かかわると面倒くさい人 (日経プレミアシリーズ)
榎本 博明 日本経済新聞出版社 2018-05-11 |
「私たちは事実の世界を生きているわけではなく、事実を主観的に解釈した意味の世界を生きている。ゆえに客観的にものを見ることができない」と著者は言う。
だから、面倒くさいのだ。
重要なことは、面倒くさい人は、自分が面倒くさい人だと思っていないことだ。
ということは、あなた自身も、人から見れば面倒くさい人かもしれないのである。
著者は10のタイプの面倒くさい人を挙げている。
タイプ①過敏で傷つきやすい:思い込みが激しく、小さなことで大騒ぎする
タイプ②強烈な比較意識をもつ:他人の成功や行為を素直に受け止められない
タイプ③自己中心的で相手の心に関心がない:空気が読めず、場を凍らせる発言をする
タイプ④自己防衛意識が異常に強い:不必要な言い訳、「すみません」が多い
タイプ⑤劣等感を隠しもつヒーロー:独りよがりの正義感を振りかざす
タイプ⑥どうでもいい手続きにこだわり、融通が利かない
タイプ⑦自信がなく、あまえが強い:持ち上げられないとすねる
タイプ⑧「謙虚な自分」を売り物にする:遠慮深く振る舞うが、内心、忖度を期待している
タイプ⑨取捨選択ができない:話が長くて、何が言いたいのかわからない
タイプ⑩過去の肩書だけが自分の支え:肩書にしがみつき、定年後になお嫌われる
どうだろう? こんな面倒くさい人が、あなたの周りにきっといるはずだし、面倒くさい人の特徴をよく示しているのではないだろうか?
問題は、なぜ、面倒くさい人になっているかである。そこには心理メカニズムが存在する。
たとえば、⑥のタイプに「コンプライアンス」が大好きという人がいる。
著者は「コンプライアンスなどという言葉が導入されてから、このようなタイプは自分に存在意義を見出し、活き活きとしてしまった感がある」と述べたうえで、こういう人は、臨機応変に適切な判断をする自信がない。だから規則に頼るのだ。規則にこだわる人が能力的にあまりパッとしないのは、そのせいだ」と手厳しい。
つまり、「規則でがんじがらめになっていれば、臨機応変の判断をせずに済む。規則にしがみつくのは自己防衛のため」ということになる。
当たっているのではないだろうか?
また、著者は、「上司の心のケアとしてのホウレンソウ」があると述べている。
「上司の心の中には、自分は部下から尊敬されているだろうか。部下がついていきたいと思う上司になれているだろうか。部下から軽く見られていないだろうか、といった不安がある。そのため、部下から頼られると、必要とされていると実感でき、不安が和らぐ」
ゆえに、ホウレンソウは上司の心のケアになるといった面があるのである。
「とくに持ち上げられたがりは、ほんとうは自信がなく、心の中に大きな不安を抱えているために、頼られることがとても大きな心理的報酬になる」と著者は言うのである。
こうした上司は⑦の自信がなく、あまえが強いタイプである。
こんな面倒くさい人たちと、どうつきあえばばいいのだろうか?
著者は、「価値観による人間の類型を頭に入れておくと、面倒くさい人物がなぜ自分にとって面倒くさいのがわかる」と言う。
その価値観とは、
①理論型 理屈に合わないことは納得できない
②政治型 「支配―被支配」で人を見る
③社会型 友愛に価値を置き、面倒見が良い
④審美型 自分のスタイルを保つことが大事
実は、ここに面倒くさい人と思う秘密が隠されている。
それは、同じ類型同士では、相手を面倒くさい人だと思わないということである。
あなたが、面倒くさいと思う人は、あなたと類型が違うからである。つまり価値観が違うからである。
目次
第1章 「悪い人じゃないんだけど…」はなぜ起こるか
第2章 不穏な空気を生み出す”あの人”の正体
第3章 面倒な人はなぜ面倒なのか
ー背後に潜む心理メカニズム
第4章 「話をややこしくする天才」とどうつきあうか
第5章 面倒な人と思われないために
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