人事部言葉を知り、会社と同一目線に立つ

2021.11.30更新

 

人事の人は、そのときどきで、職員に知ってもらいたい言葉を使う。

 

みなさんもメンター、ダイバーシティ(多様性)、グローバル人材などの言葉をよく耳にしていると思う。
最近では、アサーティブという言葉も人事の人はよく使っているのではないだろうか。

 

私がみなさんにお話ししておきたいのは、そうした言葉をおさえておくことも大事だが、それよりも、人について語るときの人事の人の言葉だ。

 

その代表的な言葉は、「苦戦している」という言葉である。

 

人事の人は、思うように活躍できていない人を「苦戦している」と表現する。

 

現場の人は、そんな人をもっとダイレクトに表現する。
「あいつはだめだ」とか「使いものにならない」という表現だ。

 

ともすると人事の人からヒアリングを受けているときも、そんな表現をしてしまう。

 

それではかえってそう言う上司の方を見られてしまう。

 

考えてみれば、「苦戦している」という言葉は、優れものの言葉だ。
その人をけっして「だめだ」といっているわけではないからだ。
うまく能力を発揮できていないと言っている。

 

それを「あいつはだめだ」と言ってしまうと、そこから先、一歩も先に進まない。

 

そこを「苦戦している」と表現すると「どうすればその人の能力を引き出すことができるか」という課題のようなものが、浮かび上がってくる。

 

人事の人は当然部下育成に対して、そのように「どうすれば部下の能力を引き出せるか」と考える管理職を評価するはずだ。

 

また、人事の人が使う言葉に「ポテンシャル」という言葉もある。

 

これも、ダイレクトな表現を使えば「あいつは、伸びる、伸びない」だ。
しかし、「ポテンシャル」という言葉を使うと、文字どおり、その人の潜在能力や可能性を探るというニュアンスが出てくる。

 

人事の人は管理職が吐く言葉から、その管理職の部下育成の状況、あるいは管理職の資質といったものを探っている。

 

綾小路 亜也

 

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