2024.11.12更新
上司に噛み付く部下の心理は、噛み付きやすいから、噛み付ついているのだ。その対象は「組みやすい」上司だ。組織のトップやエリート上司には不満を吐かない。
部下は噛み付く相手を選んでいるのだ。
部下の行動を中心にサラリーマン社会を見ていきたい。
部下は常に上司に不満を持っている。
面と向かって噛み付くこともあるし、仲間内で漏らすこともある。
こんなことを言う。
「ウチの課長は、オレたちにノルマばかり与えて締めつけが厳しい」
「数字にうるさすぎる。伸び伸びとやらせて欲しい」
「もっと長い目で見てもらいたい」
考えてみれば、売上目標やノルマを部下に与えているのは、直属の上司かもしれないが、その大元は、上の組織や会社の経営陣にある。
部下はそのことをよくわかっているが、直属の上司に噛み付いたり、不満を漏らすのだ。
しかし、組織のトップや役員との意見交換の場では、不平、不満を吐かない。
たとえば、会社社会では、組織のトップや役員との懇親会や意見交換の場、あるいは表彰式等のパーティの席での談笑という場がある。
組織のトップや役員の現場視察といったこともある。
そんなとき、組織のトップや役員は、現場の状況を知りたがり、職員に質問する。
ところが、普段、不平と不満ばかりの部下たちは、不平や不満を語らず、「頑張ります」とか、「一生懸命、成果が出るように努力します」と前向きのことを言うのだ。
「場を心得ている」と言えばそれまでだが、なにか複雑な思いだ。
部下には、組織のトップや役員との接触の場がある
また、部下は、上司が自分たちとは「ちょっと次元が違う」と思う人、
たとえば将来有望と思われる人、広く名が知られている人、本社経験が豊富な人など、いわゆるエリートと思われている人には、噛み付いたり、不平、不満を漏らすことが少ない。
そう考えると、部下が噛みついたり不平を言う対象は、会社の上の人ではなく、また自分たちが組みにくい相手ではないことになる。
部下が噛みつく相手は、自分たちが「組みやすい」上司なのだ。
そして職場で問題が起きると、部下たちは
「課長がうるさいからやった」
「上司が厳しいから、余裕をなくし、こんなことになってしまった」などと、原因を「組みやすい」上司に持っていく。
そんな側面もあるかもしれないが、会社の上層部は「そうか、そうか」で、問題をここで総括してしまう。
じつは、このことが問題なのだ。
こんなときは、たいがい部下にも原因がある。
そのことを上の人や会社も本当はよく承知しているはずだが……。
上記のようなサラリーマン社会だから、
拙著『サラリーマンの本質』では、会社の上に立つ人は、現場に対してあまり「上手くいっているか」という問いを発さないこと、それよりは自分の眼でしっかり現場の状況を見るように警鐘を鳴らした。
その背景には、述べてきた、部下の「使い分け」の問題があるからだ。
この問題は日本のどの企業にもある問題と考えるが、
重要なことは、上の人が「上手くいっているか」を問う度合い、そして部下がその答えを「使い分けする」度合いが、それぞれの企業の体質を決定しているように思えてならない。
日本のサラリーマン社会は複雑だ。
綾小路 亜也
部下は、不満を言う相手を「使い分け」しているのか?
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