2024.10.13更新
私たちは偉い人の話をどう聞けばよいかわからない。教わってもいないし、本にも載っていない。聞き上手は顔で「もう少し聞かせてください」と語っている。
ビジネス書やビジネスマナーの本には、上の人からの「指示の受け方」は記載されているが、それは「話の聞き方」ではない。
しかも直属の上司からの指示を想定している。
それに偉い人と話をするとき、雑談のような話が多いはずだ。
そうすると、ますますどう聞けばよいかわからなくなる。
詰まるところ、偉い人の話の聞き方は、誰もわからないでいるのだ。
偉い人の話の聞き方は語られていないだけに、差が出やすいところといえる。
偉い人の話をどう聞けばよいのだろうか?
話し方の本のセオリーどおり、相づちから考えてみたい。
偉い人の話にも、もちろん相づちは打てるが、「さすがですね」「すごいですね」などの相づちは、よほど親しい関係にないと打ちづらい。
「そう」「それで」などは、偉い人との間では使えないだろう。
話し方の本に載っているような相づちは、偉い人との会話では、なかなか打ちづらいのだ。
上の人との会話では相づちを打ちづらい
そこで、質問の登場となる。
話し方の本は5W1Hの質問をすすめている。5W1Hの質問はオープンクエスチョンなので、相手は自由に話しやすいからだ。
偉い人にも、「いつのことですか?」「どこでのことですか?」は使えそうだが、
whyやhow、whatなどは詮索するような感じになるので使いづらい。
そんなことを考えると、結局、偉い人との会話では、話し方の本に記載されているような相づちや質問はあまり役に立たないことになる。
偉い人との会話がぎこちなくなる理由はここにある。
whyやhow、whatなどはなかなか使えない
さて、どうするかだ。
万能の言葉がある。
それは「もう少し聞かせてください」だ。
この言葉は、when、where、who、why、what、howという制約すらなく、話し手は自由に話せる。
究極のオープンクエスチョンといえる。
あなたには、この「もう少し聞かせてください」を、偉い人との会話で上手く活かしてもらいたい。
この言葉は、意外にも話し方の本にはほとんど登場しない。
飾りのない言葉ゆえに、かえって言いにくいということがあるかもしれない。
この言葉が言いにくかったら、この言葉を頭の中心に置いてもらえばいい。
言葉に出さなくとも、あなたの顔に「もう少し聞かせてください」と書かれるからだ。
その顔は、話を促す顔になっているはずだ。
なぜ「もう少し聞かせてください」を頭の中心に置くことが効果的なのか?
それは、偉い人が求めているものを考えると見えてくる。
偉い人は相づちやうなずきを求めているわけではなく、単純に話したいという欲求をもっている。
上の人は単純に話したいという欲求を持っている
相づちやうなずき、質問はたしかに相手の話を促す有効な手段ではあるが、
話す側からすれば、そんなことはどうでもよく、自分が十分に話せたかどうかという結果を求めている。
このことは、偉い人に限ったことではなく、すべての人が望んでいることだ。
多くの本はこのことをむずかしくしている。
また、相づちやうなずき、質問ありきと考えると、それらがすんなりと出ないときが必ず訪れる。
その典型が、偉い人の話を聞く場合なのだ。
相づちやうなずき、質問にこだわるのではなく、相手に十分に話してもらえるには、どうしたらよいか考えるべきだ。
その観点に立てば、「もう少し聞かせてください」に勝る言葉はなく、
顔で「もう少し聞かせてください」と語ることに、勝る方法はないということになる。
「もう少し聞かせてください」を口に出すか、出さないかは、そのときの雰囲気や流れに任せればいい。
この言葉を口に出さなかったとしても、偉い人は「もう少し聞かせてください」を感じれば、思う存分話すことができる。
エリートたちは、自分たちのことを聞き上手だと思っている。
だが、エリートたちの聞く姿を見ると、聞き上手ではなく、対応上手なのだ。それも自分で判断しているにすぎない。
あなたには話し手から見た、本当の聞き上手になってもらいたい。
そのために、「もう少し聞かせてください」を顔で語るのだ。
そうすれば、あなたのほうがエリートたちより好かれることは明らかだ。
綾小路 亜也
聞き上手は、顔で「もう少し聞かせてください」と語る から抜粋
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