2024.10.23更新
論功行賞とは、功績の程度に応じた見返りを与えることをいう。サラリーマンの多くは、昇進は論功行賞の結果、得られるものだと思っている。
次の「役割」をこなせるか?
しかし会社は頑張ったから昇進させているわけではない。
次の「役割」が務まると思うから、昇進させている。
いわば頑張った方法を見ているのだ。
頑張った方法が、上の立場に立っても通用すると思うとき、会社は昇進させている。
たとえば担当者で頑張っている人がいたとする。その人は成果も出している。
それは会社にとって嬉しいことだが、そのことが直ちに昇進させる理由にはならない。
厳しい言い方をすれば、それは、今の「役割」で十分活躍しているに過ぎないのだ。
会社は次のステップに移行するために、部下指導でも頑張れるかを見ている。
部下指導でも頑張れると確信をもてたとき、昇進を決めている。
同様に、課をうまく運営し、組織として成果を上げている人がいたとする。
この場合も、それだけでは昇進させる理由にはならない。
会社はもっと大きな組織を任せた場合も、成果を上げられるか見ている。
その結果、「大丈夫」と判断したとき、昇進を決めている。
「役割」変更があっても、耐えられるか、活躍できるかという観点で、会社は昇進を決めている。
昇進とは、「役割」が変わること
会社社会では「一つ上の仕事をしろ」といったことが、よく言われる。
その意味は明確になっていないが、一つ上の仕事をすることで、次の「役割」もこなせるという安心感を会社に与える意味があるのだ。
ところが、私たちはこのことに、なかなか気づけない。
あくまでも、今の役職で、頑張り、目立とうとする。
ビジネス書も「できる社員」にこだわる。
会社に次の「役職」もこなせると、思わせることが、昇進には必要なのだ。
評価が高いのに、なぜ出世できないのかと悩んでいる人は、次の「役割」をこなせると思わせる材料を会社に提供しているか、ぜひ考えてもらいたい。
では、どのように次の「役割」をこなせる準備を行えばよいのだろう?
手っ取り早い方法は、直属の上司の仕事を観察することだ。
参考となるべきものは盗み、納得いかない部分は「自分ならどうする」を考える。
また、上司が出席する会議や打ち合わせにも、積極的に参加することだ。
すると、次の業務内容が見えてくる。
そんなことを続けていると、次第に次の自分が築けていく。
会社はそんな状態を見逃さない。
次の「役割」をこなせると判断するのだ。
綾小路 亜也
『コロナ後の「たった一つの出世の掟」』のエッセンスを述べたものです。
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