『人事ガチャの秘密』には、「人事部は人事異動案を作らない」という衝撃的な見出しがあります。すると、誰が人事異動案を作っているのでしょう?

それは、会社の各部門です。
このことは、会社で部門の長を経験してきた人は知っています。
しかし、すべての会社で、各部門が人事異動案を作っているわけではありません。
同書では、人事部が人事異動案を作っている会社も3割あると述べています。
ここで、実務の観点から、ことわっておきたいことがあります。
会社の各部門が人事異動案を作成したとしても、それは、多くの場合、異動する人を決める作業をしているということであり、異動先まで決める訳ではないということです。
また、あくまでも案であり、最終的な異動者の決定、異動先の選定は、人事部が行うことが多いということです。
問題は、なぜ、人事部は人事異動案を作らないかということです。
同書は「最もシンプルな答えは、各部門との分業になっているから」と言い、
課長以上の管理職の人事異動案は人事部で作り、一般社員層は各部門で作るといういうように階層別の分担になっている例が多く見られると述べています。
そうした側面もたしかにあると思いますが、実際に部門の長として、人事異動案を作成した人はちょっと違った感覚を持っているはずです。
なぜ、部門の長が人事異動案を作っているかと言えば、
管下職員のことを知っているからであり、自己申告書に目を通し、時にはヒアリング面談をしているからです。
すなわち、その人と、その人の意向を把握しやすい立場にいるからです。
配属・異動・昇進のからくりを、ヒアリング調査から分析した本です。
仕組みを知りたい人に、おススメです。
人事異動案を部門の長が作っていることを知って、私たちはどう向き合わなければならないのでしょう?
一つは、「異動したい」「異動したくない」という自分の考えと理由を、自己申告書にシッカリ書くことです。
実際には、そのとおりにならないことも多くありますが、ここが明確だと、部門の長の頭に刻み込まれます。
部門の長は、そのことをベースに人事部と折衝することができるのです。
もう一つは、異動を希望する場合は、希望部署とその部署に行きたい理由を書くことです。
すると、部門の長は、日ごろの仕事ぶりと、適性を考えて、コメントを書くことができます。
異動先は最終的には人事部が決めますが、部門の長が書いたコメントに必ず目を留めます。
人事部も助かるのです。
『コロナ後の「たった一つの出世の掟」』で、課長への昇進、課長から部長への昇進も、自己申告書の記載内容がベースになっていることを、書きました。
特に、「現在の職務」についての表現がきわめて重要です。
最後に、冒頭で紹介した『人事ガチャの秘密』の、ガチャの意味に触れておきます。
ガチャは、ガチャポンをイメージすれば、よいと思います。
すなわち、人事異動は何が飛び出してくるか、わからないということです。
本当にそうでしょうか?
そのことを解き明かしたのが、『人事ガチャの秘密』ですので、ぜひ、参考にしていただきたいと思いますが、
私は、自分で原因を作り出していることも多いと、考えています。
その一つが自己申告書です。
自己申告書の記載をタスクと考えるか、自分を表現する貴重な場と考えるかによって、サラリーマン人生は大きく変わります。
人事異動の仕組みは、正直、会社によって様々です。
しかし、どの会社も自己申告書を参考にしていることは、たしかです。
人事異動は、自己申告書の記載から始まると言っても、過言ではないのです。
まずは、自己申告書にシッカリと、自分を表現してみませんか?
綾小路 亜也
人事異動は、自己申告書の記載内容から始まる

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