2024.11.06更新
仕事で縁の下の力持ちのような存在の人への評価は、今まで不十分だった。ところが今、俄かに脚光を浴びている。評価の視点が組織への貢献に変わったからだ。
1.「縁の下の力持ち」はなぜ評価されない?
今まで評価されてきたのは、スタンドプレイヤーだ。
やはり「目立つ」存在だからだ。
「目立つ」という要素は、評価側も便利だった。
印象付けられた行動や成果を基に評価すればよかったからだ。
ここでビジネス書に書かれていることを振り返ってもらいたい。
詰まる所、「目立つ」人になる手法が書かれているのではないだろうか?
それが評価を得る方法だからだ。
ところが、「縁の下の力持ち」は陰で組織を支える人だから、目立つ存在ではない。
ここに「縁の下の力持ちは評価されない」と言われる大元がある。
今まで評価は、目立つか、目立たないか、印象付けられたものがあったか、なかったかで決められていた。
しかし、そんな評価のやり方でよかったかは考える必要がある。
そう、「縁の下の力持ちは評価されない」の根本は、評価者側の問題なのだ。
今まで評価は「目立つ」かどうかで決められていた
2.本当に貢献している人は誰か?
今、企業は生き残りをかけ必死だ。
そのためには、組織として確固たる結果を出すことが必要だ。
ここで「組織の結果に本当に貢献している人は誰か」という議論が生まれる。
ところが、今までの日本企業はこの点が曖昧だった。
高いパフォーマンスを上げている人が、組織に貢献していると信じ切っていた。
「本当に組織に貢献している人は誰か」に、真向かいしてこなかったのだ。
組織への貢献を考えると、俄かに「縁の下の力持ち」の存在が浮かび上がってくる。
考えてみれば、「縁の下の力持ち」は陰で組織をサポートする人だから、組織貢献専任の人ということになる。
この組織貢献を業務としている人たちの仕事の中身を理解し、正しく評価することが、組織の結果に直結することに、今、日本企業が気づき始めている。
組織をサポートしている人は誰か?
3.昇進では「縁の下の力持ち型」が有利に
今、「昇進基準が変わった」ことを実感しているビジネスマンは多い。
パフォーマンスだけでは昇進できなくなっているからだ。
「目立つ存在」になるでは昇進が難しくなってきているということだ。
実際、「えっ、あの人が昇進した!」ということが多く起きている。
「あの人が」と思うのは、その人のパフォーマンスのみに目を向けたからだ。
しかし、今、出世のツボはそこにはない。
企業は、組織に貢献できる人材かどうかで、昇進を決めている。
自身のパフォーマンスではなく、組織の人を支えながら、結果を出せる人を昇進させている。
縁の下の力持ち的存在の人は、出世とは縁がないと言われてきたが、 今の出世では「縁の下の力持ち型」が求められているのだ。
出世は「優秀」「目立つ」にないことを、『コロナ後の「たった一つの出世の掟」』に書いた。
もし、みなさんが出世に苦戦しているというならば、いったん自分という枠をとりはずし、組織の為にどのような貢献ができるか考えてもらいたい。
すると、出世への道が見えてくる。
組織の人を支え、結果を出せる人が出世の道を歩む
4.継続的な貢献が大事
「縁の下の力持ちは評価されない」の大元は、評価者側にあると述べたが、自身でも、仕事でどのような形で縁の下の力持ちになっているか、表現することが大事だ。
「縁の下の力持ち」の真骨頂は継続性にある。
継続的に組織を支えていることがウリなのだ。
ところが、この継続性を表現しようとすると、なかなか難しい。
『コロナ後の「たった一つの出世の掟」』では、「縁の下の力持ち」になっている人の業務結果を次のように表現した。
地道に新卒学生の募集、販売店会議の企画と運営、販売店の指導と育成に携わっている人の記載例だ。
記載例①
SNSを活用した新卒学生の募集
2023年度 応募者数○○名 採用数△△名
2022年度 応募者数○○名 採用数△△名
2021年度 応募者数○○名 採用数△△名
記載例②
販売店会議の企画と運営
2023年度 販売店会議○○回開催 新規会員数△△社
2022年度 販売店会議○○回開催 新規会員数△△社
2021年度 販売店会議○○回開催 新規会員数△△社
記載例③
販売店の指導と育成
優績表彰販売店数
2023年度○店 2022年度○店 2021年度○店
どうだろう?
重要なことは、「事実」を示すことだ。
また、継続性を訴えることだ。
「事実」と「継続性」が示されと、人は組織への貢献を認識する。
「縁の下の力持ち」が報われない時代は終わった。これから、いっそう注目される。
自信をもって、組織への貢献に努めてもらいたい。
綾小路 亜也
継続性が「縁の下の力持ち」の真骨頂
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