革命のファンファーレ 現代のお金と広告 (幻冬舎単行本)
西野 亮廣 幻冬舎 2017-10-04 |
発想が違う。
絵本『えんとつ町のプペル』の制作費と本を知ってもらうための個展開催費用をクラウドファンディングで集めた。
絵本は、集めた製作費により、超分業体制で作った。
こうして作った『えんとつ町のプペル』をインターネット上で全ページ! 無料公開した。
『えんとつ町のプペル』の著作権まで放棄してしまう。
そこには計算された仕かけがある。
絵本を子供のために買うおかあさんの行動を見ればわかる。
おかあさんは、絵本を買うときはぜったいにハズさないように、本屋さんで最後まで立ち読みして買っている。
ネタバレがスタートラインだということだ。
著者は「人が時間やお金を割いて、その場に足を運ぶ動機は、いつだって『確認作業』で、つまりネタバレしているモノにしか反応していない」と言っている。
考えてみれば、テレビも無料公開だ。
テレビで流れたCMの商品を、視聴者は時間をおいて買っている。
著作権をフリーにすれば、『えんとつ町のプペル』はクリアファイルなどに使われるに決まっている。
そこには『えんとつ町のプペル』を一人でも多くの人に届けるという「目的」がある。
クラウドファンディングで本の制作費にお金を出した人はどういう人だったか?
その人たちは本の「作り手」でもあった。
「作り手」はそのまま消費者になった。
2回目のクラウドファンディングの資金提供者に対するリターンは「『えんとつ町のプペル 光る絵本展』の開催権利」だった。
個展会場で、『えんとつ町のプペル』は売れた。会場を訪れた人は、『えんとつ町のプペル』をみやげとして必要だったからだ。
著者は「『体験✕おみやげ』で作品を売る」と言っている。
クラウドファンディングを通じて、セカンドクリエイターを味方につけたのだ。
この本を閉じるとき、この本の副題が「現代のお金と広告」となっていることを改めて認識するが、裏表紙に巻き付いている推薦人たちの言葉にも目がとまる。
推薦人たちは、いずれも時代の先を行っていると思われている著名人である。
しかし、その言葉すらも、どこか古めかしく思える。
いままで、私たちはビジネス書作家などを「ずいぶん、先進的なことを言う人」だと思ってきた。
ただ、この本を読むと、既存の枠組みから踏み出たところで、ものを言っていることに気がつく。
この本は、枠組み自体が変わったということも教えている。
(参考)『えんとつ町のプペル』無料公開サイト
https://spotlight-media.jp/article/370505056378315909
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