「縁の下の力持ち」は本当に評価されないのか? ー 今、脚光が

2024.10.02更新

 

会社で縁の下の力持ちのような存在の人あまり評価されないできた。ところが今、俄かに脚光を浴びている。評価の視点が組織への貢献に変わったからだ。

 

1.「縁の下の力持ち」はなぜ評価されない?

今まで評価されてきたのは、スタンドプレイヤーだ。

やはり「目立つ」存在だからだ。

 

「目立つ」という要素は、評価側も便利だった。

印象付けられた行動や成果を基に評価すればよかったからだ。

 

 

ここでビジネス書に書かれていることを振り返ってもらいたい。

詰まる所、「目立つ」人になる手法が書かれているのではないだろうか?

それが評価を得る方法だからだ。

 

 

ところが、「縁の下の力持ち」は陰で組織を支える人だから、目立つ存在ではない。

ここに「縁の下の力持ちは評価されない」と言われる大元がある。

 

 

今まで評価は、目立つか、目立たないか、印象付けられたものがあったか、なかったかで決められていた。

しかし、そんな評価のやり方でよかったかは考える必要がある。

 

そう、「縁の下の力持ちは評価されない」の根本は、評価者側の問題なのだ。

 

 

今まで評価は「目立つ」かどうかで決められていた

2.本当に貢献している人は誰か?

今、企業は生き残りをかけ必死だ。

そのためには、組織として確固たる結果を出すことが必要だ。

 

ここで「組織の結果に本当に貢献している人は誰か」という議論が生まれる。

ところが、今までの日本企業はこの点が曖昧だった。

高いパフォーマンスを上げている人が、組織に貢献していると信じ切っていた。

「本当に組織に貢献している人は誰か」に、真向かいしてこなかったのだ。

 

 

組織への貢献を考えると、俄かに「縁の下の力持ち」の存在が浮かび上がってくる。

考えてみれば、「縁の下の力持ち」は陰で組織をサポートする人だから、組織貢献専任の人ということになる。

 

この組織貢献を業務としている人たちの仕事の中身を理解し、正しく評価することが、組織の結果に直結することに、今、日本企業が気づき始めている。

 

 

組織をサポートしている人は誰か?

3.昇進では「縁の下の力持ち型」が有利に

今、「昇進基準が変わった」ことを実感しているビジネスマンは多い。

パフォーマンスだけでは昇進できなくなっているからだ。

「目立つ存在」になるでは昇進が難しくなってきているということだ。

 

実際、「えっ、あの人が昇進した!」ということが多く起きている。

「あの人が」と思うのは、その人のパフォーマンスのみに目を向けたからだ。

しかし、今、出世のツボはそこにはない。

 

 

企業は、組織に貢献できる人材かどうかで、昇進を決めている。

自身のパフォーマンスではなく、組織の人を支えながら、結果を出せる人を昇進させている。

いわば、「縁の下の力持ち型」が求められているのだ。

 

 

今の出世は「優秀」「目立つ」にないことを、コロナ後の「たった一つの出世の掟」に書いた。

 

もし、みなさんが出世に苦戦しているというならば、いったん自分という枠をとりはずし、組織の為にどのような貢献ができるか考えてもらいたい。

 

すると、出世への道が見えてくる。

 

 

組織の人を支え、結果を出せる人が出世の道を歩む

4.継続的な貢献が大事

「縁の下の力持ちは評価されない」の大元は、評価者側にあると述べたが、自身でも、仕事でどのような形で縁の下の力持ちになっているか、表現することが大事だ。

 

「縁の下の力持ち」の真骨頂は継続性にある。

継続的に組織を支えていることがウリなのだ。

 

ところが、この継続性を表現しようとすると、なかなか難しい。

 

コロナ後の「たった一つの出世の掟」では、「縁の下の力持ち」になっている人の業務結果を次のように表現した。

 

地道に新卒学生の募集、販売店会議の企画と運営、販売店の指導と育成に携わっている人の記載例だ。

 

記載例①

SNSを活用した新卒学生の募集

2022年度 応募者数○○名 採用数△△名 

2021年度 応募者数○○名 採用数△△名 

2020年度 応募者数○○名 採用数△△名

 

 

記載例②

販売店会議の企画と運営

2022年度 販売店会議○○回開催 新規会員数△△社 

2021年度 販売店会議○○回開催 新規会員数△△社 

2020年度 販売店会議○○回開催 新規会員数△△社

 

 

記載例③

販売店の指導と育成

優績表彰販売店数 

2022年度○店 2021年度○店 2020年度○店

 

 

どうだろう?

重要なことは、「事実」を示すことだ。

また、継続性を訴えることだ。

「事実」と「継続性」が示されと、人は組織への貢献を認識する。

 

 

「縁の下の力持ち」が報われない時代は終わった。これから、いっそう注目される。

自信をもって、組織への貢献に努めてもらいたい。

 

綾小路 亜也

 

 

継続性が「縁の下の力持ち」の真骨頂

 

 

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