2024.08.30更新
情報管理の観点で、見直したいビジネスマナーは?
1.電話メモの置き方
ビジネスマナーの本は電話メモを、デスクやパソコン本体、パソコン周辺の「目につきやすい場所」に置く、貼る、立てかけることで一致している。
伝言が確実に伝わることは重要だが、ビジネスマナーの本の掲載例を見ると伝言内容がむき出しになっている。
社内での対応とはいえ、むき出しにされた電話メモをビジネスマナーの本のとおりに「目につきやすい場所」に置いたら、多くの人が目にする。
電話メモに記載されている情報は少ないかもしれないが、情報があるという意味では他の書類や印刷物と一緒だ。
ときには、電話をかけてきた人の会社の機密情報や個人情報が含まれているかもしれない。
顧客や取引先はそのような形で電話メモが置かれることを望んでいないはずだ。
電話メモは内容を見えない形で置かなければならない。
あるいは、伝言専用のノートに記入し、記入し終えたらノートを閉じておくことだ。
電話メモにも情報がある
2.出張の準備(書類・資料)
多くのビジネスマナーの本は、出張で忘れてはいけないものをリスト化することをすすめている。
それはとても大事なことだ。
ビジネスマナーの本では、忘れてはいけないものの「いの一番」に書類・資料を挙げているが、
情報セキュリティの観点からは、その書類・資料を本当に持って行かなければならないのか検討することが重要だ。
書類や資料を持って行けば行くほど、紛失・置忘れ、盗難などの事故の頻度が上がるからだ。
事故の頻度を下げるには、持って行かないに越したことはない。
今は、出張に持っていく書類をあれこれ考えるより、持って行かないで済む方法(代替手段)を必死で考える時代だ。
ビジネスマナーの本も、けっして書類・資料ありきではないことに、頭を切り替える必要がある。
書類や資料を持って行けば行くほど、リスクは高まる
3.ビジネスバッグに入れるもの
最近のビジネスマナーの本は「いざというときに役立つアイテム」にこだわっている。
ビジネスパーソンはいざというときに対応できる常備品や役立つアイテムを入れておいたほうがよいが、ビジネスバッグの容積には限度がある。
問題は、常備品や役立つアイテムを、どきまで入れるかということだ。
さまざまな事態を想定すればするほど、ビジネスバッグはいっぱいになり、重くなってしまうからだ。
実際、ビジネスバッグに多くのものが詰まっているとき、必要なものを取り出すには、不要なものをのけなければならない。
このときバッグ内でのける作業を完結できれば問題は起きないが、不要なものを外に出すこともある。
それが書類で、その書類を置忘れてしまったという事故が現実に起きている。
また必要なものを取り出す過程で、他のものも一緒に取り出してしまい、そのことに気づかないでいると紛失が起きる。
バッグがいっぱいだと紛失・置忘れが起きやすくなるのだ。
次に、バッグが重いと、どんな動作につながるか考えてみたい。
手に持っていられなくなる。
バッグが重くなると、バッグを電車の網棚や床に置くという行為が生まれるのだ。
このことが、置忘れ・置引きの原因になっている。
ビジネスバッグは何のためにあるのかという原点に立ち返ることが必要だ。
ビジネスバッグは書類やパソコンなどビジネスでつかうものを運ぶためにある。
いざというときに役立つアイテムはあくまで従だ。
主と従をけっして入れ替えてはならないと考える。
バッグがいっぱいだと紛失・置忘れが起きやすくなる
4.ショルダー付ビジネスバッグの活用
いま、誰の目にもショルダー付ビジネスバッグが主流になっていることは明らかだ。
ビジネスマナーの本には必ずといってよいほどビジネスバッグのイラストが掲示され、バッグの選び方が記載されているが、
ショルダー付ビジネスバッグについてはその存在すら示されていない。
ショルダー付ビジネスバッグではカジュアルな感じになり、ビジネスに相応しくないと考えられていることが主な理由だ。
セキュリティの弱点を「脆弱性」と呼ぶ。
ビジネスバッグを手に持って移動すると、いつ電車の網棚や床に置くかわからない。そのことが脆弱性なのだ。
しかし、ビジネスバッグを肩に掛けていれば、その脆弱性を極限まで減らせる。
ショルダー付ビジネスバッグを利用すれば、情報漏えいの主要因である「紛失・置忘れ」を確実に防げる。
新型コロナウイルス感染を機に、自宅にノートパソコンを持ち帰る人、パソコンを携帯しながらモバイルワークする人やサテライトオフィスに向かう人はドンドン増えていく。
そう、テレワーカーは、パソコンをビジネスバッグの中に入れ、移動している!
重要な情報が格納されたパソコンを紛失・置忘れしないために、また盗難に遭わないために、その対策をみんなで考えなかければならないのだ。
ビジネスマナーの本も時代の要請を踏まえ、頭を切り替えるべきである。
肩に掛けていれば、網棚や床に置かない
5.初対面での会話
以前は、初対面での会話で、名刺に記載されていることから話を広げ、親しくなるために、出身地や家族のことなどを聞くことをすすめるビジネスマナーの本が見られた。
さすがに、今の時代、そのような記述は減ってきたが、ビジネスマナーの本はプライバシーについて軸足が定まっていないような気がする。
プライバシーへの質問に、不快になったり、傷つくのは相手だ。
そう考えると、相手を不快にさせたり、傷つけるおそれがある質問はすべからくすべきではないということになる。
なお、自己開示についても、開示されたことに不快になったり、傷つく人もいる。
自己開示すると、その部分を相手に聞きやすくなるので、そこからプライバシーへの質問につながるケースがあることに注意したい。
綾小路 亜也
その質問、プライバシーに踏み込んでいます
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