した人のほうが、のちのち、早く昇進した人よりも順調な道のりを歩むことが多くある。
それは、こうした点検を行い、実力を蓄えた結果ではないかと思う。
いわば、こうした人たちは、昇進しなかったという転機を活かしたことになる。
一方、早く昇進したのに潰れてしまった人も多くいる。
この人たちには、喜ばしい転機だったのに、その転機が結果としてマイナスに働いたのだ。
その多くは、実力が不十分なのに昇進してしまった場合だ。
自分の実力がよくわからないまま、昇進だけが先行してしまった結果とも言える。
この人たちは、昇進した時点では運がいいと思われていたが、のちに考えると、その昇進はかえって運が悪かったことになる。

 

そう考えると、転機自体に重要な意味はあるが、その転機はプラスにもマイナスにも働くことがわかる。
転機を迎えたときの、身構え、点検、補強といったものがより重要なのだ。
それを、自分自身が行うというところがポイントである。

 

 

私はビジネス社会にあって、期待していたことが起きなかった人をたくさん見てきた。
そんな人たちを見て、昇進についていえば、私が下した究極の結論はタイミングだった。
出世で苦戦した人は、どこか、タイミングを「合わせる」「引き寄せる」「早める」「逃さない」という4つの動作が不完全なのだ。
(参考 拙著『ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!』
シュロスバーグの4つのリソース、私が下した結論を参考にしながら、みなさん自身もありとあらゆる角度から点検を行ってもらいたい。
点検を行えば行うほど補強する部分がわかってくる。ということは、転機を活かすほうに確実に舵を切る。
また、そんな点検を行っているうちに、自分の行く手は自分がハンドリングしていることに気づく。この実感こそが大事だと思う。

 

 

(参考)記事:「シュロスバーグの転機を乗り越える方法」
https://shinyuri-souken.com/?p=56100

 

 

 

 

 

 

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