2024.07.29更新
「勉強になりました」を、嫌味に感じる人、皮肉っぽく受け取る人は多くいます。そもそも目上の人に使う言葉でしょうか?
「勉強になりました」は「何が」が示されていないと誤解を生み、上司や目上の人に失礼な言葉になってしまいます。
「大変勉強になりました」は、「何が」「そんなに」勉強になったかを言わないと、失礼な言葉になってしまします。
先日、「勉強になりました」を連発するビジネスマンに出会いました。
あるパーティー会場で、そのビジネスマンは出席者に話しかけ、話が終わると「大変勉強になりました」と言って立ち去り、次なる話し手を求めたのです。
そこでも、また「大変勉強になりました」と言っていました。
そんなビジネスマンの姿に、みんな呆気にとられていました。
なぜそのビジネスマンは「勉強になりました」を連発したのでしょう?
お気に入りの言葉だったということもありますが、
「勉強になりました」は、使いやすい言葉だからです。
じつは、ここに「勉強しました」という言葉の秘密が隠されています。
それは、詳細まで語る必要がない言葉だということです。
しかし、言われた方にしてみれば、
ひと言で片づけられてしまった感覚になります。
それが「〇〇について、大変勉強になりました」と言われれば、気を悪くする人はいません。
「何が勉強になったか」ということが述べられないと、
体よく片づけられてしまったような感覚になるのです。
「○○について」が言えなくても、「お話しよくわかりました」「役に立つ情報ありがとうございました」とでも言えば、悪感情を抱く人はいません。
単に「勉強になりました」という言われると、カチンと来るのです。
じつは、ムカつく相手に「勉強になります」という言葉で返す例が、
今蔵ゆかりさんが書いた
『自分も幸せ 周りも幸せ 上機嫌に働く67のコツ』に載っていました。
そこでは、
「私ならそんなやり方絶対にしないわ」と言うむかつく相手に、
たったひと言、「勉強になります」で返したのです。
「参考になった」と微塵も思っていないことが、伝わってきますよね。
意図的に、皮肉を込めて、この言葉を使ったのです。
ここまで来ると、「勉強になりました」が皮肉に映ることが、よくわかったと思います。
「何が」が示されないと、ひと言で片づけられた感覚に
私たちは冒頭に紹介したビジネスマンのことを笑ってはいられません。
「勉強になりました」は言いやすく、使いやすい言葉ですから、
上司や目上の人との会話で使っているビジネスマンも多くいます。
この言葉を使える自分に満足し、上司も喜ぶものだと思っているのです。
これが「勉強になりました」を口癖にしている人の心理なのです。
この言葉を聞いて、上司や目上の人は喜ぶでしょうか?
率直な感想を聞きたいのではないでしょうか。
たとえば、
「話をおうかがいして、わかりました! この部分が大事なのですね」
「いままでモヤモヤしていた原因がわかりました」
「明日から、早速、取り入れてみます」
といった言葉です。
そこには、「勉強になりました」という言葉はありません。
そんなことを考えると、「勉強になります」は上司や目上の人に失礼な言葉なのです。
もうおわかりになったと思います。
「勉強になりました」は、
「話をおうかがいして、わかりました! この部分が大事なのですね」
「いままでモヤモヤしていた原因がわかりました」
「明日から、早速、取り入れてみます」
などの言葉を言うのが面倒なときに、出て来る言葉なのです。
いわば、代用の言葉であり、表現する手間を省いた言葉です。
表現の手間を省いたツケは必ず回って来ます。
この点について、大野萌子さんは「たったひと言で簡単にまとめてしまう」と表現しています。
簡単にまとめようとしているところが、問題なのです。
言葉も努力です。
人との差はけっして、ビジネス書やビジネスマナーの本に書かれているような言葉からは生まれません。
自分が努力して表現した言葉から生まれます。
「勉強になりました」という言葉を封印し、それに代わる言葉で伝えたらどうでしょう?
そうすれば、誤解を受けることもなく、自分の気持ちも伝わります。
自分の気持ちを伝えることで、自分をわかってもらえるのです。
綾小路 亜也
「何が」勉強になったのか?
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