2024.11.09更新
出されたお茶を全部飲むべきか、ちょっと残すべきか、悩む人は多くいます。出されたお茶のマナーをどう考えたらよいでしょう?
まず、全部飲む説。
わざわざ出されたお茶ですので、全部飲まないと失礼になるという考え方です。
わかりやすいですよね。
一方、少し残す説。
その理由を「お替わりを催促しているようで相手に気を遣わせる」と説明しています。
「7~8割飲んだらやめておくのが訪問客としての気遣い」と述べている本もあります。
飲み干してはいけないと言っているのです。
(『DVDで学ぶ!できる人のビジネスマナー』から)
両説とも一理ありますが、『「出世しぐさ」のすすめ』では、見た目も考えた方がよいと述べています。
お茶を飲み干してしまうと、カラカラに乾いた茶碗の底に、お茶の葉がうっすらと沈殿したように残ります。
見た目、きれいではありません。
飲んだ方がそう思うくらいですから、後片づけする人も、瞬間、そんな不快感を味わうはずです。
茶碗を洗うとき人も、お茶が少し残っていた方が不快感が少しは和らげぐと思います。
そんなこともありますから、出されたお茶を飲むときは、8割飲んで2割くらいを残した方がよいのです。
つまり、飲み物は、飲み干すより、少し残す方がよいということです。
人は、飲んだり、食べたりする様子をよく見ています。
飲んだり、食べたりしたあとの状態も見ています。
人の気持ちの中には、潜在的にその人の本当の姿を見たいという願望のようなものがあるのです。
そんな観察は意外に核心を突いています。
私たちは、親からしつけを受けました。
食べ方についてもしつけを受けましたが、食べたあとも「まあ、こんなに散らかしてしまって」などと怒られました。
じつは、しつけは礼儀作法なのです。
そうしたことを考えると、人は、親から教えてもらった礼儀作法を見ているということになります。
たしかに、その人が育った環境といったものがわかりそうです。
飲み方、食べ方の見た目の差がいちばん出るのは、接待の席です。
接待の席では次の料理が運ばれてくる間、お酒も指しつ指されつとなり場もくずれていきます。
そんなとき、驚くのは、どこまでもきれいに食べる人と、そうでない人と二手に分かれることです。
和食の食べ方はマナーの本に譲るとしても、最低限、魚など自分が食べ終えたものは皿の隅に寄せておくこと、箸はいつも箸立てに戻しておくことが必要です。
そんな動作が自然な「しぐさ」になっていることが重要なのです。
人は、なんだかんだ言っても見た目を気にしますから、見た目はいいに越したことはありません。
あなたが昇進候補となった場合、会社も上司もあなたの全体像を思い浮かべます。
この全体像には、もちろん、服装、清潔さなどの見た目が入っています。
同時に、どこに出しても恥ずかしい人間かどうかという観点でも見ているのです。
そんなとき、飲み方、食べ方などは、印象に残りやすいのです。
綾小路 亜也
出されたお茶は、8割飲んで2割を残す から
イメージとしてはもう少し飲んだ状態か
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