2025.03.09更新
情報セキュリティ対策の観点から、見直したいビジネスマナーがあります。どんなビジネスマナーでしょう?
1.電話メモの置き方
ビジネスマナーの本は電話メモを、デスクやパソコン本体、パソコン周辺の「目につきやすい場所」に置く、貼る、立てかけることで一致しています。
伝言が確実に伝わることは重要ですが、ビジネスマナーの本の掲載例を見ると伝言内容がむき出しになっています。
社内での対応とはいえ、むき出しにされた電話メモをビジネスマナーの本のとおりに「目につきやすい場所」に置いたら、多くの人が目にします。
電話メモに記載されている情報は少ないかもしれませんが、情報があるという意味では他の書類や印刷物と一緒です。
ときには、電話をかけてきた人の会社の機密情報や個人情報が含まれているかもしれません。
顧客や取引先はそのような形で電話メモが置かれることを望んでいないはずです。
電話メモは内容を見えない形で置かなければなりません。
あるいは、伝言専用のノートに記入し、記入し終えたらノートを閉じておくことです。
電話メモにも情報がある
2.出張の準備(書類・資料)
多くのビジネスマナーの本は、出張で忘れてはいけないものをリスト化することをすすめています。
それはとても大事なことです。
ビジネスマナーの本では、忘れてはいけないものの「いの一番」に書類・資料を挙げていますが、情報セキュリティの観点からは、その書類・資料を本当に持って行かなければならないか検討することが大事です。
書類や資料を持って行けば行くほど、紛失・置忘れ、盗難などの事故の頻度が上がるからです。
事故の頻度を下げるには、持って行かないことに越したことはありません。
今は、出張に持っていく書類をあれこれ考えるより、持って行かないで済む方法(代替手段)を必死で考える時代なのです。
ビジネスマナーの本も、けっして書類・資料ありきではないことに、頭を切り替える必要があります。
書類や資料を持って行けば行くほど、リスクは高まる
3.ビジネスバッグに入れるもの
最近のビジネスマナーの本は「いざというときに役立つアイテム」にこだわっています。
ビジネスパーソンはいざというときに対応できる常備品や役立つアイテムを、ビジネスバッグに入れておいた方がよいですが、ビジネスバッグの容積には限度があります。
常備品や役立つアイテムを、どきまで入れるかということです。
さまざまな事態を想定すればするほど、ビジネスバッグはいっぱいになり、重くなってしまうからです。
実際、ビジネスバッグに多くのものが詰まっているとき、必要なものを取り出すには、不要なものをのけなければなりません。
このときバッグ内でのける作業を完結できれば問題は起きませんが、不要なものを外に出すときもあります。
それが書類で、その書類を置忘れてしまったという事故が現実に起きています。
また必要なものを取り出す過程で、他のものも一緒に取り出してしまい、そのことに気づかないでいると紛失が起きます。
バッグがいっぱいだと紛失・置忘れが起きやすくなるのです。
次に、バッグが重いと、どんな動作につながるか考えてみたいと思います。
手に持っていられなくなります。
バッグが重くなると、バッグを電車の網棚や床に置くという行為が生まれるのです。
このことが、置忘れ・置引きの原因になっています。
ビジネスバッグは何のためにあるのかという原点に立ち返ることが必要です。
ビジネスバッグは書類やパソコンなどビジネスで使うものを運ぶためにあります。
いざというときに役立つアイテムはあくまで従なのです。
主と従をけっして入れ替えてはなりません。
バッグがいっぱいだと紛失・置忘れが起きやすくなる
4.ショルダー付ビジネスバッグの活用
今、誰の目にもショルダー付ビジネスバッグが主流になっていることは明らかです。
ビジネスマナーの本には必ずといってよいほどビジネスバッグのイラストが掲示され、バッグの選び方が記載されていますが、ショルダー付ビジネスバッグについてはその存在すら示されていません。
ショルダー付ビジネスバッグではカジュアルな感じになり、ビジネスに相応しくないと考えられていることが主な理由です。
セキュリティの弱点を「脆弱性」と呼びます。
ビジネスバッグを手に持って移動すると、いつ電車の網棚や床に置くかわからない。そのことが脆弱性です。
しかし、ビジネスバッグを肩に掛けていれば、その脆弱性を極限まで減らせます。
ショルダー付ビジネスバッグを利用すれば、情報漏えいの主要因である「紛失・置忘れ」を確実に防げます。
新型コロナウイルス感染を機に、自宅にノートパソコンを持ち帰る人、パソコンを携帯しながらモバイルワークする人やサテライトオフィスに向かう人はドンドン増えています。
そう、テレワーカーはパソコンをビジネスバッグの中に入れ、移動しているのです。
重要な情報が格納されたパソコンを紛失・置忘れしないために、また盗難に遭わないために、その対策をみんなで考えなかければなりません。
ビジネスマナーの本も時代の要請を踏まえ、頭を切り替えるべきです。
肩に掛けていれば、網棚や床に置かない
5.初対面での会話
以前は、初対面での会話で、名刺に記載されていることから話を広げ、親しくなるために、出身地や家族のことなどを聞くことをすすめるビジネスマナーの本が見られました。
さすがに、今の時代、そのような記述は減ってきましたが、ビジネスマナーの本はプライバシーについて軸足が定まっていないような気がします。
プライバシーへの質問に、不快になったり、傷つくのは相手です。
そう考えると、相手を不快にさせたり、傷つけるおそれがある質問はすべからくすべきではないということになります。
自己開示についても、開示されたことに不快になったり、傷つく人もいます。
自己開示すると、その部分を相手に聞きやすくなるますので、そこからプライバシーへの質問につながるケースがあることに注意したいところです。
綾小路 亜也
その質問、プライバシーに踏み込んでいます
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