2024.08.14更新
上司や目上の人に反論する時、「お言葉を返すようですが」と前置きするのがマナーと思っている人は多い。
しかしその意味はキツイ。失礼になることも。
キツイひと言?
「言葉を返す」とは、相手の言うことに従わず、口答えをする」ことだからだ。
ここで、「えっ」と驚く人はきっと多くいる。
だから「言葉」の前に「お」を付け、「ようですが」と柔らかくしても、言葉の本質は変わらない。
その証拠に、次に出る言葉は相手が言ったことへの否定だ。
つまり、「お言葉を返すようですが」は、強い打ち消し表現なのだ。
それを控え目な表現と勘違いしている人は多い。
「お言葉を返すようですが」は否定の言葉
ここで、あるビジネスマンの失敗例を紹介しておきたい。
あるビジネスマンとは私だ。
私はそのとき、地方都市の支店長をしていた。
そこに本社役員がある提案をもって訪ねてきた。
商品の売り方に対する提案だった。
話を聞いた途端、現実離れしていることがわかった。
その時、私の口から出た言葉は「お言葉を返すようですが」だった。
そこから私の反論が始まった。
反論を終えた後、沈黙の時が流れた。
よかれと思ってわざわざ訪ねてくれた役員と、のっけから提案を受け付けない私。
そこから微妙な関係が始まった。
今にして思えば、サラリーマン人生の転機の瞬間だったかもしれない。
なぜ、私はその言葉を使ってしまったのだろうか?
提案が現実離れしているということもあったが、「お言葉を返すようですが」は、私の言葉のレパートリーに入っていたからだ。
レパートリーに入っている言葉は、自然に出てしまうのだ。
注意しなければならないことは、多くのビジネスマンは、私同様、「お言葉を返すようですが」が言葉のレパートリーに入っているということだ。
だから、ついこの言葉が出てしまう。
しかし、この言葉の意味は述べてきたとおりだ。
この言葉を発する前に、使ってよい言葉か、ちょっと考えなければならないのだ。
言葉のレパートリーに入っている
「お言葉を返すようですが」の言い換え例は、ネットで多く紹介されている。
しかし、どんなに言い換えても、反論前提の言い換えになっている。
結局は「お言葉を返すようですが」とあまり変わらないのだ。
いっそのこと、肯定から始めてみたらどうだろうか?
たとえば、
「おっしゃることはよくわかります」
「その通りだと思います」
といった具合だ。
この言葉を言ってから、少し間を置き、自分の意見を話すのだ。
すると、否定感もだいぶ薄れる。
聞く耳も持つ。
「お言葉を返すようですが」は、否定を表明した言葉だ。
言われた方からすれば、自分の意見や考えを、最初から否定されたということである。
この言葉はぐさりと刺さる。
ぐさりと刺されば、しこりも残るのだ。
綾小路 亜也
肯定から入ると違った展開に
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