2025.11.26更新
会社は成果で昇進させているわけではない。成果を上げた方法が、次の役職でも通用すると思えるとき、昇進させている。
昇進とは、新しい役割への期待なのだ。
ここを論功行賞の結果と考えると、なかなか出世できない。
たとえば、今の職務で頑張り、成果を上げている人がいたとする。
それは会社にとって嬉しいことだが、そのことが直ちに昇進させる理由にはならない。
厳しい言い方をすれば、それは、今の「役割」で十分活躍しているに過ぎない。
そんなとき、会社はどんな方法で成果を上げているかを見ている。
その方法が、上の立場に立っても通用すると思えるとき、会社は昇進を決めているのだ。
同様に、組織を上手く運営している人がいたとする。
この場合も、それだけでは昇進させる理由にはならない。
会社は、組織の運営方法を見ている。
その結果、もっと大きな組織を任せても「大丈夫」と判断したとき、昇進を決めている。
つまり、会社は次の役職でも活躍できるかという観点で、昇進を決めているのだ。
昇進とは、「役割」が変わること

会社社会では「一つ上の仕事をしろ」といったことが、よく言われる。
その意味は明確になっていないが、一つ上の仕事をすることで、次の役職もこなせるという安心感を会社に与える意味があるのだ。
ところが、私たちはこのことに、なかなか気づけない。
あくまでも、今の役職で、頑張り、目立とうとする。
ビジネス書も「できる社員」にこだわる。
会社に次の役職もこなせると、思わせることが、昇進には必要なのだ。
評価が高いのに、なぜ出世できないのかと悩んでいる人は、次の役職をこなせると思わせる材料を会社に提供しているか、ぜひ考えてもらいたい。
では、どのように次の役職をこなせる準備を行えばよいのだろう?
手っ取り早い方法は、直属の上司の仕事を観察することだ。
参考となるべきものは盗み、納得いかない部分は「自分ならどうする」を考える。
また、上司が出席する会議や打ち合わせにも、積極的に参加することだ。
すると、次の業務内容が見えてくる。
そんなことを続けていると、次第に次の自分が築けていく。
会社はそんな状態を見逃さない。
次の役職をこなせると判断するのだ。
綾小路 亜也
『コロナ後の「たった一つの出世の掟」』のエッセンスを述べたものです。
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