名刺を切らして謝るのはどんな場合か?

ビジネスマナーの本には、「訪問してから名刺切れに気づいたら、丁寧に謝り、会社名と肩書、名前を名乗る」と書かれている。
その通りかもしれないが、考えてみれば、わざわざ訪問したのに名刺入れの中に名刺が入っていないということは、通常は考えにくいのではないだろうか?
もし、そんなケースがあるとしたら、その会社を訪問する前に、別の会社を訪問し名刺を使い果たしてしまった場合だ。
だが、そんなときはアポを入れている場合を除いては、次の訪問先に向かわないはずだ。
そうすると、「名刺を切らしてしまい、申し訳ございません」と言うケースはどんな場合なのだろうか?

 

それは、実際に、名刺を切らしてしまった人か、名刺を切らした人を見た人でないとわからない。
いちばん多いケースは、相手に同席者がいた場合や、「ウチのメンバーを紹介します」などと複数の人の紹介を受けたときだ。
順に名刺交換をしていくうちに、何人目かの人のときに手持ちの名刺が尽きてしまう。
この現象は、運動会の玉入れ競争のとき、勝敗を決定するために、「一つ、二つ」と網に入った玉を外に放り出していくうちに、放り出す玉がなくなってしまう瞬間と似ている。
このとき! 「名刺を切らしてしまい、申し訳ございません」という言葉を言うのだ。

 

つまり、相手の人数を予期していなかったとき、あるいは安易に考えていたとき、名刺切れが起きる。
同じようなことは、パーティーの席などでも起きる。
「このくらい持っていれば足りるだろう」とだいたいの目安で名刺を名刺入れに入れたものの、同じテーブルの人、紹介を受けた人……と名刺を交わしていくうちに、予想外に名刺を使ってしまい、名刺が尽きてしまう。
そんなときは、皮肉にも、名刺交換をしておきたいと思った人のところで起きる。

 

 

そんな名刺切れが起きないように、ビジネスマナーの本は、「出かける前の名刺枚数のチェック、帰社してからの名刺の補充の習慣をつける。念のため、名刺入れを2つ持つ」と述べている。
まったくその通りと思うが、私は、ビジネスマンやビジネスウーマンは、出かける前に、今日一日必要と思われる名刺の「読み」を行ってもらいたいと思う。

 

それは、「出かける前の名刺枚数のチェック」は正しいものの、名刺枚数のチェックと実際に使う名刺の枚数は異なるからだ。
また、「名刺枚数のチェック」という漠然とした意識だと、そのうち、必ず「こんなものでいいだろう」とアバウトになり、さらに、「まだ入っているだろう」と実際の確認さえ行わなくなってくる。だから、名刺切れが起きるのだ。

 

もう一つ、名刺の「読み」を行ってもらいたい理由がある。
ビジネスで「できる人」と呼ばれている人、あるいは要職に就いている人は、訪問前に、訪問先での展開を考えて名刺枚数の確認を行っているからだ。
誰が出てくるのか。部長か課長か、代理クラスも同席するか。役員は顔を見せるだろうか? 話が上手く進んだ場合は役員にも挨拶しようか。もし、訪問した相手が不在だった場合は、誰と誰に名刺を置けばよいのか……。
じつは、訪問前のこの「読み」が、訪問を意味あるものとしている。

 

 

いま、ビジネスマナーは大きな転機を迎えようとしている。
ビジネスマナーの本や講師の方がお話になられていることと、現実の世界とのズレを一般の人がネットなどで指摘する時代になっている。
名刺切れを防ぐ方法についても、そのこと自体正しいものの、読者からすれば当たり前の対応に映るかもしれない。そんなことから、「もしかして、実際に名刺切れの瞬間を見ていないのでは」と思う読者もいるかもしれない。
ビジネスマナーの世界も他の分野と同様に、「なぜ、そのようなことが起きてしまうのか」という原因分析が必要になってきている。

 

 

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