上司から「折り返しの電話」をもらっていませんか?

2024.10.09更新

 

「折り返しの電話」を上司にお願いして、逆鱗(げきりん)に触れたサラリーマンは多い。なぜ上司から「折り返しの電話」をもらってはいけないのか?

実際のケースを再現して、考えてみよう。

 

あなたは用件があって部長に電話をする。

あなたは出先の営業店で働いているが、部長は違う場所にあるオフィスにいるからだ。

 

電話すると、部長の秘書のような女性が出て「部長は電話中です。折り返し電話をさせましょうか」ときく。

「それではお願いします」と言い、電話を切る。

 

しばらくして、部長から折り返しの電話が入る。

 

あなたは「それで、どこか問題なの?」と思っているかもしれないが、このパターンが問題なのだ。

 

しかし、あなたからの伝言を、秘書の女性がメモにして部長に渡した場合のことを考えると、問題がクローズアップしてくる。

 

メモは3パターンある。

①「〇〇営業所の✕✕さんから電話がありました。」

②「〇〇営業所の✕✕さんが電話をいただきたいとのことです」

(本件の場合がこれに該当する)

③「○○営業所の✕✕さんから伝言がありました。また電話するそうです」

 

 

 

どうだろうか? あなたが部長の立場になって考えてもらいたい。

 

②のメモを見たとき、部長は「何があったんだ?」と思うのではないか。

 

それが、電話をしてみたら「この前の件ですが………」などと言われたら、むっとするのではないだろうか。

 

「電話をくれ」という伝言は、上の人が下の人に言う言葉なのだ。

 

そんなことを言うと、「ナンセンスだ!」と言う人がいるかもしれないが、組織とはそういうものだ。

これが上下関係の礼儀でもある。

 

 

実際、私はサラリーマン生活の中で、何度も、上司に「電話をくれ」と言った人が上司にキレられたという話を聞いた。

 

「電話をくれ」と言われた上司は、「おまえとおれ、どっちが上なんだ」と言ったという。

 

きっと、「上司に電話をくれ」と言った人は、一回や二回ではなく上司が電話中のたびにそう言ったのだと思う。

毎回、毎回、上司の机の上に、特定の部下から「電話をくれ」というメモが置かれている光景を想像してもらいたい。

上司は我慢に我慢を重ねたが、遂にキレたのだと思う。

 

 

それでは、上司が電話中だった場合どうすればよいかと言うと、

電話に出た人に「電話があった旨をお伝えください」

あるいは「また、こちらの方から電話いたします」

と言うのがいい。

 

こんなことを言うと、「そんなまだらっこしいことよりも、折り返しの電話をもらった方が、こっちも待たなくて済むし確実じゃないか」と思うかもしれない。

 

だが、上司は「✕✕さんから電話がありました」という伝言やメモがあったときは、「何かあったのか?」と心配し、折り返しの電話をくれる。

 

上司からの折り返しの電話が来ないときは、本当に立て込んでいるときだ。

そんなときは、時間を空けて、もう一度あなたから電話をすればいい。

ただ、電話を再度かけ直す間隔は難しいと思う。

上司の秘書などに「上司が一段落したら、恐縮ですが、あなたからご連絡いただけませんか」と頼むのが効率的だ。

すると秘書から電話があり、「今、(上司と)替わります」と言うはずだ。

 

 

こうした上司へのマナーを理解していない人は、得意先などの外部の人にも、折り返しの電話をもらっている。

 

それでは、お客さまからよい印象を持たれないというよりは、お客さま対応ではないのだ。

ビジネスの世界とはほど遠い。

 

サラリーマン社会やビジネスの世界では、そんなデリカシーのない人は嫌われる。

 

 

追記しておくと、社内外を問わず、緊急で折り返しの電話がほしいときは、電話に出た人に緊急の旨を伝え、「ご連絡をいただきたい」と言えばいい。

 

この場合でも「電話をもらいたい」というのではなく、「連絡をいただきたい」と言うことが肝心だ。

電話を取り次ぐ人は、言われたとおりに取り次ぐことが多いからだ。

そんなことにも、気を払ってもらいたい。

 

綾小路 亜也

 

 

ポイント

①社内の上役あるいはお客さまに「電話をくれ」ということは失礼である。

 

②緊急の場合は、「ご連絡をいただきたい」と言う。

 

③ビジネスの世界ではデリカシーのない人は嫌われる。

 

 

 

 

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