2024.11.27更新
「自分の言葉」って何でしょう? というのは、私たちが語る言葉のほとんどは、借り物の言葉だからです。そこには自分独自の情報がありません。
ブログにも、「常識にとらわれない」「正義を振りかざさない」「アウトプット力を高める」といった、借り物の言葉がずらりと並びます。
これらの言葉は、ブログを書いた人が生み出した言葉ではありません。
つまり自分の言葉ではないのです。
借り物の言葉に人は動きません。
映画『ザ・ワーズ 盗まれた人生』のなかで、小説を盗作された老人は、盗作した作家に向かって、「言葉を奪うなら、苦しみを背負え!」と叫びます。
「苦しみ」は小説を書いた老人の苦しみであり、苦しみが言葉を生み、言葉が文章に、文章が小説になったのです。
言葉にはその人が経験したことが詰まっています。
その人が歩んだ人生そのものといえます。
だから、借り物の言葉をいくら使っても、そこには自分の経験がありません。
自分の経験に裏打ちされていない言葉を使っても、自分を表現したことにはならないのです。
自分の言葉で話したことにならないということです。
画像はAmazonからお借りしました。
とはいうものの、自分の言葉で話すことはなかなか難しいことです。
ほとんどのビジネスマンは、「構造改革」「イノベーション」「常識にとらわれない発想」「アウトプット」などの言葉を使うことに満足し、そこで終わってしまいます。
自分の言葉を、自分が気づいたこと、わかったこと、知ったことを表現するに言い換えてもよいと思います。
仕事を進めてみて、顧客対応をして、こんなことに気づいた、わかったでかまいません。
それを表現してみることが大事です。
『コロナ後の「たった一つの出世の掟」』では、次のような表現を例に挙げました。
「この商品説明に顧客はいつも怪訝(けげん)な顔をする」
「いまのやり方にもどかしくなる」
言葉自体はすでに存在していますが、「怪訝な顔」には、怪訝な顔を見た自分がいます。
「顧客は疑わしい視線を送る」といった表現でもかまいません。
その視線を感じたのは、自分だからです。
「もどかしくなる」もそこにはやってみて歯がゆくなった自分がいます。
体験に基づいた言葉といえます。
体験に基づく言葉には情報がある
ところが、私たちはここを、「顧客の理解を得られない」「いまのやり方は非効率」といった表現をしてしまいます。
その方が洗練された表現かもしれませんが、そんな表現をすると前に進まなくなります。
具体的な解決策に結びつかなくなるのです。
「怪訝な顔」なら、「本当なの?」「怪しいよね」と顧客が思っていることが伝わります。
すると、どこを訝しく思ったのかと前に進めます。
同様に、「もどかしい」と表現されていたならば、イライラした気持ちになったことが伝わります。
そうすると、「どこにイライラしたのか」と前に進めます。
自分の言葉には体験した情報があり、借り物の言葉には体験に基づく情報がないのです。
情報がない言葉では、前に進むことができません。
私は会社社会のなかで出世した人を見てきました。
エリートと呼ばれる人も出世しましたが、現場から抜擢された人も多くいました。
現場から抜擢された人には特徴がありました。
現場の状況を自分の言葉で話せる人だったということです。
そこには会社や上の人が知りたい情報がありました。
会社は情報を持っている人を抜擢したのです。
綾小路 亜也
借り物でない自分の言葉には情報がある から要約
自分の体験が織り込まれた言葉か?
関連記事:エリート社員への対抗策として「自分の言葉」が必要
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