2024.09.26更新
上司に印鑑をもらう時、さまざまな言い方が紹介されていますが、じつは「印鑑をもらう」という言い方自体、ちょっとおかしいのです。
「印鑑」は役所等に届け出て登録された印影のことを指すからです。
それに「印鑑」という言葉が入ると、窮屈な言い方になりますよね。
まず、「印鑑」という言葉ですが、
ハンコは正確には「印章」と言います。
ちょっと言いにくいですよね。
実際にはハンコは「印鑑」という呼び名で通っていることは事実です。
それで意味が通じるのですからよいと思いますが、一度、辞書などで「印鑑」の意味を調べておくことをおすすめします。
参考までに、『印鑑の基礎知識』では『印鑑』のことを次のように記述しています。
官庁・取引先等に提出された印影のこと
『印鑑の基礎知識』
『現場で役立つ!ハンコ・契約書・印紙のトリセツ』では次のように記述しています。
本人証明の手段として使うために役所等に届け出た登録された印影のことを指します。
問題は、なぜ上司に印鑑をもらう言い方が多数紹介されているかということです。
ストレートに言えば、「ハンコください」ですよね。
しかしそれではちょっと軽いからかもしれません。
「印鑑をいただく」に言い換えてみても、すごく硬い感じになります。言いにくいかもしれません。
「印鑑」という言葉が入ると、どうしても窮屈な感覚になるのです。
そんなこともあり、「印鑑をもらう」のさまざまな言い換え例が紹介されているのだと思います。
「ハンコください」に代わる言葉として、「捺印をお願いします」という言い方が紹介されています。
「うん、使える!」ということになりそうですが、ハンコの世界は複雑です。
「捺印」は「署名捺印」の略で、直筆の署名と共に印鑑を押す場合に使用されます。
上司に署名もお願いするときに、使う言葉なのです。
実際には、申請書などにあらかじめ〇〇課長などとワープロで記名されていて、印だけをお願いするケースが多いですよね。
このように、あらかじめ記名されている書類にハンコを押すことを「押印」といいます。「記名押印」の略です。
「捺印」と「押印」はケースが違うのです。
ケースにより使い分けるなんて、面倒くさいですよね。
「捺印」と「押印」の違いはシャチハタ株式会社のWEB記事を参照ください。
https://dstmp.shachihata.co.jp/column/01200512/
「捺印」は署名を伴う言葉
そう、「上司に印鑑をもらう」を言い換えることはなかなか難しいのです。
しかし、解決の糸口はあります。
「印鑑をもらう」というのは結果です。
つまり承認印をもらいたいのです。
承認印をもらうには、上司の確認が必要です。
確認の結果、承認した証がハンコを押すという行為です。
そんなことを考えれば、「確認お願いします」が一番適した言葉ではないでしょうか。
「承認をお願いします」でもかまいませんが、承認は確認があってなされるものです。
確認の方に重点を置いた方がよいと思います。
急ぎの時は、無理にいろいろな言葉に置き換えるよりも、ストレートに「印をいただきたいのですが」と上司に承認を求めた方が自然な気がします。
綾小路 亜也
印を押すということは、確認、承認の結果
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