何のために働くのか 自分を創る生き方 (文春新書 921)
寺島 実郎 文藝春秋 2013-06-20 |
書評するのもはばかるほど立派な内容の本である。
読み返しても、何も付け足すことがないことに気づく。
それほど、中身の重量感、思考の重みというものを感じる本である。
さて、 世の中、特にビジネスの世界では、あまりにも形にこだわりすぎると思う。
「これをやれば、成功する」「こうすれば役員になれる」…… そういう形の問題ではないと思うが、みなさんはどう思われるだろうか?
また、あまりにも、本書が指摘するように「自分探し」にこだわりすぎるように思う。
そして、私も決して偉そうなことは言えないが、「いかにこの時代に生きるのか」という意識も残念ながら低いのではないだろうか。
まさに本書が言う「何のために生き、何のために働くのか」 を考えることが重要な気がする。
本書の次のメッセージが素晴らしい。
「『カセギ』と『ツトメ』を両立し、しかも、歴史の進歩に参画する」
色々形にこだわるのではなく、自分の今の仕事に全力で取り組む― そこに、自分の「ツトメ」が見えてきて、この時代に生きる自分の役割が見えてくるのではないだろうか。